「愛すべきベンチと愛すべき人たち」アット・ザ・ベンチ たつのこさんの映画レビュー(感想・評価)
愛すべきベンチと愛すべき人たち
日々生活して行く中で慣れ親しんだ風景がいつの間にか変わっていたなんて事は良く有りますよね。好きだった場所でさえ暫くすると前に何があったかのかも忘れちゃったりして。
残して置きたい場所は誰しも持っているのではないでしょうか。
そんな場所の一つであろうある一つのベンチを舞台にした心温まる映画でした。
何気ない日常を語り会う幼なじみの2人の会話の中に見えるお互いに対する愛しい感情が温かいです。
別れ話をする2人におじさんが絡んでの会話はとにかく見事な構成で思わず微笑んでしまいます。
家出した姉と連れ戻そうとする妹の感情をむき出しにしてぶつかり合う様にはその根底にある愛が溢れて出ていて感動を覚えました。
市の職員に扮した宇宙人の会話にも人間社会への愛が垣間見えます。
1つのベンチだけでもこんなにも違う日常が広がっているんだと言うこと、そして登場する人たちがみな愛すべき人たちで懐かしく優しい気持ちになれました。
それぞれの話が甲乙つけがたい作品ばかりで、そして各話で登場する豪華キャスト陣が皆さん素晴らしい。
自分の大切な場所はたとえ無くなってしまっても、いつまでも心に留めて置きたいものです。
いい映画を見ました
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