「小学校とかで流すのには良いかも」2040 地球再生のビジョン natsuさんの映画レビュー(感想・評価)
小学校とかで流すのには良いかも
来る2040年に向け、今から着手できる食産業の有力なアイデアや、社会や街の次世代的なデザイン案などが紹介されている。数多くとか包括的な案というよりは、一例のいくつかにスポットを当てていたような印象。
いまいちそれを取り上げる理由が解らない時があったり(特に自動運転車の話など)、他のやり方と比較した際のメリット・デメリットなどを提示して欲しかったり(太陽光パネルの話など)、もうちょい“なぜそれなのか”という部分のエビデンスが欲しかった。でも非科学的、非現実的な妄想ばかり並べているという感じでもなかったので、おそらく小難しい映画になることを避けて、あえて科学的な論拠は少々省略した部分もあるのかなと思う。
そこが自分としては不満だったけど、一方で、これくらいの調子で世の中に対して明るい未来の可能性を提示する映画も必要かもしれない、とも思った。監督も話していたとおり、環境問題に関するニュースやデータは暗いものが多いし、次世代の子どもたちに希望を持てる未来を示すことも現役世代のひとつの重要な使命ではあるだろう。若いパパ監督の前向きな感じのお人柄とか、映画全体の明るさなんかは、“環境問題を取り扱った作品”としての重苦しさを感じさせない良い塩梅だったと思う。
監督は本作を作る上で「今あるものしか使わない」というのを掲げていた気がしたけど、そこに拘る意義は個人的にはあまり感じなかった。CGのような演出を用いた場面もそれなりにあったので、ドキュメンタリー映画というカテゴリでいいものかどうか。
子どもたちの声も取り入れた作品になっていた点は良かった。
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