名もなき者 A COMPLETE UNKNOWNのレビュー・感想・評価
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彼を知らない世代には響きにくい
ボブ・ディランという名前は知ってるけど、曲も知らない世代にはどう映るのか、名もなき者
ティモシーシャラメやエルフファニング、エドワード・ノートン、撮影 はキレキレで、セットや衣装、小道具、テレビ映像もよかったなぁ個人的に好きな60年代アメ車などガワは文句なし最高。
だけどノーベル文学賞もとっているけど、ロクに歌も知らない世代には、ミュージシャンとしてカリスマあるようには見えなく、どうも腑に落ちない。これはこちらが見落としや、見誤ってる点があると思うのだが、2025年、進化し続けてきた今のミュージック聴いていると当時のオーソドックスなフォークは、やはり物足りく感じて、これって凄いのかな?とは思うのは仕方ないだろう。
考えるとボブ・ディランのなり損ないをいっぱい観てきたので、歌で世界を変えられるという幻想抱いて敗れた歪んだおじさんは知っている。だからこそこの映画で、教祖みたいなボブ・ディラン観たかったのだが、そこまでには至らなかったなぁ
フォーク全盛時代に先進的にエレキを取り込んだボブ・ディラン。日本で...
映画としては良作ですが主人公は嫌いです。
エドワード・ノートンを筆頭にキャストの皆さん演技がとても上手く、タイトルにも記した通り映画としては良質な作品だと思います。
ただ、残念ながら主人公はアーチスト気質というのか、良く言えば周りの意見には惑わされず自分のやりたいことを貫くとも取れますが、悪く言えば自分勝手、なところが好きになれませんでした。
あと、ボブ・ディランのファンの方には大変申し訳ないのですが、どの曲も同じような曲にしか聴こえませんでした。また、自分勝手な人だということはよく分かりましたが、何がすごいのかについては作品からは伝わってきませんでした。最後に字幕で、その後についての説明はありましたが…
ボブ•ディランを知った。
求められる者でなく”名もなき者”でいたい ボブ・ディランでなくティモシー・シャラメ自身の魅力が光る! 初音映莉子出演に驚いた!
変わりゆく激動の時代に、変化する自分、変化する自分の音楽に常に素直な彼。
大ヒットした曲のイメージ、求められる者でなく”名もなき者”であろうとする。
女性に対してその行動は身勝手な男でもある。
ボブ・ディランの話ではあっても決して安直なモノマネはせず、ティモシー・シャラメ自身が歌う歌、の魅力が光る!
アカデミー主演男優賞確実!! →残念!(3/3追記)
他にも俳優自身が歌う渾身の歌が素晴らしい。
なお、トシを日本人俳優、初音映莉子が好演!ディランに向ける厳しい視線が印象に残る。
10年以上前に、下北沢などの小劇場の舞台に立て続けに出ていた時に良く観ていました。
こんなところでまた見ることになるとはびっくりした!
今後の活躍に期待してます!
神様の伝記映画としては最高最適なレベルなのに、見えないのです本質が
ミュージシャンの伝記映画が続々と登場、フレディ、エルビスと秀作が続き演じた新人(中堅)役者も大ブレイク。で、ついにはフォークの神様かつノーベル文学賞の授賞者であるボブ・ディランの登場と相成った。しかしレミ・マレックやオースティン・バトラーと異なりディランに扮するのが現時点でハリウッドにおいて人気・実力・興行力ともにトップのティモシー・シャラメが演ずる点が大きく異なる。そして案の定の完璧なディランの造形に唸るしかない程。アカデミー・主演男優賞も相当に濃厚と思われる会心の演技でした。
もちろん、レミ・マレックやオースティン・バトラーも相当の力量を見せつけてましたが、当然にご本人とはかなり違うのは当たり前。でも、それだからこそ描くべきご本人のエッセンスを際立だせたのは確かです。逆にシャラメ版はあまりに似すぎて、ルックスはかなり異なるもののトータルの造形が凄過ぎて、描くべき対象とならないのです。まるで再現ドラマか過去の映像の如く、そこには第三者の視点が入り込めないのです。
聞けば、コロナにより撮影延期のために、あの人気大スターがたっぷりと時間をとって猛訓練をしたとか。その成果は歌唱からギター演奏、そして動作のクセまでの完成度に結実して、演技賞はとって当然の見事さ。でも作品に求められるのは WHO IS Bob Dylan なわけで、その肝心が見えないのです。贅沢な悩みと言えばその通りですが。
なにより正統派的監督に徹したジェームズ・マンゴールドに瑕疵はない。60年代の激しすぎる世相を織り交ぜ、巷有名なエピソードをもれなく取り上げ、そつなく仕上げた。しかしジョーン・バエズと恋人シルヴィの曖昧な関係性から、人気者になってからの世間が求める姿と自らの想いとの乖離と、肝心な要素がどうにも伝わらないのです。クライマックスとなった1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルでの「エレキ転向」はまさに事件で、すぐさま日本にも伝わり大騒ぎだったのを少年だった私は覚えてます。
もとよりディランは天才によくみられる通り、周囲に関心はなく、彼の心の想いのままの歌詞も全く文学なんて次元では考えてなく、勝手に周囲がそうゆう風に見てしまっただけでしょう。だからフォークのプリンスなんて称号は有難迷惑でしかないはず。ライブでレコードで聞けるヒット曲なんか演奏したくないって言うんだから、彼の天才思考と観客の凡人思考の祖語は明白。本作でも描かれる通り、担当プロデューサーがコロコロ変わるのも理解できます。
時代が変わる節目を唄い、それによってムーブメントが起こり、本当に時代が変わってゆく。そこには批判的視点が必ず在り、プロテストソングとも言われた。先日のホワイトハウス内でのゼレンスキーに対するクソ・トランプと低能・バンスによる醜態を見れば60年代以上の危機的状況が明白。ディランのような吟遊詩人が登場すべき時のはず。
ヒット曲ほぼ網羅の音楽映画としてはこれ以上望めない程の作品なのは確か。エドワード・ノートンが嘘でしょのレベルで見事な歌唱をすれば、モニカ・バルバラが雰囲気たっぷりにご本人以上に上手に歌われ見せ所たっぷり。それにしてもエル・ファニングの佇まいは、流石のスターの貫禄でますます好きになってしまいます。60年代の再現に相当の金を使っているでしょう、ニューヨークの街並みはさてロケなのかオープンセットなのかわかりませんが、通りを横切るだけのシーンで数多の60年代要素が画面に入り込む映画的興奮を得られます。
さて翻って、タイトルが「名もなき者」 A COMPLETE UNKNOWN ってのが曲者ですね。原作は2015年のノンフィクション本「Dylan Goes Electric!」邦訳題「ボブ・ディラン 裏切りの夏」となっているのに何故なんでしょう。彼の全楽曲の著作権を取得したのがユニバーサル、今後の新曲を含むディランの全楽曲の原盤権を取得したのがソニー、なのに本作はディズニー傘下の20世紀スタジオのアート系のサーチライト作品ってのも判りませんね。23年にも日本公演をされたご本人も本作の出来に満足のご様子とか。いや、ご本人が怒り出すくらいの脚色がされた方が映画としては面白いのですがね。
カッコよくて胸熱!
「3人セッションいい」
余り知らないが...
チェンジングマン
「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」今までのミュージシャン伝記物と違い、観終わってもボブ・ディランという人物の人間像はよく分からないし、人としてダメだろうというエピソードが続く。演奏シーン中心の構成で分かるのはそこにとどまらずひたすら変わっていこうとするディランの姿。
「時代は変わる」を絶賛したニューポートフェスの客がエレキギターを手にしたディランにユダとブーイングするシーンは象徴的だったな。何も伝わってなかったんだと。
すべてはおしまいと歌って、新しい場所へバイクで向かっていくディランはあざとくもかっこよくてやはり痺れるよね。
あと、ボブ・ディランを演じるティモシーシャラメの歌唱も演技も神がかっていたけど、ピートシーガー役のエドワード・ノートンも素晴らしかったな。エンドクレジットによると、実際にエドワード・ノートンが歌っているんだね。
ティモシーだからこそのボブディラン像
あまり多くは語られない映画です。
突然現れるボブ、既に素晴らしい才能を持っていて、偶然出会ったピートとの繋がりでスターへと駆け上がっていく。
ティモシーシャラメ演じるボブディランは、なんだか愁を帯びていて…この映画で描かれるボブディラン像にピッタリでした。
自由に歌うことを許されない時代ですが、ボブは自分の思うままに歌います。分類されない。何にも縛られない。まさに「名もなき者」。
ただ、ボブ自身は何を考え歌っているのか?満足しているのか?それはきっと誰にも分かりません。
そして1番の目玉のティモシーの歌声!!弾き語りが素晴らしかった。
ウォンカとチョコレート工場の時も思いましたが、本当いい声してるんですよねえ…。
彼の出演作は必ずチェックするようにしていますが、今回も新たな姿を見せてくれました。
パラダイム転換の激動の5年間を描く音楽映画
近年、大物歌手の伝記的作品が次々と作られ続けており、本作もその系譜の一つに位置付けられるだろう。しかし、まだ存命中のディランの生涯を描くのではなく、冒頭に述べたわずか5年間に焦点が当てられている。
しかし、この60年代前半の「5年間」というのは、ケネディが大統領に就任し暗殺され、キューバ危機が起こり、公民権運動が盛り上がるような社会の変革期を背景に、ミュージック・シーンでもフォークからロックへの転換が起き、ボブ・ディランという無名の青年の名声が一気に高まる、パラダイム・シフトの時代だとも言える。
アメリカの吟遊詩人と呼ばれるウディ・ガスリー(Woody Guthrie)の "Dusty Old Dust" という曲が流れるのだが、その "So long... It's been good to know you." (それじゃ、また。知り合えて良かった)という歌詞が作品冒頭で流れるときと、終盤でもう一度かかるときでニュアンスが全く異なって聴こえる。まさにその聴こえ方の変化が本作で描いている「時代の変換点の5年」を端的に象徴している気がする。
また、ポスターにも「時代は、変わる」と書かれているが、ボブ・ディランが劇中で歌う "The Times They Are A-Changin'" も、これまで何度も聞いていた際には単なる「社会転換」とだけ思っていたのだが、本作の文脈の中で聴くと、向けられた視線の先がまた違って見えてきた。
世代的にはディランは自分の親世代に近く、ここで描かれる時代は自分が生まれてたばかりの幼少期。なので、ジョーン・バエズとの愛憎などはリアルタイムでは知る由もなく、ディランの楽曲に触れたのもかなり後になってから。
だが、まだ20代のティモシー・シャラメが実際にギターを弾き、歌も歌っていると知り、全く違和感なく見えていたことに驚きを隠せない。Duneを撮りながら砂漠で練習していたのだろうか?😂
モテない人間には「うらやまけしからん」場面だらけ
冒頭、ティモシー・シャラメ演じる若き日のボブ・ディランが、ニューヨークに降り立った時点ではホームレスチックな雰囲気だったのに、「美貌」と「音楽の才能」は既に兼ね備えていたため、ちょっと歌えばみんなその歌唱にうっとり、そのままスター街道まっしぐらだし、ちょっと女性に声をかければ後は相手の方から寄り添ってきて勝手にお金を出すようになり、気づけばヒモ生活の完成。
世の中が平等にできていないことをこれでもかと分からせてくる作り。
イケメンミュージシャンにとっては当然の権利と言わんばかりの二股生活がスタート。
二股になってからの方が彼女への接し方が丁寧になるのはちょっと面白い。
少し年月が経過するといつの間にか別れていて、別の彼女に差し代わっている。
イケメンは彼女が途切れないという、残酷な真実。
世の中は男女比が1対1のはずなのに、一人の男が多くの女性を独占するから、世の中、彼女のいない男が大量発生するのでは?なんてことは負け犬の遠吠えすぎるので思ってはならない。
寂しくなったら元カノの家を訪問。
深夜4時に行っても快く受け入れてもらえる。
ストーカー認定されないのも、イケメンの特権。
正直この映画でボブ・ディランに共感できるところは一切無かったが、ボブ・ディランの彼女が彼のコンサートを舞台袖で観ていたところ、舞台上でボブ・ディランが女性ミュージシャンとイチャイチャし始め、その様子を見ていた彼女が号泣してその場を立ち去る場面で、男だけど彼女の気持ちに強く共感してしまった。
ソ連と冷戦中にアメリカにミサイルが飛んでくるのではないかという報道で街がパニックになる場面は、日本で原発事故が起きた日のことを思い出した。
国民的スターになったことを示すように中盤からはサングラス姿になるが、ボブ・ディランがプライベートで店にいた時にファンに見つかり、「顔見せて〜」とせがまれながらサングラスを奪われ、奪い返そうとしたら近くにいた男から「彼女に何するんだ」と言われながら殴られるシーンは、さすがに可哀想だった。
終盤のコンサートの場面。
ボブ・ディランからすると師匠みたいな存在のピート・シーガーが語る「シーソー」の話に個人的に感動していたら、その話を聴いていたボブ・ディランが急にご機嫌斜めになるのが謎だった。
あと、コンサートでボブ・ディランが歌い始めたら観客と主催者がキレだして、会場がカオスになっていくのも謎だった。
映画を観終わった後に調べてたら、当時はフォークソングをアコースティックギターではなくエレキギターで演奏することが「フォークに対する裏切り」と言われていて、ボブ・ディランがそれを強行しようとして強い反発にあったとのこと。
無知で頭悪い自分にも理解できるような説明が、劇中にあってほしかった。
映画を観ていると、ボブ・ディランはルールを守らない人という印象。
他人のコンサート中に私語を注意されても無視。
病院で、医者がダメだって言っているのに患者に勝手に煙草吸わせたり、病室で楽器を演奏し、それを病院職員から注意されても無視。
ちなみに、病院での出来事を聴いたピート・シーガーが、ボブ・ディランに対して「トランプのジョーカーみたいだな」と言うのが個人的に意味不明だったが、これは「トランプ大統領みたい」という意味だけど、1960年代にトランプ大統領はいなかったからそういう表現にしたのかなと勝手に妄想。
また、ボブディランが教育的なテレビに遅刻して出演した時も、酒や煙草をしながら、性的な比喩表現を含んだ話をし、子供向けではない音楽を演奏。
日本国憲法の第13条には「すべて国民は個人として尊重され、生命や自由、幸福追求に対する権利は公共の福祉に反しない限り、最大限に尊重されるべき」と書かれているが、ボブ・ディランからすると「公共の福祉なんてクソ喰らえ、これが本当の自由」ということなのかと思った。
シャラメの演技を見るだけでも価値があります。
出だしからラストまで見ごたえあるシーンの連続で全く上映時間の長さが気になりませんでした。
ボブ・ディランを演じたティモシー・シャラメの歌唱力と楽器演奏も素晴らしく、ベテラン歌手役のエドワード・ノートン、モニカ・バルバロも皆吹き替え無しで演じているそうでアカデミー賞にノミネートも頷けます。
若い時から才能溢れたボブ・ディランを丁寧に描いたヒューマンドラマになっています。
天才ミュージシャンの苦悩や女癖の悪さもそれなりに描いているのもリアルでした。
ティモシー・シャラメは「君の名前で僕を呼んで」から注目していましたが今や存在感のある大物役者になりました。
おススメ度は高いです。60年代洋楽が好きな方には特におすすめします。
進むべき道
これぞ音楽映画!
ティモシー・シャラメの演技が圧巻!年間ベスト級の洋画作品出現。
文句なし❗️
ティモシー・シャラメの演技が素晴らしかった。
彼の作品は3作品目だが、一番の最高作品では。
ボブ・ディランを本物かと思わせる程似ていたし、歌唱力も抜群。相当力を入れていたはず。名前を聞いた程度だが、だぶって見えた。
ストーリーも観ごたえがあったし、ライブシーンも抜群。
2025年年間ベスト洋画級作品候補に挙げたい。
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