名もなき者 A COMPLETE UNKNOWNのレビュー・感想・評価
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ティモシー・シャラメが良い
ボブ・ディランの伝記映画。
ギターかついでNYに出てくるところからの5年間を描いた作品。
「風に吹かれて」、We are the world*USA for Aflicaに参加、ノーベル文学賞受賞。ボブ・ディランに関する知識はこのぐらいしかないのだが、詩人のイメージを持っていた。
劇中、歌詞を聞いていると(字幕で読んでいると)更にそう思えた。曲が沢山聞けて最高だった。
フジの昔のドラマ「愛という名のもとに」(野島伸司)で、「友よ、その答えは風に吹かれている」というセリフが何度か出てくる。ガロの「学生街の喫茶店」にも「♪ボブ・ディラン~」という歌詞がある。日本人にも多大な影響を与えているのだなーと思う。
無名だったミュージシャンの才能が発掘される瞬間を垣間見れたし、ニューポート・フォーク・フェスの場面は彼の転換期として知れて面白かった。
筋と関係ない場面では、Jキャッシュがフラフラな状態で、コーラのビンをボンネットに載せて落として割り、2台の車に突っ込んだところが気になった。(ありゃひどいw)
日本人の妻を持つピート・シーガー役を、日本在住経験のあるE.ノートンが演じたのも興味深かった。
2010年代映画館行ってない、映画ブランクある私はティモシー作品がチョコレート工場に続き2作目。すごい印象が違って素晴らしい!
ディランを軸に60年代のアメリカを描いた映画
敬愛するミュージシャンを見舞うために、ディランがニューヨークを訪れるシーンから映画は始まる。公民権運動、キューバ危機、JFK暗殺、などの歴史的な出来事が巧みに挿入されながら、ディランの60年代が描かれていく。「朝日のあたる家」で涙し、「北国の少女」で癒やされ、「戦争の親玉」で胸ぐらを掴まれ、「ライク・ア・ローリングストーン」で魂が解き放たれる。この緊張と興奮を味わうために私はまた劇場に行きたい。
新しい風
彼の自然なスタイルが平和で混沌とした
アメリカの時代を変えた。新しい自由な
風を吹かして。
家族との関係を絶ちきり『曲の中に答えがある』
演出。
ティモシー・シャラメの5年の猛特訓も
さすがだが、ピート・シガーを演じた
エドワード・ノートンも僅か2ヶ月で奏法
と歌唱をマスター。降板した役者の変わり。
凄い役者魂である。
ピートの奥さんの眼差し。
客観的に見る視線。
これが、今の観客の姿かもしれない。
時代が変わるシーンを見せつけられた瞬間。
最後は観客も歌詞を理解しスタンディング。
ボブの悩みと葛藤が良く分かった。
新しい風のみが知ってるんだね。
2本の煙草に火を点けるのが流行っている?
ボブ・ディランの登場から数年のヒット曲集として過不足なく良くまとまった音楽映画だけれどそれ以上でも以下でもなく心に響かない。「ボヘミアン・ラプソディ」以降の伝記音楽映画ブームに乗って企画されたのだろうが存命中のノーベル文学賞大作家先生に脚本を検閲されながらティモシー・シャラメ&ジェームズ・マンゴールドという取りこぼしの許されないガチガチの布陣で面白い映画ができるはずがないのだ。コロナで5年の猶予ができティモシー・シャラメが吹き替えなしで弾き語りできるようになったのも裏目に出たと思う(サングラスを掛けたディランが奥田民生に見え始めて困った)。私は小学校6年生の時に「結婚しようよ」で雷に打たれ吉田拓郎信者となってしまったのだが、教祖の拓郎が師と仰ぐボブ・ディランを避けて通ることはできなくて今でも風呂に入りながらベスト盤を繰り返し聞いている。「元気です」に収録された「春だったね」で拓郎天才!と思ったがその後ラジオでボブ・ディランの「メンフィス・ブルース・アゲイン」のパクリであることを知り愕然とした。でも当時は若かったので詩が良く分からないのと歌唱力がアレなのでその後しばらくボブ・ディランに傾倒することは無く大好きな「天国への扉」もずっとクラプトンの曲だと思っていた。94年の武道館公演に行ったけれども相変わらず歌が下手だと思ったし全く中身のない高価なプログラムを買って後悔した。今作の後半は1年前にNHKで放送された「アナザーストーリーズ」とほぼ同じ内容で、ドキュメンタリーよりさらに熱量の低い「再現ドラマ」に堕落している。創作でも虚飾でもいいからボブの心情が知りたいのだこちらは。彼の内面に迫らず事実だけを羅列するものだからボブは女たらしで我儘なひどい男としか言うほかない。自分のワンマンライブなら何をしようと勝手だけれど「ニューポート・フォーク・フェスティバル」に来る客が「フォーク」を期待するのは当然でしょ。と呆れて終わるのだアーメン。
シャラメじゃなかったら…
♪♪『風に吹かれて』は
よく耳にする曲だけど、ボブ・ディランの事はあまり知らなくて、ノーヘル賞には先約があるからと受賞式も欠席とか。
シャラメ君は良かったなぁ。なんとなく上目遣いでボソッと話す感じや、天才ならではのストイックさや孤独感が滲み出ていた。
露店で買った(何ドル札?)サイレン音の笛をレコーディングスタジオで「これを使おう!」って言った時は、数少ない笑顔で嬉しそうでした♪
NHKBSで久しぶりにアカデミー受賞式も観れて、シャラメ君のクリームイエロー色の(金かも?)スーツも似合っていて、素敵でした◎
ジョーン役のモニカ・バルバロさんは、助演女優賞ノミネートで映ったテレビでは、最初はあの役だと分からなかったぐらい。
映画では肌の色も変えてたんですね。
彼女の歌もギターも聴き行ってしまう程上手くて、役作りにあっぱれ!
好きなシーンは、元恋人シルヴィとの別れの船着場。フェンス越しの切ない触れ合いが、絵になっていて刺さりマシタ。
鑑賞後は、「朝日の当たる家」をYouTubeで聞いて余韻を味わいました。◎
♪ 片隅で聴いていたボブ・ディラン
これは大当たり、おめでとうございます、でした。
こっちが作品賞じゃないかっていう人も大勢いて、ベイカー監督贔屓の私もこっちの方が遥かにアカデミー賞っぽい、という印象です。
内容はご存じボブ・ディラン先輩の伝記ですが1961-65の5年間だけを描いています。ただこの5年間は「風に吹かれて」を始めとする一般的に一番知られた曲を連発していた時期に当たり、加えて話の進行に合わせて公民権運動、ベトナム、ケネディ暗殺なんかのニュース映像が挟まれて時代性も十分です。
残念ながら私は「ボヘミアン・ラブソティ」世代で、ディラン世代には10年位遅れているため同時代感は乏しいですが、内面描写や抒情性を後回しにして(そこに不満の人もいるでしょうが)2時間20分の半分くらいを歌のシーンで埋め尽くした音楽映画ならではの圧倒的なブルーム感に泣きそうになりました。やはり音楽映画は映画館で観るべきでしょうね。
ただ、この人のことを良く知っている前提で作られているので、WIKIで最低「ボブ・ディラン」を、時間があれば「ジョーン・バエズ」と「ウディ・ガスリー」を予習してゆけば面白さ100倍です。
TK世代には。
孤高の人
知らないもので…
ボブ・ディランって、上の世代の方はファンも多いけど、私にとっては「伝説のシンガー」的な印象で止まってる感じ。
世代のせいにするつもりはもちろんなくて、私の不勉強と不見識のおかげで、彼の楽曲というと「風に吹かれて」と「ライク・ア・ローリングストーン」くらいしか知らないし、どんな人だったかも全く知らない。
そんな私の感想だとご承知おきください。
正直に申し上げて、全然おもしろくなかったな。
彼を好きになる女性たちの気持ちも分からないし、彼が考えてることも分からない。
歌詞の意味もピンと来ないし、観客や彼の周りの人達の感情もよく分からない。
まあ、私の知らないことが多いってのがそもそもの原因なんだろうから、あらためて識者の解説などを見て、再度映画を振り返ることにします。
ティモシー・シャラメの演技は良かった。ボブ・ディランをちゃんと知らない私が「ああ、こういう人だったんだろうな」って納得できるくらいだから。
なにかひとつくらい
シャラメが単なるモノマネでなくディランを演じる。
見た目がソックリって訳じゃないけど、こんな風にチャーミングだったんだろうなと思わせるし、歌声やギター演奏はかなり良い線行ってる。
物語の芯もしっかりしてて凡百の伝記映画とは違う。
自由に生きることと、他人が押しつけるイメージに逆らって生きること、音楽に対するのとは裏腹な女性の扱いの酷さ、それらすべてがシャラメのチャームでこんな風にディランは魅力的だったんだろうなと思わせられる。
ニューポート・フォーク・フェスティバルの演奏シーンは日本的な文脈におけるフォーク(米国の初期フォークは民謡(フォーク)収集の文脈が強く、かなり教条的だったらしい。それで衝突するシーンもかなり…)やロック、パンク的に反体制的なカッコよさがあった。
名匠ジェームズ・マンゴールドの腕も冴えわたる傑作。
なにかひとつくらいオスカーあげても良かったのでは…?
ティモシー・シャラメ!煌めく存在感!最高!
⚫︎過剰な音や演出の無い映像が良い!
語り過ぎないセリフと映像、音楽で自分を表現したいエゴとピュアが混濁する刹那に引き込まれました
19歳からのほんの数年を描くシンプルな設定、私は、ボブ・ディランの始まりも全盛期も知らない世代ですが、彼のメロディーに重ねて描かれる苦悩や覚悟や葛藤がストレートに響きました!楽しめました!
関わる人々の描き方も良かった!彼の才能を見守る眼差しとともに青春があったという構成が優しく心に響きます
Dolby Atmosスクリーンでの鑑賞が大正解、大満足の作品です!
⚫︎ティモシー・シャラメ!最高!
予告編を観て魅力爆発の予感しかなかったけど、シャイでナチュラルな子供のような表情がイチイチとても良い!
ウソつきで気まぐれでわがままを貫く男を嫌味なくキュートに演じたティモシー・シャラメ、最高でした!
カリスマになってく男って、無自覚に周りを傷つけながら自由に生きていくのですね、きっと、笑、そんな若くて未熟で身勝手な男をキュートな魅力を散りばめながらジェントルに演じたティモシー・シャラメ!素晴らしい!
⚫︎スターダムにのし上がってく高揚感とピート・シガーの存在!
ボブ・ディランの才能を見出したプロデューサー的役割のピート・シガーを演じたエドワード・ノートンの存在感が格別!
1965年伝説のフェスの翌日、黙々と会場の後片付けをする彼の後ろ姿に漂う哀愁、痛いほど胸に沁み泣きました
彼は、フォークフェスを継続してきたこれまでを、まるで子供に諭すようにボブ・ディランに話し、フェスの観客が望む楽曲を演奏するよう伝えたけど(懇願するように)、ボブ・ディランが出した答えは、、
それでも彼は、フェスの後、ボブ・ディランに非難の言葉をかけることはしなかった(実話は違うのかもしれないけれど)
映画の中のピート・シガー、理性的で柔軟な大人として多くを語らず描かれていたため、スターダムをかけ上がる高揚感を映す映像の余白、優しい余韻に浸ることもできました
⚫︎大好きなシーン
朝起きてベッドの上でギターを鳴らし歌うボブ・ディラン、その歌に音を重ね一緒に歌うジョーン・バエズ
美しいハーモニーが生まれる瞬間、ふたりのピュアな表情が素晴らしい!
メロディーが生まれる瞬間の煌めきと美しさに心撃ち抜かれ、涙止まらず
⚫︎最後に
ボブ・ディランが日本のフォーク界へ与えた影響の大きさは、私のような音楽素人でも感じ取ることができ、メロディーと歌詞を噛みしめながら、日本のフォーク界を牽引した偉大なバンドやシンガーソングライターの方々の顔が浮かびました
当時の若者たちは、レコード買って何度も聴いて、耳コピして、完コピして演奏していたんですょね、きっと、
彼の楽曲をリスペクトする青春時代を経て、自分の音を見つけ演奏する若者たちが今も世界中にいる!その事実が尊くて胸熱
転がる石の始まり
歌がいっぱい♪
ボブ・ディランの世代ではないけれど、ボブ・ディランやジョーン・バエズは歌も人物も超有名なので知っていました。
ボブ・ディランがどういう風な音楽人生を歩んだかが、周りの人たちとの関係も含めて分かったし、音楽史に刻まれるボブ・ディランがエレキギターで歌った日!?の経緯や、当時のフォークソングの成り立ちも知れて、収穫だったかな。
当時のアメリカの政治状況とかも。
何より沢山のディランとバエズの曲を聴けて嬉しかったです。
有名で好きな歌がいっぱいでした。
ティモシー・シャラメは可愛くて、キャスティングは一寸違うかな!?とも思いましたが、頑張って演じていたような気がします。
ジョーン・バエズ役のモニカ・バルバロは本人が歌っているんだよね?
声が美しくて歌が上手くてビックリしました。
音響の良い映画館で観るのが良いですね~音楽の映画は!
圧倒的な煌めきの隅と裏にいる人々
ボブ・ディランのNY進出から、デビューとブレイクを支えた人々と袂を分かつまでの約5年を描く伝記映画。
ボブ・ディランという名前が大きくなるにつれ、彼と楽曲を型にはめようとする周囲とディランとの摩擦が激しくなる様を物語の縦軸としている。対してディランは、駆け出しの頃からアーティストも楽曲も特定のジャンルに分類することをナンセンスだと語り、見聞きしたものや感じたものをスケッチするかのように常に譜面に向き合う、感性に従順で自由な点において不変のアーティストとして描かれている。
正直、ディランファンでも当時のリアタイ世代でもない自分には、実話エピソードの解釈の新しさや、なぜ今ディランの早期だけを描いたのかはわからなかった。商業主義に己を歪められそうになるアーティストの物語はフィクションにも伝記にもドキュメンタリーにも沢山あり、そこへの新しさは感じられなかった。
ただし、本作で両者の軋轢を深めた背景の一つである、作品に検閲が入ったり、聴き手が楽曲に社会問題を投影したり、ポップカルチャーでさえ派閥を謳って縄張り争いをしなければならない60年代アメリカの世相は興味深かった。冷戦の戦線拡大や公民権運動等の社会問題が、個人に対し愛国心や主義主張を明確にすることを迫る状況は、現代において人々の暮らしや社会活動に対し、特定の主張の有無に関わらず男女平等やポリコレやマイノリティ保護に対するチェックが行われる風潮を思い出した。
また、ディランを取り巻く人々が、不満を抱えてステージに上がるディランのパフォーマンスの行方をハラハラしながら見守る様は、お仕事もの作品として見ると緊張感が増す。
ある一人の煌めく存在へ、共に歩んでくれない相手だとわかっていても近寄らずにはいられない周囲の群像を描いた作品だったように感じる。本作のディランの、全てを惹きつける人物とも言うべき設定に異議を挟ませない圧倒的なパフォーマンスを披露したティモシー・シャラメ氏をはじめ、アーティスト役の俳優陣が見事だった。
あらゆるジャンルを超えた最高の映画
映画鑑賞後、Sony Music Japanの名もなき者公式予習プレイリストでティモシー・シャラメの映画での歌声とボブ・ディランのオリジナル楽曲を聴き比べしながら余韻に浸っております。
あらゆるジャンルを超えた最高の映画でした。私のベストムービー入りです。オスカーは無冠でしたが、私が審査員なら作品賞、監督賞、主演男優賞賞などすべてトップで推します!
ティモシー・シャラメは5年半をかけボブ・ディランの歌と演奏のパフォーマンスを自分のものにしたとの事だし、モニカ・バルバロもジョーン・バエズになっていた。2人のデュオがいくつも出てきたがその度に痺れたし、初めて「風に吹かれて」を自室でディランが歌った時バエズが追っかけて歌いハモるシーンに鳥肌がたった。スタジオで演奏してた「追憶のハイウェイ61」のディランが吹くあの笛の音や「ライク・ア・ローリング・ストーン」でアル・クーパーが弾くオルガンの高いキーの音など一音で強烈に響くシーンも感涙ものでした。ニューポート・フォーク・フェスティバルでフェンダーのストラトキャスターをかき鳴らし叫ぶように歌うシーンを筆頭にすべての場面で最高のパフォーマンスを観て、聴かせてもらいました。
スージー・ロトロ(映画ではシルヴィの名)との出会いと別れの物語は切ない青春物語だったけど、彼女の気持ち(ディランが遠い存在になっていく)もわかるし、音楽の世界の虜になり彼女だけを見ていれないディランの気持ちわかる。でもディランを社会に目を向けさせたのは彼女であることは紛れもない事実。エル・ファニングには助演女優賞を与えたいと思う。
公民権運動、キューバ危機、ケネディ大統領暗殺など60年代前半のアメリカの背景を差し込みながらも世の中は確実に豊かに向かい、人々が希望に満ちていた頃。日本も同じだったのではと思います。だから、映画を観ていてとってもいい気分になれたのかなぁ、。
タバコを吸う姿がかっこ良
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