「〜3次元→2次元の試みは興味深い〜」劇場版総集編 ガールズバンドクライ 前編 青春狂走曲 田舎の破壊者ディケイドさんの映画レビュー(感想・評価)
〜3次元→2次元の試みは興味深い〜
全く知らないアニメ、しかしTVアニメシリーズの総集編ということなので知らなくても見られるだろうということ、あと好きなアニメの番宣(コラボ)に参加してくださった作品ということでその個人的な御礼も兼ねて鑑賞。こちらは女の子たちによるロックバンド活動の物語(で宜しいでしょうか?)。
ヒロイン含めた最終的なバンドメンバー全員が一応それなりに人見知り、という設定らしい。特にヒロインの井芹仁菜は距離を詰めてこようとする相手に拒否反応を示したり、せっかくもらった照明器具を武器に、絡んできた男性に八つ当たりするなど、扱いにくい人オーラ全開。物語の主軸に、「怒り」「中指立ててけ」があるようで、心に抱く怒りのエネルギーをそのままロックに昇華させて自己表現、ということを常々感じさせながら物語は進行していく。
ヒロインが何故そんなに怒ってる、周りに牙を剥くのか、高校を辞めた理由等の背景が描かれながら、徐々にロックバンド活動を本格化させる主人公たち。遂に、川崎に出てきた目的の1つである、大学受験用の予備校を辞める宣言をしたところで今作は終わる。
他の方も指摘してるが、特に主人公はなかなか感情移入しにくいキャラ設定と思われ、TVアニメで週毎に少しずつ話を展開するよりこうして映画で一気に話を流してくれると嫌でも逃げられなくて、物語に没入しやすいなと思った。
流れる数々の楽曲はどれもなかなか良いなと思い、鑑賞後いくつかチェックした。曲が良いと思えれば、作品そのものにも入りやすいと思う。声を担当する3次元(表現なんて言えば良いんだ?)の方々は既に武道館LIVEを達成してるとか。
最後に気になったところ。個人的嗜好で申し訳ない。
・特に井芹仁菜の全身から度々ほとばしるもの、あれは怒りを表現してるのかな?場の空気が悪くなるサイン。火山が噴火する前兆のような表現。一瞬、変身ものかと錯覚しそうになった。アニメの根幹にかかるところなので、好き嫌いの問題かもしれない。
・ゲームのようなキャラの動き(LIVE中のモーションキャプチャーではなく日常の動き)のアニメーション、海外含めた他の制作会社のアニメもこのタイプのアニメーションは個人的にあまり好きではなかったので終始気になってしまった。
以上は完全主観と嗜好によるもの。物語そのものは面白いと思いました。アニメーションが違ってたらもっと高得点にしたかった。四捨五入で星4って印象。
とはいえ、バンドを組んでからアニメーション化する、というこの試みはとても面白く、今後も類似ケース出てきたらと期待したい。
