今日の空が一番好き、とまだ言えない僕はのレビュー・感想・評価
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明日の空が良くなりますように
青春映画でもあり、人間の感情の揺れが存分に組み込まれていた作品でした。
自意識過剰な小西、お団子頭で自分の心を見せない桜田。小西の銭湯のバイト仲間のさっちゃん。
青春の1ページの抒情詩としてストーリーは進行するも、大人でもあり得る、胸に刺さるシーンが随所にありました。
同じ様な価値観の小西と桜田。
偶然の様な運命の出会い。
2人の距離は次第に近くなるものの、突然起こった出来事。桜田とすれ違う小西は多分、青春特有の妄想を描いたのだろうと思う。
桜田の突然の態度の豹変を想像するのは、不器用な性格故のもの。そうだと思いたい。
さっちゃんの小西への告白は、好きなのに振り向いてはくれない。仲が良いのに気持ちは届かない。儚さのなかで揺れ動く心情を見事に表現してました。誰しも経験がある、どうにもならないけどかなわない。儚さとその心情に胸を打つ。
そしてその告白は、今日の空より明日の空への希望を持った、さっちゃんの今までの自分へのケジメと、明日の希望への勇気の一歩だろう。
俳優陣は萩原利久、河合優実、伊藤蒼
素晴らしいお芝居でした。
連休前に観る事が出来ず、一度はもういいかなぁと思った作品。
もう一度、鑑賞が巡ってきたのは巡り合わせだったかもしれません。
明日の空が良くなりますように。
決して美しい物語ではない。業を背負い、幸せを目指していく
上映前の印象とはだいぶ違い、簡単な言葉で言えば想定より重い映画であった。さっちゃんの告白シーンは本当に苦しくて見ていられなかった。あれほど早く終わってくれと願ったシーンは過去一かもしれない。この作品は一貫して「喪失」をテーマにしているのだと思う。喪失から逃げることなく、付き合い、幸せを目指す。そういったメッセージを感じた。ラストシーンは圧巻である。さっちゃんと同じようにつらつらと好きと言うまで言葉が飛び出してしまうが、流れる爆音のスピッツ、恐怖の対象であったはずの大きい音が聞こえてはいけない長い長い告白を打ち消す。さっちゃんは覗いていたのだろうか?そう考えずにはいられないカメラワーク。とにかく圧巻であった。
純文学の映像化
舞台になっている大学のOBの友人に誘われて鑑賞。
独特の世界観と言い回しから純文学と解る。
最後のタイトルロールからやはり原作がある作品と解る。
純文学なので、日常会話にしても何故その言葉?その言動?と思う事が多端にある。
主人公の小西は雨でも晴れてても傘を差すちょっと変わった大学生。
友達も1人しかいない。
銭湯で銭湯を洗うアルバイトをしている。
大学で団子頭の女の子を見かけデートを重ねるが…と言う物語。
兎に角、小西がちょっと変わってる。
デートをする花もちょっと変。
1番マトモなのは銭湯で一緒に働いているさっちゃん。
花に言われた事をひとつずつ試してみたり、花のお父さんが言っていた「今日の空が1番好きと思う」と言われた事を小西の祖母からも言われていた事がこの作品の主題になる。
花の言われた事を試した事を言っている事から、アルバイトの同僚のさっちゃんから彼女が出来た事が解り、さっちゃんが実は小西の事が好きで最後にさっちゃんが告白する。
それからアルバイトに来ないさっちゃんに待ち合わせに来ない花から花にフラれた思う小西が一カ月半後にアルバイトの銭湯からさっちゃんが亡くなった事を知る。
銭湯のオーナーとさっちゃんの家に行くと花がいてさっちゃんの姉だという事が解り、団子頭を切っていて、さっちゃんが交通事故で亡くなり、何にも出来かった一カ月半を事を知らせ、花の父が生前に娘の結婚式の為に書いた手紙を読む。
そして小西は花に一生側にいる事を告白する。
何度も言うが、ストーリーはそんなに進まないが純文学の映像化と解る作品。
独特の世界観があるが、その中に入れば良い作品。
作られた感…。
ジャルジャルのコントと同じだよね…
ジャルジャルのコントと基本的に同じ構造になっている。
早とちり、思いこみ、優しくて、繊細で、ちょっとめんどくさくて、ちょっと臆病、ちょっとずれてる、そんな人びとが織りなす笑いがジャルジャルのコント。
やっぱり、自分の目と耳で、ちゃんと確認しなきゃダメだよね。
花が小西を馬鹿にしたように言う場面は、ただの小西の想像に過ぎないよね。
肝心なところを、憶測や想像で埋めてしまうから、今回のような悲劇?いやいや喜劇になってしまうのだよ。
さっちゃんも、花も、小西も、堰をきったようにしゃべるしゃべる。超長台詞。くどくさえ感じてしまったし、違和感がどうしても拭えなかった。
貯めにためたものを一気に吐き出すというのは、あまりよくないとおもうのだよね。
でも、よくないことだから、コントとしても、シリアスな作品としても面白いのだけどね。
なんか、引っかかるのだよね。すっきりしないというか。大丈夫じゃないよねあの二人。
今の時代と少々の未来を担う3人
物語自体は有り触れたものである。既視感たっぷりで辟易しそうな大学生の話だ。長いタイトルの創作物って大抵そうなんだよなという、ネガティブな印象は抱いていた。
が、「マドリ」以降、作品を重ねるごとに確実に自らの世界を広げてきた大九明子、ほんの数年前まで誰も知らなかったであろう存在なのに、当代では唯一無二の存在感を放つ河合優実。そして疑いなく「空白」「さがす」を経て本作で次代を担うトップランナーに躍り出た伊東蒼。この3人が集う映画である。物語自体が凡庸でも、映画としてはハズレであるわけがない。
見終わった途端、「う~~ん!」と唸らされた。期待値を超える見事な出来栄えだった。ストーリーとしてまたまた結局〇んでしまう伊東蒼と激昂し嘆く古田新太という、どこかで見たような(笑)構図もあったのだが、それはご愛嬌としよう。特に中盤の伊東蒼の一人語りのシーンは圧巻の極みであり、近代の日本映画史に残る名演技ではないだろうか。ちょっと褒める言葉が浮かばない。ごめんなさいをしたい。
現在のところ今年の日本映画トップクラスの感触を得ている。伊東蒼は今年の助演女優として高い評価を得る。それぐらいはわかる。彼女と、彼女を含めた3人はホンモノだ。
わかる人にはわかる世界
疑問が謎のままでも面白い
主人公徹と花の出会いは
スピッツ・ロビンソンの歌詞「同じセリフ同じ時思わず口にする⋯」が脳内に響くようなシーンで、その解像度の高さから過去の自分をあれこれ思い出さされてく恥ずかしくなるような思いでした。最後にわっと疑問があふれ出して面白かったです。
疑問の数々
花は咲から徹の事を聞いて彼の目に留まるように近づいたのかそれとも偶然か
色んな偶然も花の演出なのか本当なのか
徹は実家で疎外されていたのか
咲は徹が姉と付き合い始めたのをいつ知ったのか
佐々木(銭湯の主人)はなぜ休んだ咲に連絡しなかったのか
咲の事故は徹との出来事が影響しているのか偶然なのか
咲が死んだのは花が徹と喫茶店に行く約束をすっぽかした当日なのかそれともそれ以後か
「目尻のシワを見てきてキモい」の会話は姉妹の会話かそれとも徹の想像か
山根に地元の彼女は居たのか
その他⋯
もう一回観て確認したかったのですがもうすぐ上映が終わってしまうので、またパンフレットも完売で、謎のままにしときます。
喪失を知っているには刺さるだろう
周囲の評判通りすばらしかった。特に俳優陣の演技がすばらしい。伊東蒼の長回しのシーンはハイライトの1つ。ここ最近はテレビも映画も河合優実の無双状態に見えてしまうが、簡単に伊東蒼が超えてきた感じ。
ストーリーは実体験とリンクするところもあり、苦々しい大学時代を思い出したりしてしまった。
また、肉親の死を経験した人でなければ、目まぐるしく移り変わる心理状態は理解しがたいかもしれない。喪失した人たちだけが分かる共通の感覚みたいなものがあった。あとで調べると原作者もそういう境遇にあり、だからリアルに感じれたのだろう。
編集や演出は多少クセありだったかもしれないが、テンポもよく個人的には好みだった。
タイトルなし(ネタバレ)
メインキャスト各々が担う、「この人達ちょっと苦手だな」って雰囲気が、物語が展開していくにつれて1つまた1つと絆されていき、最後には悲しい気持ちと不思議な多幸感に包まれていました。
咲の聞いて欲しかった、聞いて欲しくなくなった初恋クレイジーが流れた時に電流走りました。少し痛いくらいの愛はいつまでも心に残ってたりするもので、戻ってこないと知った時の虚な感じが自分にもあった気がして泣けてきました。
さくらの真似してお腹出したら花がお腹擦るシーンの、僕らには理解できないようなことが通用することはずっと映画の中で語られていて、あのシーンを受け入れられた僕はずいぶん幸せでした。さちせ
デモのシーンで感じたことは世界のどこかで戦争は起き、世界のどこかで同じ時間に起きた失恋は取るに足らないんだよ。
また戦争が起こると芸術は真っ先に淘汰され、面白い、つまらないと映画を観ながら揶揄できる場所にいられる自分が有り難いということ。
作品について誰かと話したくなったし、なんだかアキ・カウリスマキの枯れ葉も観たくなった。とても良い映画を観ました。ありがとうございました!
デモのシーンは「大阪万博反対!」にしたらよかったんじゃないかな
よくない映画でした。
異様にセリフが多いが、「どや?センスあるやろ?」って妙に捻った言い回しが多い。
そういう作り手の意図がうるさいくらいに伝わってきて、その時点でセンスないです。
もっと言えば一流の映画はセリフのセンスではなく、言わないことでセンスを魅せるのです。
セリフのセンスに頼ったこと。セリフでセンスを魅せようとしたこと。二つの間違いを犯しているのでこの映画は三流です。
要所要所にある超長セリフのシーンとか、いつまで続くんだよ、としか思えなかった。
主人公に魅力がない。こんなやつがどうなろうと知ったこっちゃないです。
店の看板犬だろうと、犬をわしゃわしゃする人間が嫌い。
主人公に想いを寄せていたバイト仲間の子の死が「感動のための死」でしかないのが不快。
監督のデモに対する理解が間違っている。
要所要所でパレスチナのジェノサイドに言及するようなシーンがあり、それがどのように物語とリンクしてくるのかと思っていた。
あんな仲直りした友情の証みたいなもんのために使うなバカタレ。
デモや政治活動なんてのは本当は皆やりたくないんです。めんどうだから。
でもやらなきゃどうしようもないから、やらないと自分がおかしくなってしまうから、だからやるんです。後から振り返れば青春にも似た情熱のようなものを感じることはあるかもしれないが、この映画のように仲直りしたことを示すための道具として使うのは不誠実だ。
不愉快だった。
登場人物が自己憐憫に塗れていて、それでいて社会が描かれていなくて、悪い意味でとても日本的な映画だと思いました。
「博多弁、大阪弁入り混じって見所」
君は突然段ボールを知っているか
今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」松岡茉優、のんと組んで傑作を残してきた大九明子監督が河合優実と組むとなったら見逃せないよねと無理して映画館に駆け込む。
”バカなヤングはとってもアクティブ それを横目で舌打ちひとつ by 電気グルーヴ「N.O.」”な生きづらい人たちの悪戦苦闘と独白という今までの大九作品のスタイルに加えて命と喪失というテーマが加わるヘビーで強烈な傑作でした。
そして、「さがす」で凄さを知っているつもりでしたが、ごめん、伊藤蒼を舐めてました。あの告白シーンはもちろん、銭湯での切ないシーンも素晴らしかったです。
あと、明らかにイスラエルの蛮行への抗議だと分かる「STOP GENOCIDE」のデモが登場します。そのデモに登場人物があるリアクションをするんだけど、そこに大九監督の立ち位置が示されていて嬉しかったな。
もうひとつだけ触れると、この映画は河合優実と突然段ボールの両方好きな方は必見です!
この映画に出会えてよかった
うーん
サプライズな物語と長台詞の圧巻の名シーンが刺さる。気になるところもたくさんあるが。
ポスターイメージのちょっとした爽やかな青春ラブストーリー化と思えば、最近よくある「彼女が突然消えた理由が泣ける系」の物語でした。
しかし、中盤のサプライズな展開がとっても効いていて、面白く、また、とても切ない。
何といっても、このさっちゃん演じる伊東蒼の演技、長台詞のシーンが圧巻!
特に「私の名前も知らないでしょう?」は強烈で刺さる刺さる。
これだけのことを言われて、突然死なれたりしたら、そりゃあ凄いダメージをうけますよね。
冷たく言えば、本当に勝手で、命懸けのとんでもなくえらい迷惑でもあるし、気付かない男が本当に鈍感すぎる。
これを支える、河合優実のキャラクターと演技はさすがの安定感。
ところどころ個性的なカットが挿入されてたりするのが、いいカットと、意味不明なカットがあったりと、玉石混合なところも含めて、面白い作品。
但し、結局、人が死んで悲しい話であるところは残念。
そりゃあ感情移入した人が死んだら泣けるし、脚本としては安易な部類だと思う。
(以上蛇足で、さらに個人的な単なる感想です。)
最初、製作会社マークの時点で「吉本」と出てきて不安になった。ノイズでしかない。
そして始まる大学の日常シーン。
いちいち会話で「おもしろ」を入れてくる、関西弁のボケツッコミ、ノリツッコミみたいなのも気になるし、疲れる。
さらに、友人の、変な喋り方もわざとらしく。
そして、関西大学って未だに出席カードなんだ、自分のなん十年も昔の当時の経験でも、カードに毎回違う印が付いていたり、カードの色が何色もあって毎回違ってたり、授業の最後に配ったりと、実に様々な不正対策されていたものですが。
大学が撮影協力してるってことは、「代返」歓迎な大学なのか?
基本的に、多くの学生は親の金で入学して、学費を払ってもらって、平気で授業サボって遊んでるのかとか。自分で学費を払ってるならともかく。
さらに、出席カードの提出を頼まれたのに無視するし、そのことが先の展開でフォローもされないし。
そういう調子のいい連中と距離をとってたはずの主人公2人も、結局仲良くなった途端に調子に乗って、追従して授業さぼるし。
そういうところが気になる気になる…。
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