「いろいろとキツかったけど…」今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
いろいろとキツかったけど…
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この種の邦画は、普段はまず食指がそそらない。でもTIFFという祭りの場でないと一生観る機会もないだろうし、何しろ河合優実が出てるから…という事で鑑賞。大九明子監督作は『勝手にふるえてろ』しか観ていないが、相当キツかった記憶しかない。
全編セリフ回しがやたらコントっぽいのが気になったが、前情報をなるべく入れずに観たので、後々ジャルジャル福徳の原作と知り納得。主人公の徹の風貌もどことなく福徳っぽいのは、わざと狙ったのか。その徹がなぜ足を引きずって歩くのか、なぜ日傘をさし続けるのかの理由がサッパリ分からず、それら設定が後々伏線として回収されるかと思いきや全然活かされないのもなんだかなぁと。この作品がTIFFのコンペティション部門に選出されたのも理解に苦しむ。
なんかあんまり酷評めいた事ばかり書くのも忍びないので、イイと思ったポイントに独白シーンを挙げたい。それも1人じゃなく数人による長セリフ披露は素直に拍手。まあちょっとクドかったけど…
あと今回の映画祭でも本作を含め出演作が4本も上映された引く手あまた状態の河合はもちろん、全く知らなかった伊東蒼といった女優陣は軒並み良かった。というか『勝手にふるえてろ』もそうだったが、大九作品に出てくる男はどうしてオーバーアクトでキモいのばかりなんだろうか(終盤で見せる徹のある仕草はマジで不快だった…)。ただ、ソラミミストの安齋肇が醸し出す妙な存在感だけは味わい深かった。
伊東蒼みたいな同学生がいたら、大学に通うのが楽しくなるだろうなあ…などと妄想しつつ、改めて悟ったのは、自分にはやはり大九明子監督作は合わなかった、という事だ。
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