「演出が合わなくて減点…」この夏の星を見る romiさんの映画レビュー(感想・評価)
演出が合わなくて減点…
ストーリーはとても好きです。原作の辻村作品好きですが本作は未読。でも、らしいお話だなあと。辻村深月の青春群像!ってかんじで好き。
フレッシュな役者陣の瑞々しい演技も、ベテラン陣のちょっと癖強ながら安定の演技もよかったです。
個人的に『あの花が咲く丘で〜』で特攻隊員の寺岡役がとても印象的だった上川周作さんが先生役で出ていて、なんだか嬉しかった。寺岡すごくよかったんですよね…穏やかな中に秘められた激情みたいなのが迸っていて。
スターキャッチという競技?はまったく知らなかったんですが、天体観測がこんなに青春とマッチするとは驚きです。望遠鏡を手作りして(びっくり)、星の位置を覚えて、望遠鏡をきびきび操作して目的の星を迅速に正確に捉える。かっこよくて興奮しました。
と、おおむね高評価だったのですが、なんか、脚本なのか演出なのか、私には合わなかった。特にラストにかけて、ちょっとドラマチックに盛り上げようとしすぎている感じがして、「ほーら、コロナに青春を奪われた若者たちの話だよ!泣けるでしょ!泣きなさい!」みたいな押しつけがましさを感じて。
おそらく原作はそうではないと思う。辻村深月はそういう安っぽい泣かせはやらないから。わりと淡々と描くのに、キャラクターとストーリーで感情が高ぶって自然と泣かされてしまうタイプの原作なはず。それを映画制作陣が、わかりやすい泣ける映画にしようとしたんでしょう。
なんか、原作の食材を使って、原作とは違う味付けをしちゃったなと…
そんなことしなくても、ストーリーがしっかりしてて、キャラクターがしっかり描けていれば、ちゃんと感動できるんですよ。
そこがどうしても気に食わなくて、星を減らしちゃいました。
映像の質感とかはとても好きだったんですけどね。
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