blur:To The End ブラー:トゥー・ジ・エンドのレビュー・感想・評価
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50代の円熟味と互いを尊重し合った友情に浸る
昔からの熱心なファンの方がどうご覧になるのかは正直わからないが、私のようにブラーのアルバムを何枚か持ちつつも、彼らがどのような人たちなのか深く知らずごく曖昧に聴き続けてきた人間にとって、本作は各々の個性や現在の胸中をうかがいしれる非常に充実したひと時だった。音楽性の面で衝突することもあった若かりし頃と違い、本作で活写されるのは8年ぶりのアルバム制作、そしてウェンブリー・スタジアム公演へ向かう50代の彼らの姿なのだから、人としての円熟味も相まって、安心して見つめることができる。現時点でたどり着いた彼らなりの関係性とは何か。なるほどそれは、お互いをよく知るからこそ尊重し合う。一定の距離を持ち過度に踏み込みすぎない。その上で発揮される30年越しの友情がここには刻まれており、それでいて当然ながら音楽面に関してはプロとして妥協しない。ウェンブリーでの最高のライブ映画と併せて、じっくり浸りたい一作だ。
アルバム一枚も持ってないけど、 でもなんとなく気になって見てみた ...
アルバム一枚も持ってないけど、
でもなんとなく気になって見てみた
そしたら、なんかブラーに対するイメージが変わった
例えば、当時はそこそこ尖ってたと思ったのに、
なかなかな家庭の出身だったりとか
(決してバカにしてないです)
年取ってそこそこ丸くはなっても、
昔の曲だけで固めたライブは嫌だとか、
そういうの、かっこよかった
デーモンは縦縞の服のイメージだったけど、
やっぱりまだ縦縞が多くてなんか嬉しかった
それにしても、イギリスのバンドって、
何かにつけてすぐ政治批判しますよね
それもいいと思う
◇55歳からの生き様
ブラーがブレイクした1990年代前半、会社に入ったばかりの私は毎日疲れ果てて、音楽も即物的な分かりやすいものばかりのタレ流し、学生時代のように聴き込むことはなくなってました。ブラーを聴き始めたのも比較的最近、ここ10年ぐらいです。最初に聴いたアルバムは『13』だった記憶。"Tender" "Coffee & TV"ヒット曲系がお気に入りでした。正直、包括的に1stアルバムから聴き直したのはサブスクになってから。今では最もお気に入りバンドの一つです。今回はドキュメンタリー&ライブのダブル(104+128分)でどっぷり鑑賞しました。
To The Endはドキュメンタリー。イギリスの海辺の田舎町に集まった昔の仲間たちが音楽を通じてそれぞれの人生を見つめ直す物語です。ティーンエイジャーの頃からバンドを始めて、衝突や分裂と再結集を繰り返してきたブラーのメンバーも、60歳前後。それぞれが自分の生活圏とライフスタイルを持っていて、それぞれに尊重し合いながら音楽を作り上げていきます。
もう一つはウェンブリースタジアムでのライブ映像。収容人数9万人、デーモンの開口一番「想像以上だ」というコメント通り、歓声の迫力で地響きが起こるような凄まじい熱気です。会場の臨場感そのままに、ブラーの名曲がこれでもかこれでもかと注ぎ込まれて興奮が渦巻いて溢れ出し涙腺が崩壊してしまいました。
私の学生時代には、JAZZは「年寄りの音楽」と友達と語り合っていましたが、今やROCKこそシニア御用達音楽化しているのかもしれません。
55歳を過ぎる頃、自分の人生そのものを振り返り、自らの人となりを見つめ直す時なのでしょうか。私がブリティッシュロックに惹かれるのは、その内省的なところです。常に客観的に自分自身を見つめ直す冷めた部分を秘めて感じます。ブラーにもその内省性が本質的に備わっていることに改めて気づかせてくれる映像と音楽でした。そんなブラーを聴きながら、自分自身の残された人生について改めて見つめ直すのでした。
満身創痍でもバンドは続く
2009年のグレアム復帰以来デーモンの「ブラーはもう終わり」→唐突の新譜リリースor超大規模ライヴを何度となく繰り返してる彼らの初ウェンブリー公演までの軌跡のドキュメント
ウェンブリー後に来たサマソニでも昔と変わらず暴れまくっててロックミュージシャンは不死身か!と思ってたらアレックス以外の3人が膝に爆弾抱えてたとは(デイヴの骨折は報道で知ってたけどあんな重症だったとは)
ライヴ活動はもう本当に最後かもしれない
でも創作意欲がある限りは
このバンドでやる意味がある限りは
作品出し続けて欲しいし
そうしていきそうな終わり方だった
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