劇場公開日 2025年2月28日

名もなき者 A COMPLETE UNKNOWNのレビュー・感想・評価

全332件中、81~100件目を表示

4.5立川のイベント上映良かったですよ

2025年3月10日
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鑑賞方法:映画館

 立川シネマシティでのイベント上映にて鑑賞。立川直樹さんと本作の字幕監修もしている菅野ヘッケルさんによる解説を上映前に伺うことができました。当方齢60ですが洋楽に疎く、ボブディランも何曲かの定番とWe are the worldで見たオッサンというレベルの無知さで登壇されたお二人とも存じ上げませんでしたが、本作の理解が深まる興味深いお話が聞けてよかったです。立川で月曜夜ということもあり入りは3割程度といったところ。来週は立川さんとRCのチャボ、再来週は立川さんとピーターバラカンですよ、皆さん立川シネマシティに来てね!10時終演だから十分帰宅できますよ〜。
 で、映画はまず音と映像が美しく、物語も興味深い。60年代のアメリカの、NYと言えど日本の60年代とどこか似通った空気感がオッサンにはたまらない。シャラメもギター上手いし少し肉をつけていい感じの男前。ディラン本人も男前だからモテモテも仕方ない。しかしピートシーガーは損な役回りだったなあ。
 てな訳で遅ればせながらちょっと聴いてみることにしました。

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またぞう

4.5ボブ・ディラン

2025年3月10日
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鑑賞方法:映画館

正直彼のことは良く知らないです。知っているのは、代表曲の「風に吹かれてとアライクローリング・ストーン」の二曲と後年ノーベル文学賞を取ったと言う事くらい。CDも1枚も持っていないし配信も入れて無い。
でも何か感動しました。主演のティモシー・シャラメのギターと歌唱が半端なく美味すぎる。吹き替えしなかったのは大成功と言えます。劇中で流れる曲はほとんど知らないけど、どれもこれも胸にグッと刺さる曲ばかりで心地良かったです。

それとピートとウディの二人の歌手がボブ・ディランに影響を与えたらしいけど、この二人のことも全く知らなかったです。しかもピート役がエドワード・ノートンと知り随分印象が変わっていて分からなかったです。

最後にエンドロールで流れた彼の代表曲で締め括りしてくれて最高に満足行く映画でした。

又々音楽映画に秀作誕生です。

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エンジェル・ハート

3.5「転がる石のように・・・」がやっと分かった(笑)

2025年3月10日
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鑑賞方法:映画館

“ディランの唄を好きになってから
あなたは人が変わりましたね
転がる石のように生きると・・・”

昔々、俺の青春時代に木之内みどりというアイドル歌手が歌った曲。
俺の中ではボブ・ディランと聞いて、一番に思い浮かぶのはこの曲(笑)

それくらい、ボブ・ディランを知らない俺だけど、有名ミュージーシャンの伝記的映画は1年に1~2本は製作されているので、過去10年でそれなりの本数観て、どの作品もそこそこ楽しめたので、本作も迷わず観る気になった。

ボブ・ディランがどんな人生を歩んだのかは全く知らずに観賞。

【物語】
1961年、ギターを抱えた19歳の若者ボブ・ディラン(ティモシー・シャラメ)がニューヨークにやって来る。敬愛するミュージシャン、ウディ・ガスリーに会うためだったが、彼は入院していることを知り、病床を訪ねる。ガスリーと見舞いに来ていたピート・シーガー(エドワード・ノートン)に言われてボブは彼らに1曲聞かせることになるが、ピートとガスリーはボブの歌に心揺さぶられる。

ピートの口添えをきっかけに、ボブはプロとしての階段を駆け上がって行く。その中で、フォーク歌手ジョーン・バエズ(モニカ・バルバロ)や恋人となるシルヴィ・ルッソ(エル・ファニング)らに出会う。

【感想】
冒頭に書いたとおり、ボブ・ディランがどんな歌を歌ったのかもほとんど知らない。それでも劇中歌の訳詞を眺めているだけで確かに心揺さぶられるものがあった。エンディングではノーベル文学賞を受賞したことも紹介されたが、それも納得の文学性。

ただ、過去観て来たミュージーシャンの伝記映画では当然ながら、音楽に感動することが多かったが、本作は音楽に関する感動は薄かった。と言うのはモニカ・バルバロの歌は素晴らしかったが、ティモシー・シャラメの歌は下手とは言わないが感動できるレベルではなかった。 元々思い入れの無いミュージーシャンの映画なので、俺の期待はそこにしか無かったので、ちょっと残念。

ボブ・ディランの半生についての感想を言うと、伝記映画になるような伝説のミュージーシャンは、ほぼ例外なく栄華を極めたあとにおかしくなっていた。薬に溺れるとか、あまりの大金に周囲の人間も含めて我を失うことになるとか。
「人間ってあまりに高いところまで行ってしまうとろくなことにならんな」
と思っていたが、ボブ・ディランは音楽的指向の変化があれど、おかしくなることは無かったのだなというのが一番の感想。凡人は普通であることが簡単なのだが、ボブ・ディランほどの成功者だと普通であることが非凡なのかもと。 ただ映画としては、頂点に立った後も谷底に落ちないから、割と平坦な作品になっているかも。

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泣き虫オヤジ

4.0社会では

2025年3月10日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

本当に変革を求めるものは
変人という。

皆が望むのは満足している現状の少し先にある
隙間を埋めてくれる

言葉であり刺激であり実感なのだ。

故に、政治に不平は言うが
本当に変えるための行動は起こさない。

起こすのは、ストレス発散の為の
暴力であり攻撃のみだ。

そう伝えているんだろうな。

と本作を観て思った。

しかし、それで終わっていたら

真の潮目の変化を見過ごしてしまう。

だから、しっかりと息を吸い込んで
これから時代に息を吹き込もう◎

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tomokuni0714

4.0音楽が素晴らしかった

2025年3月10日
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鑑賞方法:映画館

ボブ・ディランについて描かれた映画で、終始音楽が流れていたため、純粋に楽しめました。

ただ、1960年代のアメリカの状況やボブ・ディランに関する知識が自分には少し不足していたため、映画を十分に理解できたかというと、やや疑問が残ります。

それでも、最初に書いたように音楽が素晴らしく、ティモシー・シャラメさんの演奏も圧巻だったので、全体としてとても良い作品でした。

さらに、初音映莉子さんがメインキャストだったことには驚きました。

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む

4.5シャラメ、凄すぎ

2025年3月10日
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シャラメの歌声はディランにしか聞こえず、演奏もシャラメ自身と聞いて驚く。自分は、ディランという人間を描いたドラマよりも、フォーク、ブルースの歴史として楽しく観られた。アル・クーパーがキーボードを弾いた理由もわかった。自分以外には刺さらなかったかもしれないけど、ディランがチューニングの違うギターの黒人とのセッションで涙してしまった。

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hanataro2

3.5カッコ良すぎる

2025年3月10日
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はーかっこ良すぎる

ボブディランの曲少ししか知らないけどかっこ良すぎた。。
シャラメのサントラさっそくポチりました。

なんでこんなにかっこいいの?
なんでこんなに歌うまいの?
なんでこんなに演技うまいの?
なんで?

劇場でパンフレットまさかの品切れだったんですけどー😭😭😭シャラメの人気はんぱない😳😳😳😳
それか転売人か?👺👺👺

やはりシルヴィのことは大切なんだね☺️☺️

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HY

4.0冷めたディラン

2025年3月10日
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本人はまだ生きてるだろうから、破滅的に描けないのかもしれないけど逆にそのドラマチックにしすぎない筋運びが好みだった。
ボブは結構すぐ諦めるし、感情は簡単に冷える。

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ハトヒッポ

2.0ボブ・ディランに思い入れなし

2025年3月10日
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ディランが革新的ミュージシャンだったのは知っているし、有名曲は聴いたことはある。ただなあ、曲自体にピンとくるものがない。そうなるとこの映画は辛い。

ディランが自らの出自についてホラを吹きまくったり、女性に対して適当だったり、旧弊なジジイたちに足を引っ張られたりと面白いところは多々あった。コンサートの片付けをしてるのを横目にバイクで走り出すのもよかった。
ただ、いかんせん曲が。これは完全に好みの問題で、逆にディランの曲にグッとくるような人たちには最高の映画だっただろう。

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水原秀策

5.0「ベタ」な演出を徹底することの凄さよ

2025年3月10日
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泣ける

「傑作だ」とひとり呟く以外、鑑賞後のこちらの処理が追いつかないのだが、記憶が鮮明なうちにメモしておく。

5年間も練習したというティモシー・シャラメの演奏にはとにかく震えたが、モニカ・バルバロが初めて画面に登場して歌うシーンも感動的だ。柔らかでさりげなく、しかし計算し尽くされているであろう完璧な照明の美しさ。

ボブ・ディランの恋愛事情はショットの連鎖と大胆な省略で説明され、退屈なベッドシーンなどはしっかりと排除されている。

ギター、ハーモニカ、タバコが手から手へと受け渡される。グルーピーとの関係性とは明確に異なる手と手のリアルな繋がり。この「手から手への受け渡し」はもっときちんと言語化したい。

サングラスの着脱、ステージ横に限らず誰かが音楽を演奏するときの人物配置(誰が立つのか、どこに立つのか)、フェンス越しの会話(素晴らしい!)、「ベタ」で「凡庸」な演出の素晴らしさ。何度も何度も涙を流してしまった。

「あなたと同じ逆張り屋さん」という台詞がいたく気に入ってしまった。

#映画 #映画館 #映画鑑賞 #映画鑑賞記録 #cinema #movie #film #theatre #acompleteunkown #名もなき者 #timotheechalamet #ティモシーシャラメ #jamesmangold #ジェームズマンゴールド

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cinema2014

3.5ボブ・ディランの事がよく解る音楽映画。 本年度ベスト級。

2025年3月10日
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ぶっちゃけボブ・ディランもティモシー・シャラメにも思い入れは無いけど音楽映画が好きなので鑑賞。

面白かった!とか
感動した!とか
泣けた!
みたいな感情は生まれず。
ただボブ・ディランがどんな人だったのかが勉強になった(笑)

どこかで聞いた事のある曲が結構流れてた来るもののテンションはあまり上がらず(笑)
解った事は、ボブ・ディランって1歩先を行ったミュージシャンだったって事かな?

ティモシー・シャラメさんの美声やギター演奏は評価したいところ。

本作の中ではフォークソングの歌詞って、かなり抽象的な感じがした。
聞く人達が自分の事に被らせ、人により歌詞の受け取り方が違うんだと思えた。
これがボブ・ディランの手法なのか?
気になるところ。

ミュージシャンって酒や女やドラッグってイメージあるけど、ボブ・ディランってそんな事もしなかったけど、タバコは吸い過ぎたと思いました( ´∀`)

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イゲ

4.5ディランの破格の天才を再認識する作品

2025年3月9日
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ボブ・ディランの1961年から伝説となった1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルまでを初期の代表曲で綴りドラマチックに描いた。

“Like A Rolling Stone” の中の余りにも有名な言葉 “A Complete Unknown” が今作のタイトルとなった。

思えば、最初に口ずさんだディランの曲が “Like A Rolling Stone”。自分のような日本のロック少年も歌わずにはいられない圧倒的に魅力的な曲だった。今作のクライマックスでティモシー・シャラメとともに歌い涙したのはまさに必然だった。

ウディ・ガスリーとピート・シーガーとの出会い、そしてシルヴィやジョーン・バエズとの関係は多分にフィクションな感じだけど、嘘をもって真実を語る映画としては正解だと思う。

シャラメによるディランの完成度は奇跡の領域。どれだけのものを注いだらあの域に達せられるのだろう。オスカーを手にしなかったことが信じられない。

逆に寄せていかなかったエドワード・ノートンのシーガー、そしてモニカ・バルバロのバエズもまた良し。特に自身のスタイルに徹したバルバロの歌唱は潔いと思う。

微妙に似ているマイク・ブルームフィールドとアル・クーパーにクスリと笑ってしまうのも一興。

兎にも角にもディランの破格の天才を再認識させる作品。わずか24歳で誰も知らなかった高みへと上り詰めた。誰も知らなかった世界へと誘った。

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エロくそチキン2

3.5シャラメ凄い!

2025年3月9日
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ディランはそのものより、他者が取り上げた曲の方が好きなのですが、彼の凄さが伝わりました。シャラメの演技は素晴らしかった。オスカーは彼で良かったのでは。ただディランのあの狂気を感じさせる目つきだけは無かった。
ディランそのものはあまり聞かないし、フォークも聞かないけど、ディランの生き方、彼の孤独、フォークの精神などは見事に表現されており、見た直後より後からだんだんと好きになっていくような気がする素晴らしい作品でした。
とにかくシャラメが凄かった。

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マクラビン

4.0演技は本物、話は普通

2025年3月9日
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ボブ・ディランは好きです。
他の方がレビューする通り、役者の再現度、ライブシーンなど良かったです。
20歳にしてあのような歌詞が書けるディランは、かなり達観してる人物なのでしょう。
また、気まぐれで掴みどころがない人とは言われますが、常にギター持ち歩き、朝も夜も弾くあたり、多分音楽以外興味ないんだろうなと個人的に思いました。
夜中に弾くのは真似してはいけませんが、自分もギター小僧なので、その精神は見習いたいです。

気になった点
映画の構成としては、無難な感じでした。恋愛あり、葛藤あり、一番良いライブシーンで締めくくるという感じ。最近多いミュージシャンの伝記映画と同じパターンです。ただ、本人は謎めいた人なので、感情の起伏がなく淡々と進んでいきます。
そこが魅力かもしれませんが、個人的にはディランの幼少期から追って、どうしてあのような才能が生まれたかが知りたかったです。

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ひらひら

4.0歌声

2025年3月9日
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ティモシーシャラメの歌声がよく特徴を捉えててとても良かった。もっとフルで聴きたかったな。ステージの照明や演出がよかった。

ジョーンもシルヴィも魅力的。エドワードノートンのピートもよかった。日本人の奥さんが意外と目立ってた。ジョニーキャッシュもかっこいい。

あの変な水玉のシャツも着こなしちゃうシャラメさすが。

ドルビーシネマで見たので音楽がとても楽しめた。

フォークvsロックみたいのは知識がなくてよくわからなかった。音楽に詳しかったらもっと楽しめたんだろなー。

青春〜

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hyvaayota26

4.0自由を勝ち取る

2025年3月9日
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2016年に歌手として初めてノーベル文学賞を受賞した
ボブ・ディランの若い日を描いた伝記ドラマ。
1961年の冬、わずか10ドルだけをポケットにニューヨークへと降り立った
青年ボブ・ディラン。
恋人のシルヴィや音楽上のパートナーである女性フォーク歌手のジョーン、
そして彼の才能を認めるウディ・ガスリーやピート・シーガーら
先輩ミュージシャンたちと出会ったディランは、
時代の変化に呼応するフォークミュージックシーンの中で、
次第にその魅了と歌声で世間の注目を集めていく。

といったあらすじ。

ボブ・ディラン、正直名前は知っているけど、音楽は知らず。
ノーベル文学賞を受賞したのを知っている程度。
この類のスターやアーティストの伝記映画は、頂点への上り詰めるまでと、
その後の凋落をドラッグなどと絡めて描かれることが多いのだが、
本作は違った。

周りから評価され、才能を認められ、のぼっていき、
「フォークの貴公子」と呼ばれ、一世を風靡するが、
成長とともに変化することも、エレキを片手にロックを歌うことも許されず、
ファンを含め周囲から型にはめれている自分に悩み、苦しみ、
1965年のニューポート・フォークフェスティバルでついに爆発。
エレキを持ち、「ライク・ア・ローリングストーン」など3曲を演奏、
ブーイングを浴び、ピートらを裏切るも、
音楽の自由、そして自身の自由を勝ち取ったのだろうか。

映画ではここで終わるが、彼の人生においてはここがターニングポイント、
このあと、「ライク・ア・ローリングストーン」はヒットしたとか。

ボブ・ディランを演じたティモシー・シャラメさん、チョコレート工場以来でしたが、
完全になりきっていましたね。本物を見たこと、聞いたことはないけど、
歌もギターも素晴らしかった。

恋人のシルヴィを演じたのはエル・ファニングさん、オーロラ姫だよね。

歌手のジョーンを演じたのはモニカ・バルバロさん、どこかで見たなと思ったら、
トップガンマーヴェリックの女性パイロットじゃないか笑

映画の中で流れた音楽はやや古いが、いい音楽、なによりも歌詞がいい。
「時代は変わる(The Times They Are A-Changin')」の歌詞がささった。

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よっしぃ

4.5◇ アメリカーナと唯我独尊の共振力

2025年3月9日
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 私が中学生の頃はフォークギターを弾ける友人が学校のアイドルでした。高校時代になると主役がエレキギターに変わり、やがてシンセサイザーとかの電子系へと移行していきました。フォーク→ロック→テクノの発達史観。

 1960年代は、公民権運動、キューバ危機、ケネディ暗殺。やがてベトナム戦争が拡大していくアメリカ不安定期です。そんな時代背景だからこそプロテストソングが大衆の心を捉えます。

 一方で、この作品の後半の山場は1965年のニューポート・フォーク・フェスティバル。社会を変革するために歌っていると自負するフォークミュージック信奉者達が、「電気楽器は使わせない」と保守的になっている皮肉。フォークvsロックという二項対立も今昔物語の懐古を感じます。

 ボブ・ディランについては、特別好きでもないですが、たまたま昨年出た#CatPower(#キャットパワー)の『Cat Power Sings Dylan: The 1966 Royal Albert Hall Concert』は、しばらく聴き込んでいました。エフェクターを通さないギターの繊細なリズムと肉声的な歌声は、心身に直にしみ込んでくるようで心地よいです。

 最近は、音楽におけるアメリカーナの復興が唱えられているようです。素朴なアコギの響きが瑞々しく心に響くからでしょうか。一方で、この作品の舞台となる1960年代のような明確な対立軸がある世界でもなく、世の中も音楽も玉石混交、多種多様な趣向が同時に世界中に散りばめられているようにも感じます。

 続け様に歌われるボブ・ディランの名曲達を縦軸に進行する物語に対して、身勝手な男とそれを支える女心という古典的なラブストーリーが横軸に広がります。才能の裏側には、唯我独尊の孤高があり、生み出される音楽には魂の未分化の状態を震わせる力が秘められています。音楽主題の映画が持つ心の震えを倍加させる共振力は、今回も私の内部で揺れ動き、気分を高揚させたのでした。

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私の右手は左利き

5.0シャラメ君が歌うBDに酔いしれました‼️

2025年3月9日
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知的

幸せ

思わず、サントラ買ってしまいました。
帰ってゆっくり聞きます。

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masakawa fujisawa

4.0音楽をカテゴリーで括る意味

2025年3月9日
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ハリウッドに伝記映画を撮らせると役者のレベルで到底敵わないなあといつも思う。
世界中の誰もが知っている人物を演じるという強烈なプレッシャーには相応の努力をする事以外に打ち勝つ事ができず、それを乗り越えた役者の自信と技量がそのように思わせるのだろうか。

自分はロックから入った口なのでフォークは通らずで、ビートルズはわかるがディランに対しての知識はほとんどないが、持っているイメージとしては、童顔、何となくいつも難しい顔をしている(ビートルズも晩年はそうだったけどw)、フォークソングを自分の言葉で歌った最初(多分違うと思うけど)のアーティスト、途中からロックに転向した、そしてノーベル文学賞を受賞した、という程度。
あとペキンパーの「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」に出てたというのも映画ファンとして付け足しておく。

日本でフォークからロックに転向した歌手ではCHAGE&ASKA、THE ALFEE、長渕剛などがすぐに思い浮かぶが、そもそもカテゴライズしてるのは周りであって、表現者側からすると余計なお世話なんだろうと常々思っていたが、その音楽の成り立ちを大事に思っている人達やそれにより弱者救済やマイノリティ差別撤廃など様々な運動を起こそうとしている人たちからすると時には面白く思えない場合があるんだろう。
ただ大多数は優れた作品は偏見なく評価するという事をディランは身をもってして証明したということかと思う。

冒頭で述べた通り、ディランを演じたティモシー・シャラメは劇中で40曲を違和感なく生歌唱、生演奏し類稀なる役者魂を見せたが、ジョーン・バエズを演じたモニカ・バルバロも同じ事をしていたとしたらシャラメ以上に評価されても良いと思わせるくらい素晴らしかった。

ストーリーに関して言えば、ディランが20才でNYに来てから成功を収める迄の数年間のお話だが、名声を得てから自由がなくなる生きにくさ、常に新譜を伝えたいのにいつまでも代表曲を求められる、支えてくれた女性に対しわがままで身勝手な態度を取る、など有名人あるある過ぎて面白みに欠けたが、付き合う人々によって楽曲が変わっていくことや、その貪欲さは非常に興味深かった。

神秘的だった生ける伝説のほんの一部だが垣間見る事ができる面白い映画だった。

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カツベン二郎

3.5言葉の魔力と音楽の進化

2025年3月9日
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映画はディランのデビューから、名曲『ライク・ア・ローリング・ストーン』を収録したアルバムを完成させるまでの約3年半を描いている。

興味深かったのは、若きディランの姿だ。彼が入院中の先輩ミュージシャン、ウディ・ガスリーを訪れて歌う冒頭シーンは特に印象的だ。ガスリーと付き添いの音楽家ラム・ブランクに才能を見出される姿は、ガスリーに憧れて、真摯にフォーク音楽に向き合っていたディランの原点を見せてくれる。

また、ディランにもレコード会社の意向で最初はカバー曲を歌う時代があったことや、スターとなっていくにつれて恋人との関係がうまくいかなくなる。互いの才能を認め合ったジョーン・バエズとの関係性が、売れない時代からスターになった後まで描かれ、成功がもたらす人間模様の変化を巧みに表現している。

「フォーク界の救世主」のように持ち上げられながらも、エレキサウンドを導入した途端に観客から猛烈なブーイングを受けるシーンは衝撃的だ。だが彼はそれを音楽の力で乗り越え、ファンを納得させていく。ジャンルを壊すことによって新しい表現を切り開く、ディランの姿が描かれていた。

字幕のおかげで初めてじっくりと味わったディランの歌詞は、まさに「言葉の魔力」だった。ノーベル文学賞授賞者の歌詞の魅力が日本語字幕で、初めてじっくり味わうことができた。

ファンの中には「なぜあの詩は自分ではなくディランに降りてきたのか」と嫉妬する者もいるという。それは共感が深ければ深いほど、自分の気持ちの代弁者への複雑な感情が湧くことを示しているだろう。

ボブ・ディランという稀有なアーティストの魅力と、彼を取り巻く時代、音楽、そして人々の心情を見事に捉えた作品だった。

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ノンタ