「ジイサンの心臓には毒」敵 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
ジイサンの心臓には毒
仏文教授の職を辞し、妻に先立たれて一人で暮らす男に忍び寄る「老い」を少し可笑しなホラーの様に描く筒井康隆さん原作の物語です。清濁も、高尚さもスケベな下心も、下らぬ妄想も現実も、冴えたモノクロ映像で目が離せない不思議な静謐さと共に描かれます。それだけに、正体不明の「敵」と思われる存在の映像が終盤に現れたのは残念でした。何なのか分からぬままで静かに終わってよかったのではないかな。それにしても、瀧内公美さんの艶っぽい眼差しは還暦過ぎたジイサンの心臓には毒だわぁ。
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