「コロナでも文化部でも、星の下で心はひとつ(本当に?)」この夏の星を見る KaMiさんの映画レビュー(感想・評価)
コロナでも文化部でも、星の下で心はひとつ(本当に?)
好きそうな映画と思ったし、つまらないわけではないけれど、好きというほど心が動かず。すでに高評価のレビューはたくさんあるので、あらすじなどは省いて理由を考えてみる。
アサ(桜田ひよりさん)が宇宙飛行士に憧れ、高校で天文部に入ってISS(国際宇宙ステーション)を観測する話はワクワクした。
スターキャッチコンテストの場面のアサはもはや顧問の先生を軽く越え、イベントMCのような統率力、推進力。
のほほんとした不思議な包容力と、知性とリーダーシップを兼ねそろえるアサを嫌みなく演じられるのは、桜田さんあってのことだと思う。
それが後半、せっかくISSを観測するのにリクの転校話がテーマになり、主軸がブレてしまった印象。アサのポテンシャルを生かし、恋心は秘めた感じで描く程度がよかったんじゃないかな。
一方、3つの地方(茨城、東京、長崎)の同時進行で描かれる中高生たちは、何か違う世界線の話を無理に同居させている印象。
元サッカー部や旅館の子どもが天文に興味を持つ経緯はちょっとご都合主義で、最初から天文部の設定でもよかったのではないかな。そのほうが、何かNHK教育テレビのような雰囲気にも合っていたと思うし。
何より、天文部なのに元運動部のイケメンを揃えて恋バナにもっていこうとすることに違和感。こういう映画こそ、眼鏡をかけた地味な男子に活躍の場を与えるべきでしょ(偏見?)。この点、映画「君は放課後インソムニア」に出てくる天文部のほうが共感できた。
オンラインでつないで天体を見るというアイディアは良いし、映像はきれい。細かいことは気にせず雰囲気を楽しめばいいのかもしれません。
しかし、コロナで失われた青春を救済するための「奇跡」だったり、オンラインの謎の一体感だったりが、天体観測の良さを減らしてしまった感はあります。
*加筆修正しました。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。