「予想の域を一歩も出ない、兄弟もの悲劇の類型パッケージ」Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
予想の域を一歩も出ない、兄弟もの悲劇の類型パッケージ
クアラルンプールのような高層ビル立ち並ぶきらびやかな街の、足元には対象的に貧しいスラム街、そこに住む不法滞在の貧しい兄弟、真面目で温厚な兄とやんちゃな弟、人情味あふれるご近所さん、そして、兄弟を突然の悲劇が襲い、真面目な兄は弟を庇って破滅、弟は兄の分も生きると誓い、幸せに踏み出す
って、この手の兄弟物の悲劇のパッケージそのまま、殺したと思ったら実は生きていて、も含めて類型から少しもはみ出さない。今どきこれ? と思ってしまう。
福祉士とはいえ、うら若い女性一人でスラムの男の住まいに上がり込む。
お前がやっているのは違法行為と兄に言われている伏線はあるが(だから彼女の単独行動)、
あからさまな悲劇の導線設定だ。
予定された「悲劇」ホールに向け、すべての状況が都合よくお膳立てされ、そこに流れ込んで嵌まるご都合主義。
主人公二人が熱演するほど茶番に見えそうで、彼らが気の毒になってしまいました。
ただ、教誨師に兄がぶつけるやりきれなさだけは真に迫っていた。
自分にはどうすることもできない理由で、どうあがいても浮き上がれない人生、希望を持てとかふざけんな。もう死んでしまいたい、言葉は重く、映画だからと流すことはできません。
弟も、「来世は兄ちゃんを俺が守る」って。すでに今生は捨てるしかない。
中国語、英語、マレー語が入り交じるところがクアラルンプールらしかった。
昔少しだけインドネシア語を学習したのですが、マレー語とインドネシア語ってほぼ同じでは?
評判良いようですが、私には無理め。
世の中の不条理あれど、破滅の原因作った弟が、優しい兄が犠牲になることで浮かばれて幸せの予感な設定、感動するよりムカつきます。
陰々滅々、作為的過ぎ、そして、長すぎです。
ご返答有難う御座います。
そもそも“転”の状況が、“突き飛ばされ突起物も何も無い平坦な床に倒れて致命傷”が説得力無し。兄の収監先で“如何にも理解者”感出してくる“所長”が受刑者へ配膳するのも有りえない。終いには“後3日でやり残した事は?”って、いきなり処刑日を本人に漏らすって…
あんなに親身になっていたミャンマー人の彼女も本当に浮かばれず後半は終始怒りの感情しか湧いて来ませんでした(-_-;)
蚤取りマーさんさん
コメントありがとうございます。
こちらこそ、マーさんさんのコメントに激しく同意です。
型通りながら、前半はそこそこ見られたんですけど、弟が事件起こしてからもう、ダメダメのメタメタ、これでもかの悲劇のドツボ。
自分が元凶なのに他人事みたいに兄の犠牲を受け入れる弟、なにそれ。
とっとと自首して、なんなら「私が息の根を止めました」と兄を庇って死刑になるくらいでちょうどいいんじゃない、と思いました。
突然のコメント失礼します。
“感度するよりムカつき”激しく同意します。
前半迄の兄弟や周囲の人物描写は悪くなかったですが、“転”以降の兄弟の言動には1ミリも共感出来ず正に“茶番”にシラケました。
「来世では俺が兄ちゃんを守る」って、どの口が言ってんだぁ⁉︎お前が正直に自首すりゃ其れで済むやろ‼︎
映画祭と此処の高評価の意味が解りません。