劇場公開日 2025年1月17日

「これぞ映画。悪くはない後味を噛みしめて余韻に浸る。」敵 ごーるどとまとさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0これぞ映画。悪くはない後味を噛みしめて余韻に浸る。

2025年1月30日
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鑑賞方法:映画館

とても丁寧な暮らしをする主人公の姿に「PERFECT DAYS」を思い出しました。食も住もテキトーな私は憧れはしてもとても真似はできませんね。
でもその几帳面な日常ルーティンさえも、結末を知ってから思い返すと、別の意味があったんだろうなと気づいたり。
現実と妄想の境目が次第に無くなっていく不思議な作品で、モノクロ映像の鮮やかさが印象的。
長塚京三さんも、彼を取り巻く3人の女性も、まさにハマり役でキャスティングもお見事です。

レビー小体型の症状で幻視の出る肉親を近くで見てきたから、主人公に見える見知らぬ男や襲いかかる敵たちがとてもリアルに感じました。

老いも死も避けられないという現実。
筒井康隆原作なのでそれさえもSF的に飛びこえて映像にしてしまった吉田大八監督の手腕が光っていました。

ごーるどとまと