劇場公開日 2025年4月25日

「この役に伊東蒼を選んだ意味」今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は galarinaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 この役に伊東蒼を選んだ意味

2025年11月11日
PCから投稿

精神的に未熟な男性の成長譚のためにある出来事が起こる、
つまり女性の人生が物語を盛り上げる道具や装置として扱われる(ように見える)作品というものは、
今の時代、それだけで危うい。
そのことを大九監督は大いに自覚し、本作を作り上げたのだろうと感じる。
そうでなければ、後半の展開には憤慨して鑑賞後は激おこだったかもしれない。
伊東蒼と河合優実の演技を堪能するために見ても損はもちろんないのだが、
いいスパイスを効かせているのが小西くんの友人を演じる黒崎煌代だ。
甘酸っぱいラブストーリーかと思わせながらも、彼の存在の異質さが今後の不穏な展開を予期させる。
自分にしか興味がなく、自分が傷つくことのみ恐れている小西くん。
男でも女でも、今我々の周りには小西くんみたいな人間であふれている。
それにしても、河合優実の関西弁がネイティブ並みの自然さで驚いた。

galarina