「八十に近づくと三人の女がやって来た!愉しみました。」敵 カール@山口三さんの映画レビュー(感想・評価)
八十に近づくと三人の女がやって来た!愉しみました。
敵
静謐な老後を過ごす独居老人であるはずが、
既に無くなっている欲望が突然やって来る。
やがて、寝ていたはずの欲望を現実化をできないと、妄想として実現し、
欲求が更に拡大化する。
その結果、
死んだ妻を甦らせ、浮気者と罵倒され!
元生徒を贔屓したことを、アカハラと指摘され!
行き付けのバーの学生女給に好意をもったら、300万円を持ち逃げされる!
終活して紳士面して過ごしていても下心が往年を回顧し暴かれて行く、
その結末は、
かの静謐な生活音はなく、平穏を無くした混沌と妄想の中で自死へと進んで行く…
唯一、老という敵を回避ではなく真正面に立ち向かった時に開放感を気付いたように見えた…
その執着心は、
古い住居にまだ生きずかせているところが、筒井らしい。
オッサンって助平です。
同感です!
( ^ω^ )
敵
筒井康隆の同名小説を、「桐島、部活やめるってよ」「騙し絵の牙」の吉田大八監督が映画化。
穏やかな生活を送っていた独居老人の主人公の前に、ある日「敵」が現れる物語を、モノクロの映像で描いた。
大学教授の職をリタイアし、妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋にひとり暮らす、渡辺儀助77歳。
毎朝決まった時間に起床し、料理は自分でつくり、衣類や使う文房具一つに至るまでを丹念に扱う。
時には気の置けないわずかな友人と酒を酌み交わし、教え子を招いてディナーも振る舞う。
この生活スタイルで預貯金があと何年持つかを計算しながら、日常は平和に過ぎていった。
そんな穏やかな時間を過ごす儀助だったが、ある日、書斎のパソコンの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。
主人公の儀助役を12年ぶりの映画主演になる長塚京三が演じるほか、教え子役を瀧内公美、亡くなった妻役を黒沢あすか、バーで出会った大学生役を河合優実がそれぞれ演じ、松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩らが脇を固める。2024年・第37回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、東京グランプリ/東京都知事賞、最優秀監督賞(吉田大八)、最優秀男優賞(長塚京三)の3冠に輝いた。
敵
2023/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ、ギークピクチュアズ