「雲隠は全国名字ランキング第…」アンダーニンジャ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
雲隠は全国名字ランキング第…
原作コミックやアニメは人気らしいが、この実写映画は…。だって、監督はアイツだもん。
端から期待下げて見たのだが、その割には…。
福田の近年の作品ではまともな方。最もそれは元々のコミックの魅力によるだろう。(じゃあ、『聖☆おにいさん』は…? あれは福田がバカ色に染めてしまったから)
外国人にはワクワク、日本人にはツッコミ満載。もし、忍者が現代でも暗躍していたら…?
時々ある定番ネタだが、何だかんだ素直に面白味あり。
忍者組織“NIN”に属する主人公のニート忍者・雲隠に“忍務”が下される。戦後から長年地下に潜むと言われる忍者組織“アンダーニンジャ”=通称“UN”を探れというもの。情報を元に、その手掛かりとなる高校に潜入する…。
忍者は現代で言う所のスパイ。“忍務”アクションととんちんかんな学園ライフのニンジャ・エンターテイメント。
仲間も忍者、敵も忍者。忍者やくノ一の特性を活かしたキレのあるアクションがなかなか本格的。
白石麻衣vs岡山天音、宮世琉弥vs岡山天音もエキサイティング。
クライマックスの山﨑賢人vs山本千尋の“キングダム対決”は最大の見せ場。『キングダム』で鍛えられた山﨑クンもぶりっ子だけどターミネーターばりにタフな山本千尋に大苦戦…!
もっと真面目な忍者アクションかと思ったら、コメディ要素もかなり多い。ここ、結構賛否分かれてるようだが…。
また福田がバカ色に染めたか…と思ったが、原作も“シュール・コメディ”となっている。で、このコメディ要素も明暗分かれる。
原作に沿ったコメディシーンはきちんと笑えるのだ。木南晴夏演じる川戸さんの無理難題、山﨑クンのいい感じの脱力感。この世間知らずさは『ザ・ファブル』の佐藤くんや『ベイビーわるきゅーれ』の二人といい勝負。何故か名字にこだわる雲隠。沸騰ワードの名字研究の先生と珍しい名字トークで盛り上がれそう。
しかし、またまた福田がバカ色に染めると…。性懲りもなく撮影合間に撮ったような山﨑クンとムロツヨシの押入やり取りはクドくてうんざり。
まあ個人的には、浜辺美波のツンデレな久々のキュートなコメディエンヌぶり(『屍人荘の殺人』以来かな…?)を見れたのが良かった。あの全力ヘン顔…!
山本千尋も超絶鼻ほじ、白石麻衣のミニスカアクション。女優陣が良かったね。
上忍、下忍、忍務にあぶれたニートなどの忍者カースト。
忍者組織の陰謀。
岡山天音演じる抜け忍の残虐さ。
クライマックスは衛星絡む宇宙規模のスケールへ…。
クライマックス戦で主人公の九郎がまさかの死亡。ラストシーンに瓜二つの十郎が登場。Wikipediaでちょいと調べてみたら原作通りで、スマッシュヒットもしたし続編も作れそう。
本当に福田の作品ではまともな方。いつぞやの志村けんの人生を描いたSPTVドラマ以来かな。映画だといつ以来だ…?
まともにやればまともに出来る。
なのに、コイツはまた…。
年末に今度は『新解釈・幕末伝』。しかも、ムロツヨシと佐藤二朗のW主演で…。
ディープなファンが多い幕末の物語をまたバカ色に染めたら…。
『新解釈・三國志』の二の舞。
やめとけって。殺されるぞ、マジで!
ちなみに“雲隠”は全国名字ランキング不明でした…(>_<)