「〝神の手〟は進藤先生から喜多見先生へ。」劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション 斗月冬歌さんの映画レビュー(感想・評価)
〝神の手〟は進藤先生から喜多見先生へ。
あくまで個人的な感覚ですので、異論は当然アリなことを先ず明記して(^^)
私にとって医療ドラマの最高峰は、唐沢版の〝白い巨塔〟か、〝救命病棟24時シーズン2〟だったりします。(〝医龍〟も捨てがたいが(笑))
奇しくもフジテレビの作品ばかりになってしまいましたが、別にフジに偏愛しているわけでも、TBSに含むところがあるわけでもなく(笑)
とにかく今、当〝南海ミッション〟を観た上で何が言いたいかと言いますと、要は〝TOKYO MER〟には(ドラマ放映当時から)ほんの少しではありますが、救命2に及んでいないという感覚が、筆者的にはあるのです。
いや、単純なエンタメ作品としては、ハラハラドキドキ、ぶっちぎりでTOKYO MERが最高です!
今回も例にもれず、これでもか、これでもか、の見せ場の連続なわけですが、ただ、結果的にやはり〝弱いな〟と感じるのは、キャスティングの唯一無二感のなさかな、と。(連ドラ時からの思い入れは無論ありますが)
例えば救命2には、まだ駆け出し、当時そこまで有名ではなかった俳優、女優が、メインの江口さん演じる進藤先生を支えるチームの一員として4名、出演しているのですか、その名前、今となってはちょっと凄まじかったりします。
小日向文世、伊藤英明、谷原章介、木村多江。
いずれもその後、誰もが知る存在、一流の俳優や司会者になるそうそうたる面々が、無名ではないにしろ、全然メジャーじゃない時期に、勢揃いで脇を固めたわけです。
安易なジャニタレ起用、モデル上がり系起用も皆無、いまや干された宮迫氏でさえ、俳優としての見事な才を披露しております(笑)
何より、ヒロインである松雪泰子がとんでもなく素晴らしかった。
救命のもう1人の主役である、松嶋菜々子が唯一出演していないシーズン2が最高なのは、亡くした妻を想い、もう新しい恋をしないであろう進藤先生に、かなりほのかすぎはしますが(笑)恋愛的な要素を与えた脚本が見事だったのです。
引っ付きそうで、引っ付かない、そして、結局は引っ付かなかった大人の恋。
おっと、話が逸脱しました(笑)
それに比して、TOKYO MERはどうでしょう?
現代、いや、近い将来、日本史上最高の俳優になるであろう鈴木亮平の脇を固めるサブ。
一見ハマり役に見える配役も、個人的には少し、弱い気がします。
何より、他作品で、女優として凄まじい演技力を魅せる、生見愛瑠が勿体なかった。
今作品は何より、彼女を活かしきれていないのが何とも惜しいのです。
ちなみに主役をはる医師の〝ゴッドハンドレベル〟はいうまでもなく、喜多見チーフが医療ドラマ史上最高なわけですが(朝田先生、大門先生が次点かな?(笑))医療ドラマの奥行きって、結局のところ、その先生の背負うドラマですやん?
喜多見先生の過去は、テロリストとの邂逅、妹さんを亡くしたことも含め、それはそれは凄まじいんですが、もう今となっては、喜多見先生は
〝完全無欠の名医〟
と化してるんですよ、腕もメンタルも。
恐らく今後、江口さんは進藤医師を演じないし、坂口憲二は朝田先生を演らないでしょう。
つまり今作において、進藤先生のゴッドハンドは、完全に喜多見先生に引き継がれたのです(^o^)
特にこの〝南海ミッション〟の喜多見先生は、父親にもなり、精神的にも成熟していて、腕も姿勢も統率力も人間性も人としてのバランス感覚も、言うことが全くない。
完璧。
松雪泰子演じる香坂先生に惹かれながら、亡くなった奥様の存在から、恋を始めなかった不器用で、厳しくて、怖くて、口が悪い進藤先生の不完全さを、半分でも喜多見先生が背負ってくれたら・・・。
ま、でもとか言いながら高評価なのは。
ややこしいことを考えず、エンタメ作品として見れば、〝南海ミッション〟最高です!!
てか、次はドラマで復活して欲しいかな(^^)
※あくまで私の主観なので、異論当然です(^^)怒って否定するのはナシでお願い致します(^^)
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