STEP OUT にーにーのニライカナイのレビュー・感想・評価
全24件中、1~20件目を表示
中途半端で、終わり方もよくない
沖縄が舞台の映画となると、貧困や閉塞感が強調されるものが多くなった印象がある。本作もダンスを通して沖縄のそんな状況から抜け出そうとする若者の物語と思っていた。もちろん大筋としてはそんな雰囲気の物語ではある。でも、あくまで雰囲気の話。結果として思っていたのとはかなり違う物語だった。
しかもどんな映画として受け止めればいいのかわからずに戸惑う。家族愛?兄弟愛?ダンスにかける青春?地元の友人との友情?好きな女の子への恋心?どれも中途半端だった。妹が何らかの障害やトラウマを持っているのかわからないし、主人公の少年がダンスにそこまで情熱を傾けている熱量も伝わってこない。ところどころ話のつながりがわからない展開もあったりして。なんとなくそれっぽい感動の物語風には仕上げたつもりかもしれないが、全く心が動かされなかった。
最後の決断に納得がいかなかったことが一番大きな要因だと思う。オーディションもなんであんな結果になったのかよくわからないし。しかもエンドロール直前のあれも意味がわからない。いきなりこんなものを登場させてだから?と感じるだけだ。こんな終わり方でいいの!?と呆然としてしまった。唯一の救いがエンドロール。配役関係なく、皆で踊るのが楽しそうだった。救いのある映画でなかっただけに、ほんの少し救われた気がする。
行くも留まるも行動
仲間由紀恵さんは普通のおばさんを演じていて良かったけれど
Boy Meets Girlの映画。
名目上の主演は、仲間由紀恵さん。
序盤は淡々と進みながらも、徐々に盛り上がって来て、話しとしてはベタだけれども中盤から終盤にかけては楽しかったし、結構グッとくる場面もあった。
実質的に主演の男の子も悪くなかったし、ヒロインの女の子も良かった。
私にとっては、あまり興味が無いダンスも、観ていたら楽しかった。
しかし、エンディングで???となってしまって、映画全体の印象が急降下してしまった感じかな。
仲間由紀恵さんは、いつもの綺麗なお姉さんではなくて、沖縄の普通のおばさんを演じていて、それがスゴく良かったと思ったのだけれど。
沖縄から出ていかない事もOKなのだヨという物語。かな ?
最後は現状維持を肯定する展開なのかもしれない。
何も考えず、行動もせず、ただ諦めただけの現状維持は良くないが、自分で選択した前向きな現状維持はOKという事なのだろう。
ただ、ちょっと唐突過ぎる。それに僕が今まで見てきた映画やTVドラマでは、あの場面でママ(仲間由紀恵さん)が息子の背中を押す展開になるハズなので、「ええー、そっち、そうなっちゃうの?」と目が点になったヨ (・・)、まあイイんだけどネ (^^)。
音楽プロデューサー·HIROKIが、「ダンスをなめるな」とか啖呵きった割には、オーディションに遅れてきた甥っ子に甘いのは、映画としてはダメかもしれないが、ボクとしてはOKだ。
「まあ,まあ,まあ,まあ,まあ」である。僕みたいな考えのヤツがいるから、不正入学やワイロがなくならない。スマン (^^)。
Soul の友達と不良達の話は要らなかったかなと思う。
観賞した4日前 2025/3/17㈪ の夜は確か総合評価☆2.6だったと思う。観賞後、いやさすがに2点代は低すぎると思ったが、レビューした人の人数が20人いってないので、人数が増えればもう少し上がると思った。
僕は☆は付けないのだけれど、付けるとしたら☆3.0 なので、現在3/21㈮の総合評価☆3.0は、まあ妥当かなとは思う。
最後の方に「どうすんの?」「え、どうすんの?」が連続する。主人公の...
沖縄の風景、人、風を感じる
ラストの決断はタイトルに反するけど、内地信仰に待ったをかけたかったのかなあ
2025.3.18 MOVIX京都
2025年の日本映画(96分、G)
ダンサーを目指す若者の才能と選択を描いた青春映画
監督は堤幸彦
脚本は谷口純一郎
タイトルの「ニライカナイ」は、沖縄の伝統的な概念で、海の彼方にある神々が住む理想郷などの意味する言葉
「にーにー」は沖縄の方言で「お兄ちゃん」という意味
「STEP OUT」は直訳すると「家を出る」という意味
物語の舞台は、沖縄のコザ地域
そこに住む高校生(中学生かも)の踊(Soul)は、ダンススクールに通うリサ(伊波れいり)のことが好きで、一緒にダンスを踊りたいと考えていた
SNSなどを見て、見まねで練習するものの、まったく上達する気配はなかった
踊には小学校に通う妹・舞(又吉伶音)がいて、シングルマザーの母・朱音(仲間由紀恵)のサポートとして、妹の面倒や家事手伝いをさせられていた
ある日のこと、ダンス教室のチラシに気づいた朱音は、レッスン代を踊に渡した
踊は教室の練習に参加するものの、レベルの違いにまったくついていけない
2日で挫折を味わってしまうものの、ダンスへの想いというものはそう簡単には捨てきれなかった
物語は、地元のヤンキーのトップ・謝花(津波竜斗)に絡まれた際に、ダンスを披露するところから動き出す
いつも以上に軽く踊れた踊は、ダンスの楽しみを思い出し、再び教室に通うようになった
そして、リサとペアダンスを組めるほどに成長し、リサとの仲も急接近してしまうのである
映画は、よくあるタイプの青春ダンス映画で、大会に向かって努力する中で、いろんなものが障害となってしまう様子を描いていく
王道路線ならば、オーディションには強い相手がいて、ガチのダンスバトルになるというものだが、本作の場合はカタルシスが迫る方向には動いていかない
むしろ、「それで良いのか、この映画」という「一番やったらあかん系のエンディング」をドヤ顔で披露していた
タイトルが「家を出る〜兄の理想郷」という感じの意味なのに、「現状維持でOK」という結論に至るのは意味不明としか言いようがなかった
「え? マジ?」という感じの結論で、「やめるな」といった謝花の思いとか、「俺たちの夢なんだ」とまで言った友人とか、「にーにーがいなくても大丈夫」とまで言った妹とか、全ての想いを蔑ろにして否定するのは無茶としか言いようがない
何を思ってこのエンディングになったのかはわからないが、夢や想いを潰された友人やヤンキーがどのように接してくるかもわからないし、前よりも状況は悪化するだけだろう
ニライカナイはここにある、みたいなカッコ良い風のセリフで締めているが、傍から見ていると、「東京行くの怖くなっただけやん」みたいにしか見えない
オーディションで負けた人、主催者、彼のダンスに何かを見た人などの「想い」よりも家族愛が強いということなのかもしれないが、それでも行かないことの弊害の方が強いんじゃないかと感じた
いずれにせよ、若者向けのダンス映画として面白いのかは微妙で、ダンスの参考になるような蘊蓄とかテクニックの話もないし、オーディションの規模とかもよくわからない
親父が帰ってきたと誤認させるシナリオも意味不明で、それなのに女の顔をしている母親というのも奇妙に思えた
本作は仲間由紀恵と堤幸彦のネームバリューで資金集めをしようとしたのかもしれないが、内容がアレなので口コミで広がりようがないと思う
沖縄の若者に「俺たちには何もない」「お前が夢だ」と言わせるのもどうかと思うし、それを無碍に扱う流れも最悪としか思えない
なので、根本から何を描くのかを練り直して、それに即したシナリオを作り直して取り直さないと、無駄な黒歴史を生んだだけになってしまうのは残念だなあと感じた
やめろやめろやめろあー・・・
維持と打破
ポスターの安っぽさが不安だったが、画作りよりむしろ脚本の粗さが目についた。
スクールに入るまでは恐ろしくスムーズだが、アッサリお金を出すのであまり貧困を感じない。
いつも同じ服だったりで表現はされてるけど、朱音が苦労してる描写も薄いからなぁ。
リサだけ服の露出が多いせいで、ダンスに憧れたというよりエロ目線に見えるのも難点。
その後も友人と色恋方面で会話してるし。
この友人2人とヤンキー組は必要性を感じなかったし、絡まれた際に踊が一瞬覚醒した理由も謎。
身長のバランスなんて理由だけで、プロ志向のリサが下手クソな踊をパートナーに選ぶのも有り得ん。
連絡取れないからってオーディション当日に友人を探して、結果すっぽかすのも。
父親が亡くなった話からの親子喧嘩も、なんだが強引。
Soulくんはまだしも、リサちゃん役やスクール生、友人などの演技力もイマイチ。
踊れることや沖縄出身ということを優先した弊害か。
何故か主演扱いの仲間由紀恵が丸くなってたのは母親役としてはいいが、彼女である理由までは見出せず。
踊の成長と覚悟の話として大筋は悪くないのだけど、最後の決断も取って付けた感が否めない。
あの時点だと、住居や転校の手続きも済んでるハズだし。
ダンスを始めた理由も語られず、数カ月でオーディション合格もどうなんだろ。
確かに技術的に難しいことはやってないが、そのぶん基礎力を見抜かれるハズで。
内容もヒップホップを軸にロックや、一瞬ブレイキンも入れていて、期間に対し範囲が広いような…
御当地作品にありがちな地元要素も、シーサーくらい話に絡めばいいが、沖縄舞踊は半端。
最後の象とか非現実的すぎて絶対いらんでしょ。
色々やるより、ちゃんと家族を深掘りしてほしかった。
エンドロールの雰囲気はとてもよかっただけに、ちと残念。
リサのキレキレダンス
沖縄で母と妹の3人で暮らす照屋踊は、ダンススクールで出会ったリサに憧れてダンスを習いはじめた。シングルマザーの母はホテルの清掃員とスナックの仕事を掛け持ちしていて、踊は妹の面倒をみていた。リサに誘われた踊はペアを組むことになり、ダンスの才能を開花させていった。ある日、踊は母のもとを訪ねた男を目撃し、父ではないかと疑いを持った。後日、テレビでダンスオーディションの開催を発表した音楽プロデューサーのHIROKIが母を訪ねてきた男だった。さてどうなる、という話。
大切なオーディションの日に日に何やってるんだ、と言うのが1番の不満。バイク泥棒をやめさせたかったのはわかったが、優先順位が違うんでは、リサの事をもっと大切に考えてやれよ、と思った。
母役の仲間由紀恵が主役じゃなくて、踊役のSoulが主役なんだろうけど、本当は彼もダンス上手いんだろうな、とは思った。
何で東京に行かなかったのかはよくわからないが、母も沖縄に残って欲しかったみたいだし、ま、それでも良いのかな、とは思ったが、冴えない結末に感じた。
あと、妹役の又吉伶音の目力はなかなかだった。
それより何より、本作ではリサ役の伊波れいりのキレキレのダンスに魅了された。
スタイルも良くて可愛かったし、今後彼女に注目したいと思った。
【”現状維持か、現状打破か。そして、僕のニライカナイはヤッパリ・・。”今作は沖縄を舞台に、沖縄の閉塞感を漂わせつつも少年が自分の生きる場所を決める様を描いた作品なのである。】
■ニライカナイ:沖縄の言葉で、海のかなたにある理想郷を意味する。
ー 今作のストーリーはシンプルだ。
ダンスが好きだが、人前に出ると上手く踊れない内気な少年と、ダンナが出て行ってしまったバーを営む母(仲間由紀恵)と口を殆ど効かない少年の妹の物語である。
舞台は、全て沖縄で、少年の友人二人は沖縄には夢がないけれど、行くところもないという諦観した生活を送っている。
沖縄って、住みやすそうだけれども、住んだことが無いので何とも言えないが、時給の低さや、就業率などを見ると、ナカナカに厳しいのかな、と思ってしまったな。
けれども、この作品はそれをネガティブさを強調した形では描かずに、内地に行ってスターになるという夢を持つ、少年のダンスペアの少女などの生き生きとした姿を上手く描いているんだよね。
今作は、沖縄に生きる少年の、成長物語なのである。ー
主演Soulが超頑張っている
仲間由紀恵が主演かと思いきや、そうではなかった。Soul演じる踊(よう)が主役。
踊のダンススクール通い&リサとの練習&ほのかな恋愛、そして踊の家庭環境や
友人関係等、さまざまな人間関係を軸に、家族愛を描いている作品。
正直、つくりあがりはイマイチに感じた。
わざとらしいというか、俳優陣のレベルがモロに出た気がする。
確かに脇を固める仲間由紀恵と津嘉山正種は素晴らしいのだが、他は厳しい演技に感じた。
とはいえ、恵まれない家庭環境やシングルマザーであるがゆえに子どもたちに負担がかかっていることなど
沖縄舞台としている映画によく見られる社会問題は取り上げている。
現状維持と現状打破、いずれの選択をするか迫られる踊は、現状維持を選ぶのだが、
現状維持と言いつつも、現状打破をした上での現状維持、つまり現状のアップデートはきっちりできている
踊と家族に拍手を贈りたい。
小品ながら良い鑑賞後感で気持ちよかった。
駄作
仲間由紀恵のシンママ役を筆頭に色々おかしい事ばかりの映画でした。
中2の息子から違うシャンプーの匂いがする→「おめでとう」
思春期の男女5人でのキャンプを許可する大人達
義弟に気に食わない奴と言いながら、息子をオーディションに合格させてとお願いする仲間由紀恵
主人公を応援する為にバイクショップで盗難を企てる友人達
仲間由紀恵にオーディションを侮辱するなと激怒したのに、遅刻した主人公のオーディションをすんなり許可する主人公の叔父(シンママの義弟)
俺のニライカナイはここだ。と言って合格を蹴って沖縄に残る主人公
挙げればキリがない
堤監督 これでいいのか?
お母さんは元アイドル
中2になってダンスを習いはじめた母子家庭の男の子の話。
発達障害と思しき小学生の妹の面倒をみつつなんとなんと〜く踊っている中、母親からチケット代をもらってダンススクールに通いはじめて巻き起こっていくストーリー。
こんなに踊れない?ってぐらいのド素人だったけれど、ヤバいパイセンのところではなんで???
そしてこれまたなんで?な優等生のお誘いから変化が始まって行くけれど…これはリサが有能だったのか講師がポンコツだったのか…。
出来過ぎとはいえ話し自体は悪くなかったけれど、コミカル演出の部分がちょっと滑っていたり、妹がもう一歩活きていなくて勿体なかったり…そして何よりこの流れで中2の選択がそれ?それに大しての母親のリアクションは?と、なんだかモヤモヤした。
悪くはない作品だが、テーマを絞っても良かったか
今年82本目(合計1,624本目/今月(2025年3月度)16本目)。
「かなさんどー」に続いて沖縄を舞台にした映画が多く放映されるのは良いですね。
この映画はいわゆる「踊り」(ダンス)をテーマにするものですが、他の付随する話題として「いわゆる半グレ組織」「沖縄の貧困問題」(就職難など)のほか、「実際に起きた事件」(後述)まで扱っているため、テーマを絞りにくいという部分はあります。
主人公のテーマから、ダンスを武器に本土(沖縄に対していう語)に進出、そしてやがては世界に…という趣旨の映画ですが、その話はよく登場するものの、無関係な話題がちらほら登場し、これらの理解を妨げるのが厳しいです。かつ、放映時間はそれほど長くはないので、あっという間に終わってしまいます。
ただ、本質的に重要な事項を扱っている部分もあるし(後述)、この点はもうちょっと配慮が欲しかった…というより、一言でいうと「放映時間があと20~30分長くても良かったかも」といったところです。
採点に関しては以下まで考慮しています。
-----------------------------------------------
(減点0.3/ストーリーを追うのが容易ではない)
難しいというより「いろいろな話題に飛ぶ」のが難しいです。予告編等からみれば「ダンスもの」と考えるでしょうし、そこに沖縄特有の話題がいくつか出る程度は想定できますが、「実際に起きた事件」(後述)のことまでになると、これは架空の事件ではなく実際に起きた事件でもあり、どうとらえるかが難しいです(後述)。
要は「話題を一つ二つに絞るか、あるいは放映時間があと20~30分あってもよかったのでは?」といったところです。
-----------------------------------------------
(減点なし/参考/「象の脱走事件」について)
映画内で登場し、ストーリーにも一部絡んでくる「象の脱走事件」は、1973年という沖縄返還のちょっと前に実際に起きた事件です(タイから寄贈された子象が脱走した)。
子象とはいえ、象が脱出するというのはかなり「ヘンテコ」な事件だし、当時はミステリーものか?というような報道をされましたし(映画内でも描かれる通り)、この事件は実際に「象が逃げた」事件であるため、その「動ける範囲」から米軍基地ではないか?というような考えとなり、「探すだけだから中に入れて欲しい」という団体(今でいう動物愛護団体等)の要望と沖縄米軍の対立がちらっと発生し(ただ、沖縄米軍もこの点の「不自然さ」はわかっていてある程度は譲歩した)、沖縄における米軍基地の不信問題の一つの原点にもなっています。
なお、映画内でも描かれる通りこの事件は「未解決問題」で、一方で贈与したタイにおいても「まさか象が脱出するなんて」という考えであり(ある程度飼育に不備があっても、象が逃げ出すというのは珍妙な事件)、タイも当時の日本には強くは抗議はしなかったし(むしろ「ミステリーものだ」というようにとらえられた)、沖縄では当時まだ少し残っていた、島内での出身地差別(偏見)と絡めて「あそこの島では(脱走した)象でも食べたのか」といったことも多少は言われましたが、当然「象を食べる」等というのはどうやっても不可能であり、そのような発言もそうそうなくなり、結局2025年の今日まで「未解決事件」として残っています(当時、この象を飼っていた動物園が2万円(当時の「本土の」大卒の初任給が5~7万円程度だった)の懸賞金までかけたが結局見つからず)。
全24件中、1~20件目を表示