名もなき者 A COMPLETE UNKNOWNのレビュー・感想・評価
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俺は聴きたい、 奴らの絨毯に泥を塗ってこい
熱狂的なボブ・ディランのファンではない。
知ってる曲も片手で足りるくらい。
それでも、数多のアーティストが口にするのを考慮して、偉大さは感じてた。
フォークからの確執なんかも、全然知識として無かったから、映画として面白く感じた。
なによりも、劇場音響で聴けるのが嬉しい!
こういう作品こそ、映画館に足を運ぶべき!
音楽好きなら一見(一聴?)の価値あり
風に吹かれて~LIKE A ROLLING STONE
好き嫌いは別として音楽好きならボブ・ディランの映画なら観ておかないと思い、公開2日目に早速鑑賞。
ニューヨークへ訪れてから成功しエレキに変わっていくところまでの60年前の興味深いエピソード。
全体的な構成が簡単で分かりやすく見やすいので、気負いせずリラックスして見れたのがポイントで、意外とこれが2時間を超えてくると結構大事。
デビュー当時とブレイクし変化していく表情の変化が使い分けていて、リアルなボブ・ディランがそこに居そうな良い演技のティモシー・シャラメ。そしてさらに良かったのが、暫くヒットした感じがなかったエドワード・ノートン。大人らしい渋めの演技だったり、感情むき出しになったりと助演男優賞ノミネート納得の存在感。
エル・ファニングも支え続ける女性の辛さと自分の存在価値を清々しく演じていて印象◎。
時は1965年、ブリティッシュ・インヴェイジョンがアメリカに押し寄せているのが伺え、表現者としての新しい挑戦に苦悩しているボブ・ディランをわかりやすく作り上げられている秀作だった。
そこにディランがいる
孤独なロック詩人
息をするように音楽が生まれていく
俳優の役として、実在の人物でさらにミュージシャンを演ずると言うことがどれほど難しいことか素人が想像できる範疇を超えてきたシャラメの演技にまずは大喝采。
5年半の年月をギター、ハープ、歌に費やしたといえど
誰もが聞いたことのあるあの声で歌うというのは感服。
ジョーン役のモニカもそれまで歌も楽器も未経験だったとは実際のジョーンの歌声は知識不足で知らないのですが
映画のジョーンの声はとても美しいです。
ボブがウッディガスリーに会いにヒッチハイクで上京するところから物語は始まるが、それ以降5年ほどの自伝的映画の中で彼の生い立ちや家族についてほぼ語られることはなく、ただただ、出会った人や時代から影響を受けて
息をする様に音楽と詩を生み出していく。
朝起きてすぐにギターを掴むところや、女性の部屋を訪れてコトの後にすぐに作詞を始める姿
そして、ライブの曲目も事前に考えたくないと言う姿
『今』を生きてるボブには
フォークもロックも伝統も関係なくなんの型も必要ない。
ただ進み続ける彼が時に立ち止まって
ウッディやシルビーに会いに行く姿は
過去を語らないボブの家族の様にも見えた。
欲を言えば、ボヘミアンラプソディのように
名曲が生まれる瞬間をもっとじっくりと観たかった。
ライクアローリングストーンのオルガンの音はあんな風に唐突にいれられたのか!
と言うところは見ものだった。
ボブの爪が汚いところが映画を観て気になったが
パンフレットによると、事前にボブの事を綿密に調べたメイクさんのあえての演出だったそうで感服。
ガロ…学生街の喫茶店の歌詞に…
敢えての"完全に不明"
若き日のボブ・ディランの音楽的進化を描いた伝記映画。キューバ危機や公民権運動、ケネディ暗殺といった激動の60年代。ディランの天才的歌詞と重なって時代の空気感に圧倒される。
映画の中のディランは田舎から出たてにして天才オーラ全開。大御所にも物怖じしない。ファンにブーイングされても全くブレない。
内面や感情はあえて排除し、タイトルどおり"完全に不明"な人物として描かれている。彼が理想とするカリスマとしての自分なのか。
ティモシー・シャラメはミステリアスな魅力でディラン像を体現。吹替え無しの歌唱演奏は鳥肌モノ。
いつも煙草をくわえたクールな佇まい(あの時代だから許される。現代ならスマホ?そんなのヤダ)。
三白眼気味の眼差し。鍛えていないカラダもセクシー(フォークシンガーが体を鍛えているイメージないから役作り?)。
あんな人いたら女子は殆ど好きになると思う。
フェスの途中で帰った彼女を波止場まで一応追っかけて行ったけど、追っかけたフリ、振られたフリ。
女性に執着がないのかないフリなのか、やっぱり"完全に不明"。
全編に流れる音楽は心地良く、ディランをよく知らない人の入門書としては秀作。
あとシャラメの入門書としても。2人のそれぞれの作品をもっと知りたくなった。
個人的にはもう少し彼の出目や作詞方法、本当の人物像を描いてほしかった(本人が現役だし、タイトルと逸れちゃうからダメか‥)ので星4つで。
本人か!
早速待ちきれず、映画館に観に行きましたが、何しろティモシーシャラメのボブディランのなりきり度がハンパないです。
自分はビートルズファンからの流れなので本人の映像を
たくさん見ている訳ではないですが殆ど本物に感じました。ボブディランのかっこよさと魅力を見事に再現しているのではないでしょうか。音楽もティモシー本人が歌と
演奏しちゃってるのが凄い!めちゃくちゃ聴き入ってしまいました。いやー音楽っていいなぁ。天才って世界のみんなにとってかけがえのない贈り物なんだなって、
改めて思いました。そして今感じている事は
今の若い世代の人達がネガティブな理由でなく、賞賛を持って迎えられ、皆に希望を与える様な形でポジティブに、寛容に世界を良くしていけるといいなって思いました。
映画の間ずっと気持ちよく、楽しんで物語に浸りました。
ありがとう!いいもの見せてもらいました。
気になっている人はすぐ観に行く事をお勧めします。
また伝記映画かよ!と思うなかれ
ギターも歌も自前で頑張ったティモシー・シャラメがアカデミー賞主演男優賞を獲れなかったら、口パクだった「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレックはなんだったんだという突っ込みが出てしまうし、反対に近年の主演男優賞が伝記映画ばかりになってしまうのもどうかという思いもあり、アカデミー賞の行方は要注目だ。
ラッセル・クロウ×クリスチャン・ベイル出演の西部劇「3時10分、決断のとき」、マット・デイモン×またまたクリスチャン・ベイル主演の「フォードVSフェラーリ」など渋くてアツい映画を手掛けてきたジェームズ・マンゴールド監督最新作!
前作「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」は興行的に不振で終わってしまったので、本作で名誉挽回!!
1961年ボブ・ディランが入院中のウディ・ガスリー(激似!)を見舞いに行くところから、数多くの逸話が存在する1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルで過去と決別宣言をする「イッツ・オール・オーバー・ナウ、ベイビー・ブルー」を歌い上げるまでを描く。
ギターと歌を猛練習しただけあって、ティモシー・シャラメによる数々のディランの名曲は見応え(聴き応え?)がある。喋り方もディラン独特の訛りだったり、アルバムのジャケット写真そのままの立ち振る舞いだったり、しっかりと表現出来ていてなんて器用な俳優なんだ!とビックリしました。
また、シャラメだけでなくジョーン・バエズを演じたモニカ・バルバロ(あの「トップガン マーヴェリック」のフェニックス!)も素晴らしい歌声だった。
映画ではデビュー当初はカバーソングだけがレコーディングされているような印象だったが実際はオリジナルソングもレコーディングされている。
他、ウディ・ガスリーの見舞いにピート・シーガーも居合わせていたり、ラストのニューポート・フェスティバルで色んな人が居合わせいたりと映画ならではの脚色は上手いと思いました。
これがラストのウディ・ガスリーにハモニカを再度託されるという感動のシーンに繋がる。
登場人物皆魅力的だ。特にエドワード・ノートンの優しい眼差しが泣けた。彼はいつのまにこんなに歳をとったのかと思ったが、フォーク界や若きミュージシャン達や家族に対してすごく気遣いの出来るビックダディ感が出ており、ラストは結末わかっていながらも「お前、エドワード・ノートンさんの為にフォーク演ってやれや!!」とブチ切れそうになりました笑
ミュージシャンの伝記映画にありがちな薬物描写はカットされていて(その代わりなのか喫煙シーン多め)、これも時代か。と思いました。
未だ謎多きボブ•ディラン
まるで終わりのような。
実際のディランのバイク事故は有名ですが、まるであのまま事故死してしまうかの様なラストシーンのシャラメディラン考え過ぎですかね。
シャラメディラン、クールで悪で最高です。ピート・シーガー真面目で優しくてカッコ悪くて可哀想で最高です。ジョニー・キャッシュとにかく悪で最高です。皆さん実物も最高ですが、この映画での役者の皆さんも最高です。悪い奴の方がカッコ良いってのは、仕方がない事なのデスね。
その昔ブルース・リーの映画を観た後は皆がブルース・リーに変身していたと聞いた事がありますが、この映画を観た後、私はボブ・ディランに変身して煙草吸ってました、帰宅して梅干しのおにぎり食べるまでは。
傑作です!
イギリスでの(ニューポートでなく)ユダの罵声とその後の「like a rolling stone」の本物はこの映画のシャラメの歌よりもっとぶちギレていて素晴らしいですよ。
ウディ・ガスリー泣いてしまいました。あー良い映画だ!
魂が揺さぶられた
エドワード・ノートンの凄み
もう少し時代背景の説明とか欲しかったかも
ボブ・ディランは数曲しか知らない状態で試聴
時代は1960年頃のアメリカで、昔ながらのフォークやカントリーが愛される一方、若者音楽のロックが台頭し始めてた頃、フォークの寵児だったボブ・ディランがロック的な曲を演奏し裏切り者扱いされる頃までの映画でした。
ボブ・ディランに詳しい人だと分かるのかもしれませんが、フォークでエレキギターを使う禁忌感とか色々と時代背景の説明がもう少し詳しく欲しかったです
恋愛ドラマ部分の尺が多いですが、史実ベースな分単なるだらし無い奴みたいで良くなかったかも
あと、やたら煙草を吸うシーンが多かったり、平気でポイ捨てするのは時代背景的に仕方無いから良いんですが、真夜中にサングラスでバイク乗るのは流石に笑いそうになりました(笑)
見応え充分の楽曲実演シーン
いよいよ週明け、第97回アカデミー賞授賞式が開催予定。作品賞候補10作品中、授賞式前に観られる作品5本目となる(私にとっての)オオトリは『名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN』。土曜のファーストデイである本日、ここなら混まないのではと思って狙いをつけた109シネマズ木場。案の定程々な客入りの中、余裕のエグゼクティブシートで鑑賞です。
1971年生まれの私。洋楽を聴くようになったのは中学に入ってからで、その当時のボブ・ディランはすでに「超大物」でしたがヒットチャートで見かけることは殆どなく、網羅的に聴く音楽の一部でした。勿論、『ウィ・アー・ザ・ワールド』における個性たっぷりの節回しとその存在感には度肝を抜かれましたが、その後も彼の音楽を掘ることはなく、2016年のノーベル文学賞受賞についても正直「へぇー」という程度の印象。と言うことで、この作品がアカデミー賞にノミネートされていなければ劇場鑑賞していなかった可能性もあったわけですが、その程度の興味でも十分に楽しめる作品だと思います。
本作「伝記映画」ではありますが、語られる期間とエピソードはあまり多いわけではありません。1961年、無名のミュージシャンだったディランが間もなく誰もが知る存在となり、1965年7月25日に開催された「ニューポートフォークフェス」に出演するまでのストーリー。フォークミュージシャンとして注目を集め、ヒットソングを出したディランですが、彼にとって音楽のジャンルはそもそも定義が曖昧な単なる枠組みであり、彼自身どんなジャンルも否定することはなく他のミュージシャンへのリスペクトの高さも窺えます。音楽という武器を使って自分を表現し続ける彼は、寝る間も惜しんで制作し続ける日々。(実際、彼のディスコグラフィーをWikipediaで検索すると、尋常でないリリース間隔の短さとその多作さに驚かされます。)次々と湧き出る新作のアイディアに対し、ファンから求められる「定番」と関係者が背負わそうとする「伝統」に嫌気が差し始めるディラン。そしていよいよ1965年7月25日、ディランがフォークフェスに登場し決意の「事件」を起こします。
この僅かな期間の出来事に、作品の厚みと感情を揺さぶるエモさをもたらすのは、何と言ってもティモシー・シャラメ(ボブ・ディラン)、モニカ・バルバロ(ジョーン・バエズ)、エドワード・ノートン(ピート・シーガー)等による楽曲実演シーン。皆さん歌唱も演奏も素晴らしく、曲数も多くてそれぞれ尺も長めにたっぷりと聴かせてくれるのでそれだけでも見応え充分。特にシャラメのアクトは圧巻です。SAGで主演男優賞に選ばれましたが、アカデミー賞では如何に?なお、本作のオリジナルサウンドトラックも配信サービスで聴くことが出来ますので、興味がある方は是非。
そしてもう一つ。本作を観るまで出演されていたことを知らなかった初音映莉子さん。台詞こそ多くはありませんが、眼差しや表情で語る演技で、間に立たされ難しい立場のピート・シーガーの妻トシ・シーガー役はとても好演でした。素晴らしかったです。
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