「独白」今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
独白
ジャルジャルの福徳さんの書いた小説が原作なんだなーという事のみぼんやり覚えていて、ちょっと変わり者同士の恋愛だなーくらいの感じで鑑賞。
めちゃくちゃ良い…!ってなるシーンとなんやこれは…となるシーンがあってジェットコースターのような映画でした。
等身大の大学生活に捻くれ要素を加えて、そこに甘酸っぱいものと激辛エッセンスをぶち込んだごちゃ混ぜっぷりではあるんですが、それが邪魔し合わずに1本の映画になっているという不思議な組み合わせでした。
そこに家族の様子だったり、大学以外の交流だったり、何気ない日常の違和感だったりをゆるーく描いており、こういう感じで過ごしているのかなーと思いながら観ていました。
恋に落ちる様子をじっくり描き、その前に恋に落ちたものも描き、それらに対して無関心なものも描いたりといろんな角度からの恋愛や感情を描いていたのが印象的でした。
しっかし終盤はどうもグッチャグチャになっている気がしてしまい、感動に振り切りたいのかコメディにしたいのかが行方不明な作りになっていてかなり困惑してしまいました。
犬のフリのくだりとか全く意味が分からなくてお口ポカーンでした。
「初恋クレイジー」ずっと爆音で流しといてくれ〜ってずっと思いながら耳を澄ませていました。
さっちゃんの告白シーンのしどろもどろした感じが本当に最高で、"好き"って言葉を伝えるのがどんなに大変で苦しいものなのかってのを全部詰め込んでいるようで心がキューってなりました。
かなりの長台詞でしたが見入り聞き入りっぱなしでしたし、伊藤蒼さんが強すぎました。
今年の映画の中でもトップクラスのベストシーンでした。
花の飄々とした感じや独特なオーラが全開になっているところも目が離せずで魅力的でしたし、格好もオシャレでしたし、挙動もワタワタしていて見応えありありでした。
河合優実さんパワーは今作でも健在でした。
ただ全体的に主人公の小西の行動がイタすぎてイタすぎて…所々自分も近い感情持っていたなと思うところはあったんですが、他人に迷惑をかけたり、心無い発言を連発しまくったり、完全に異常行動を取っていたりする場面は強烈な拒否感を覚えました。
友人を罵ったり、勝手に自分優先で行動してしまったりする所もキツく、まだ序盤に日傘をさしてた頃がマシに思えるくらい後半は悪い方にギア全開でいってしまっていました。
なんなら主人公が喋っている時はずっと胸につっかえるものがあったと思います。んーゾワゾワした何か。
福徳さん原作なので当然っちゃ当然ですが、言い回しのソレがジャルジャルのコントのそれで、長台詞での想いをぶつけるところだったり、日本語の言葉遊びをしてみたりといったところはフフッと笑えました。
後半になってくるとその効果も薄れてきて胃もたれしそうになったのは事実ですが笑
出てくるご飯がとても落ち着いていて尚且つ美味しそうなやつで最高でした。
マスターが恥ずかしそうに出してたオムライス食べてみたいですし、メニューの秘密にもフフッとさせられて癒しでした。
鴨川デルタの石の上を渡ったり、京都河原町駅の前だったりと懐かしい光景がバンバン出てきてそれだけで浸ってしまいました。京都が恋しい。
恋愛映画というよりかは在りし日のイタさを思い出させる青春映画でした。
フラッシュバックした記憶にまた悶々としながら生活を続けていきます。
鑑賞日 4/28
鑑賞時間 13:15〜15:35
座席 A-8
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