「没入感半端ないです!感動の嵐嵐!」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
没入感半端ないです!感動の嵐嵐!
ボブ・ディランの若き頃の5年間の奇跡に、さらりと切り込んだ名作にあっぱれと申し上げたい。彼は現在までにおよそ240作品(ネットで数えてみました笑)があると言われていますが、その中でも私たちの青春時代に強烈なインパクトを与えた『風に吹かれて』『時代は変わる』『ミスター・タンブリン・マン』(エンディングで聞けます!)がこの頃に作成されたと思うと、まさに天才爆発の時代だと思われます。また、彼の強運さは、この作品の中での交流関係を見ているとめちゃくちゃ高いことがわかります。アメリカの1960年代のフォーク界を牽引していた先輩たちに引きあげられ、次々に才能発揮していく姿は登り龍のようでものすごいパワーを感じました。さらにジョーン・バエズとの関係が、彼の運命を高揚させていく情景を観ていると、二人の天才の火花が飛びかっているようでした(天才は自由を求めるが故に作品の中でも古いものを破壊しようとします)。まさに天は二人の天才の化学反応を楽しんでいるかのようです。当時のアメリカは、人種問題や核戦争問題やケネディ大統領の暗殺と、暗い世相の真っ只中でした。それが故に彼の『風に吹かれて』などの楽曲が、大衆に渇望されたと思います。同じ時代に生きた私たちの青春時代の空気にも合致していたのかもしれません。何百回となく楽曲を聴いて、その歌詞を反芻していた自分が思い出されます。皆さんご存知の通り、数年前に彼はミュージュシャンでありながらノーベル文学賞を受賞しました(出席していませんが)。彼を詩人として評価しているのでしょうが、どれだけ世界に影響与えたか計り知れないものがあります。
追記 至福の140分、どうぞご堪能あれ!私は感動の嵐嵐です笑!