「共依存の果て」Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり こちさんの映画レビュー(感想・評価)
共依存の果て
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個人的にあまり刺さらなかった。かつ、どうしても殺された女性のことが気になってしまった。
それこそ、(頑迷なところがあるものの)なんで彼女が死ななければならなかったんだろう…。
社会福祉士の兄(医師)の手術のシーンと、アディが破れた服を繕うシーンが重なってしまって。
それぞれが兄弟を思っていることは変わらないと思えてしまって、どうしても。
どこまでもどこまでも子供のように兄の中にある自分への愛情を確かめ、それを奪っていく弟と、とっさのときには倫理観よりも弟への愛情を行動基準の最上位に置く兄。
チークダンスで徐々に距離が近づき、兄を固く抱きしめるシーンでは、アディの嬉しそうな顔は、他のものは要らないと心から満足しているように見えて、一方、兄は絶望しているように見えた。
最後の手話のシーンは胸に迫ったが、お互いの手を上手く離すことが出来ていたら、生き方は選べなくてもあんな終わり方をすることはなかったんじゃないか…。
それでも、お互いに確かに手に入っていたのは、お互いの愛情だけだったからこそ、手を離せなかったのだろうけれども。
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