今日の空が一番好き、とまだ言えない僕はのレビュー・感想・評価
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何回も観ると良さと凄さが深く解る作品
東京国際映画祭で鑑賞した時は、長台詞が気になり集中出来ませんでした。個人的に映画やドラマは小説では無いので演者が心情を表現するものだと思っているので役者に長台詞を言わせたいのなら実写化する必要無いと思っています。
その後、原作小説も読み、映画の番宣記事で原作者の唯一の要望が長台詞をそのまま入れて欲しいと言う事だったらしくて、監督の苦労を察しました。
新たな気持ちで公開後に鑑賞した時、原作の長台詞を生かした演出や映像を感じました。主役の大学生の小西くんは、周りを拒絶して無関心、唯一の友達も下に見てる。ある日、自分と価値観が近い女の子に出会い恋をして夢中になっていく…。
原作では小西くん一人称なので、そんなにダメ男の感じは強くないのだけど、映画は女の子にもスポットを当ててるので、小西くんのダメ男の部分が強調されている。
さっちゃんが健気で切なく涙を誘うのは演出的に強調されてるので、ある意味当り前。
主役のダメ男を『若い時って、そうなるよね~』『周り見えないよね~』って思わせる萩原利久さんの醸し出した演技力を称賛したい。
何年か後にもう一度観てみたい作品。
大九監督ラブ
今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は
オススメしますが好みは分かれそう
ラストで「今日の空が一番好き」と言えた感じの作品。 本年度ベスト!!
上映前に流れるスピッツの「初恋クレージー」の音楽にテンション上がるものの鑑賞中、良い意味でだんだんトーンダウンして行った感じ(笑)
悲しくて切ない新鮮な恋愛映画って印象。
河合優美&萩原利久&伊東蒼さん目当て。
加えて松本穂香さんや古田新太さんも登場。
全てのキャストの素晴らしい演技に引き込まれる良作!
特に小西を演じる萩原利久さんと、桜田を演じる河合優美さんの2人の会話がとても良い!
大学構内で出会った1人しか友達のいない小西と誰も友達がいない桜田。
偶然出会うも直ぐに意気投合。
毎日の様に会い会話が弾んでいる感じ。
これは既に恋人だろって仲の良さ。
そんな中、小西のバイト先の銭湯のバイト仲間のさっちゃんが登場。
明るく活発的なキャラを伊東蒼さんが上手く演じているのが印象的。
さっちゃんの素直な性格は見習いたい(笑)
中盤までは、どこにでもあるラブストーリーなんだけど、それ以降の思ってもいない意外性のある展開が素晴らしい。
伏線も散りばめられて、然り気無く回収されるシーンも良かった。
特にテレビのボリュームの伏線は素晴らしかった。
終盤、河合優美さん演じる桜田の長回しでの顔面アップのシーンのセリフがメッチャ良い!
伊東蒼さんのギターがメッチャ上手いくてビックリ!
調べたら学生時代にギターを弾いていたのね( ´∀`)
ぐさっとくる
コントの書式を使って詩情溢れる世界を表現した斬新な傑作
世間のメインストリームに乗れない若者たちの人間、恋愛関係が描かれる。
彼らは日々の様々な状況で”違和感”を感じ、
言葉の読み方を変えたり、いろいろとツッコミを入れるシーンが出てくる。
これは、シュールなコントのネタのような構成だが、
その多くが楽しい、明るい感情ではなく、
悲しい、切ない、辛い感情のシーンで出てくるので、
笑いと哀しみという一見相反するものが近しい関係にあると思わせられる。
また、クライマックスの主要なシーンにおいて、構図を固定して、動きもなく、
話し手が長々とひたすら心情を告解する挑戦的な構成は、
コント的な自分自身へのツッコミを織り交ぜた斬新なセリフと、
素晴らしい俳優さんたちによって、集中度高く、強烈に印象に残るシーンとなった。
一方、傘、ギター、犬、洗濯ネットなどの物語のキーとなる事象の表現は、
対称的に説明も少なめで、映像や音楽主体で語られる部分が多く、詩的な余情に溢れている。
他にも、後半、醸成されていったかに見えた彼らの共感が容赦なく崩壊、急転する場面や、
ラスト実家でのワンワンの所作、大音量のテレビを背景にした会話など、
全編にわたってコントの書式と詩的な映像、音楽表現が見事に両立、融合されていて、
ものすごく革新的な映画だと感じた。
何度も繰り返し観たくなる
演出がありきたりの飛び道具なのに、ドヤ顔してきてしんどい映画
とにかくセリフが全部「花束みたいな恋をした」を余裕で超える気持ち悪さなので、あれがダメだった人はこの映画も生理的に受けつけないのでは。「洗濯機のゴミ」とか「鳩時計のほこり」とか「TVのボリューム最大」とか「山根弁」とか、思い出しただけで気持ち悪くなる。
ストーリーは中・高生向け恋愛映画(邦画)の王道。「セカチュー」とか「いまあい」とかとたいして変わらない。現実には起こりえないような偶然(実は彼女と彼女は●●でした!)や登場人物がいきなり死ぬなど、何の工夫もなく山場を作る手法で鼻白む。
ストーリーがあまりにもダメなやつなので、監督が何とか大人でも観られる映画にしようと頑張ったが、俳優が凄いのでたまたま上手くいった部分(伊東蒼関連)もあるものの、大半はキモいセリフにキモい演出のかけ算になってうんざりする映画になってしまっている。
さらに、おそらく原作にはない要素(フェミニズム、パレスチナ問題)を入れているが、これがまさにとってつけたものにしかなっておらず、ほとんど何の効果もあげず空回りしている。小西のダメさや暴力性みたいなものを多少は炙り出す効果があったかもしれないが。
犬関連と、桜田家父のファンタジー演出はすべて上手くいっていなかった。前半の縦横サイズを主人公主観で変える部分とか、後半の花をいきなりズームする部分とかが代表だが、とにかく演出手法がありきたりの飛び道具なのにドヤ感がすごくて、いちいち鼻白まなくてはならないのでしんどい。犬のスローモーション映像で「小西の中の何かが変わった!」みたいな演出は3回くらいあったのでは。あれは本当に酷いと思った。
撮影も気持ち悪い。特にラストの目尻の唐突なズーム。主人公のフェティシズム視点なんだろうが、単なるおぞましいセクハラ映像になってるだけ。
あと、現代が舞台なはずなのに大学生の登場人物はみなガラケー世代っぽい。スピッツが好きというもそう。そもそもストーリーもケータイ小説っぽいし。
ただ、中盤までの伊東蒼の出てくるシーンはだいたい全部よかった。ある機能を果たすためだけの人物にしたくないという演出意図はハッキリ効果をあげていたと思う。
脚本も演出も撮影も編集もダメだが(音楽と美術は普通くらい)、俳優陣は素晴らしい。というより、河合優実と伊東蒼のおかげでなんとか映画として成立している作品。
とにかく、「花束みたいな恋をした」がダメだった人はお気をつけて。
大九明子すごいな
《勝手にふるえてろ》《私をくいとめて》はオープニングから「おお!」って感じがあったんだけど、これは、そうでもないのね。大九明子なんか考えすぎちゃったのかなと思ったの。
それでも観ていって、さっちゃんいいよね。ほぼ全男子が河合優実よりさっちゃんの方が好きでしょ。その気持に気付かない萩原利久はアホなのかっていう。
それで、さっちゃんの長台詞くるよね。
ここがスゴイ。このシーンを観るためだけでも、この作品を観る価値がある。
ここまで観てね「鈍感は罪だな」と思ったの。誰も、全然、悪くないんだけど、鈍感だって悪くないんだけど、罪だな。
でも、罪に対する罰が重すぎるね。
河合優実が待ち合わせに現れないと、萩原利久は考えちゃうよね。
自分の想いが届かなかったと思い込んだとき、なんで、悪く考えちゃうんだろうね。
そうしないと、何かが崩壊するんだろうけど、そこをなんとかしないとだね。
そして、さっちゃん死にました。
ここは、どうかと思ったな。安易だよ、原作者。
それでもご焼香に行ったらさ、さっちゃんの姉が河合優実だって。
「うわあ、セレンディピティ!」ってことなんだけど、なんやそれ。
でも、ここでね、萩原利久と河合優実が救い合うんだよね。
これだけの目にあっても、罪に対する過大な罰を受けることになっても、私はあなたに「あれ」を言いたいという。
長台詞きいててね、あの言葉は、ただ言ってすむ気持ちじゃないんだなと思った。
色々と、無駄なこともいっぱい話して、それで、ようやく少し伝わる気持ちなんだ。
そんなこんなで良い作品なんだけど、主要登場人物を殺すのは、やっぱり気になるの。
やたらと登場人物を殺したり酷い目に遭わせたりするのはね、作者の技量が足りてない場合が多いの。死んだら人の気持は動くよ。その簡単さに逃げないで表現さがすんじゃないの。
この作品は最後に「それでも、私はあなたが好きです」が来るから、「それでも」を言うためにやったのかなあと思ったけど、気にはなった。
原作はジャルジャルの人なんだね。
長台詞のところ面白いし響くしで良く書けたなと思ったけど、漫才師なら書ける気はした。
それでも、あの台詞はすごいね。
そして、原作者の技量に疑問は残りつつも、そこを吹き飛ばしてまとめた大九明子はすごいよ。これからも文学系の映像化やって欲しいな。
そしてやはり鈍感は罪なんだと思う。
勘違いで舞い上がって、色々とやってしまったとしても、傷つくのは自分だけだから、鈍感の罪を犯すぐらいなら、勘違いしていった方がいいね。
既婚の方は配偶者だけに気を配ればいいけど、独身の皆さんはね、鈍感は罪だから、その罪を犯すぐらいなら勘違いしてどんどんいってください。お願いします。
表現しづらいです。
レビューが良かったので鑑賞。やっている映画館が少なかったためか、満席だった。
前半の大学のシーンは自分の大学時代を思い出した。
銭湯の深夜バイトってあるのかな?と思って調べてみたのですが、あるのですね。
他の方のレビューを観て、河合優実の暴言は主人公の妄想だったのでは…?とのことで、そこはなるほどと思いました。
観て良かったといえばそう思うし、観なくても良かったといえばそう思う映画でした。
映画ってどうしてこうも簡単に死を扱うのか。レアすぎるものを扱うのか(この映画で言えば姉妹だったこととか)。
それが映画というものなのか…映画通ではない私にはわかりません。
とりあえず、観終わったあとに『恋愛クレイジー』は聴きました。
ただただビックリ
好きか嫌いかで言えば嫌い。
特に最後、人の死を恋愛の道具のひとつにしているところ。
でも、人の死を知る時って、あんな感じですよね。
話の展開にもビックリだけど、2人の女優さんの長台詞にもビックリ。凄い役者さんたちだ。
普段なら見に行かない作品だが、ある人のレビューの評価を見て、見に行った。見に行ってよかった。
アレ(優勝ではない)
傘から解放されて青春を謳歌する
大学生の青臭さ、恋愛と友情、恋心と失恋、勝手な妄想と思い込み、自分のバカさ加減に呆れる後悔、そんな20歳前後のリアルを生き生きと描いた作品。
単なる恋愛映画ではなく、話の展開も予想の斜め上を超えてくるので、最後まで目が離せない。そして、大人が観ていても若かりし頃を思い出して思いっきり切なくなれる。なるほど、何度も観たくなる人が続出する訳だ。
小西にも桜田にも長台詞があるんだけど、何といってもさっちゃんの「大演説」には誰が観ても苦しくなる程に胸がぎゅっと掴まれる。まさに、この映画の最大のハイライト。
本作で大きな役割を果たす小道具が「傘」。傘は雨などから身を守ってくれる道具であると同時に、人との距離を取らせ、自らの姿を隠す役割をも果たす。不安で手放せない状態から、有頂天ですっかり手放す状態、忘れていたものが再び登場し現実を突きつけられる状態、等々、それは小西にとっての精神状態を端的に象徴し、無防備になった桜田は傘無しで雨の音を聴くことで自らの殻を破っていく。ある意味、『美晴に傘を』と共通したメッセージが見出せるのが面白い。
演技に定評のある河合優実だが、終盤、あれだけの長回しの顔アップでの表現力は流石。だが一方で、今回は伊東蒼の演技の素晴らしさが光っていたと思う。
最後に一点、自分的に気になったのが喋り方。吉本の出資だからといって、そこまでノリツッコミ的な話し方を多用しなくても良かったんじゃないのかなぁ?あれが関西では普通、とか言われたら、関東人の自分にはついていけないなぁ。
三者三様
好みの作品ではなかった
原作未読。
多分、そんなに悪い映画ではないんですよ。でも、個人的な好みに合いませんでした。
・講義中に出たり入ったり、私語したり、関西大学ってそんな程度?
・小西、走ったり足ひきずったり、どっちなの。
・他人の犬とそんなに仲良くなる?
・温泉(銭湯?)ってただのバイトじゃないの?
・そもそも、あんなダサイ日傘とか、マジでドン引き。陰キャすぎる。
・若者が死ぬストーリーには共感しない。
【これが最もダメ】
・自分を好きだった人の遺影の前で、まだ悲しみが癒えない妹に告白だと?しかも言葉はパクリ?
伊東蒼がとても表情豊かで素敵だったことと、タバコ吸わない河合優実が見れたのは良かった。
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