劇場公開日 2025年4月25日

「大九監督の本作に対する気合が充分に感じられる一作」今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0大九監督の本作に対する気合が充分に感じられる一作

2025年4月28日
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鑑賞方法:映画館

大九明子監督作品、期待をして観続けてはいるのですが、残念ながら自分との相性はあまりよくありません。特に皮肉なことではありますが、ご自身の出自でもある「お笑い芸人」と組んだ作品はどれも好みではなく、本作も観る前から不安を感じつつも、逆にキャストは好みの面子だったこともあって劇場鑑賞を決意。ゴールデンウイーク前半の飛び石連休に挟まれた月曜ですが、テアトル新宿10時からの回は結構な客入りです。
で、本作を観終わってまず感じたことは「(大九監督の)本作に対する気合が充分」だと言うこと。原作は未読ですが、おそらく本作を映像化するために考えられた演出は全般で効果的に機能しており、ずっとタッグを組んでいる「大九組」の一人、米田博之氏の独特な編集も相まって、ストーリーに「語られる以上の行間」があって厚みを感じます。そしてまた、タイトルや音楽を入れるタイミングは巧みで実に気落ちが良く、かなりイカしていると思います。
ところが、全体的には終始エモーション一辺倒な演出と展開で、127分観終わるころにはメンタル面はマヒしてくる一方、いつしか身体が強張ってフィジカルはどっと疲れます。特に、メインキャラクターを演じる萩原利久さん、河合優実さん、そして伊東蒼さん、それぞれの役が心情を吐露するシーンはどれも結構な長台詞。俳優たちの演技に「凄いな…」と感心しつつも、かなり高めのテンションで容赦のない言い分は思いのほか攻撃的で、それらを聞き続けているだけで胃が痛くなります。そして、主人公・小西徹(萩原利久)の人間性については共感は疎か近寄りがたい。恐らくは「正にそういうところ」を表現したかったのだと想像しますが、外的な要因をきっかけに極端に感情のON/OFFをし、更に周囲を巻き込んでまた落ち込む様子は最早「モンスター」。どう考えてもカウンセリングが必要なレベルで、(映画上のストーリーが終わった)この先の将来もまた折に触れてモンスター化することを想像して、どうしても彼を好きになる女性の無事を願わざるを得ません。
とは言え、素晴らしい演技を見せてくれるキャストの皆さんは期待通りだし、今作の出来事態は「悪くはない」と思える大九監督。敢えて言えば、ストーリー、世界観、そしてキャラクターなど、やはり根本的には「原作」が自分とは合わなかったかな。。
あと取り敢えず些末な事ではありますが、講義はお喋りせず、ちゃんと最後まで聞こうね。それと、テレビの音量は普通に近所迷惑です。老害ですまんけどさ。

TWDera
トミーさんのコメント
2025年4月28日

ワシャワシャも腹をさらけ出すのはどうかしてます。我に返るのは面白かったですが。

トミー
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