キラーヒート 殺意の交差のレビュー・感想・評価
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ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演作にしては微妙
後悔を忘れるため四六時中酔っぱらっている私立探偵が、ファムファタールの雰囲気を漂わせる美女から身内の不審死の調査を依頼される。いかにもフィルムノワールな設定だが、舞台が陽光のさんさんと降り注ぐギリシャのクレタ島というコントラストがちょっと面白い。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じる米国人私立探偵ニック・バリのモノローグがナレーション代わりになり、彼の思考や心情、事態の進行を語っていくのだが、前にもこういうのがあった気になり、思い当たったのは「シン・シティ 復讐の女神」。ゴードン=レヴィットがギャンブラー役で出演していたのを確認しただけで、観返してはいないものの、多分彼のモノローグもあったはず。記憶違いだったらごめんなさい。
ゴードン=レヴィットは結構出演作を選んでいる印象だったが、本作は割とありきたりなスリラーというか、新味がない。依頼主役のシャイリーン・ウッドリー、双子の兄弟を2役で演じたリチャード・マッデンの演技も悪くないのだが、脚本次第ではもっと面白くなった気もする。IMDBのユーザーレビューを眺めていて、「関係者全員がクレタでバケーションを過ごすための口実だったのだと思う」というコメントがあって笑った。
原作者の狙い
原作者ジョー・ネスボの狙いは、
太陽に向かって飛ぶイカロスよりも・・・、
はやい飛行機よりも、ゆっくりの船、
だったのではないだろうか。
どういう意味か。
70年代アメリカのハードボイルド探偵小説のような本作は、
現代において希少な試みと言える。
特に、安易な連続殺人のような展開を避け、
プロットを絞って演出や演技で魅せるという、
冗長性の高さを重視した手法は、
昨今の洋画、邦画、韓国、アジア、
いずれの映画界では見かけることが少なくなった。
この挑戦的な姿勢は評価に値する。
そういうチャレンジをしているならという前提で、
本作にはいくつかの疑問は残る。
中でも大きなものは、
ジョセフ・ゴードン=レヴィットのキャスティングだ。
彼は、酒に溺れるやさぐれた探偵役を演じているが、
どこか浮いたというか真面目な印象が拭えない。
彼の高い演技力にも関わらず、
キャラクターの魅力を引き出すには、
もう少し工夫が必要だったのではないだろうか。
例えば、
マーク・ウェブ監督のように、
細かい演出で、
レヴィットの引き出しを最大限に活用したり、
クリストファー・ノーラン監督のように、
言葉少なに硬いキャラクターを演じさせたり、
様々な可能性があったはずだ。
特に、船上で地元の漁師と酒を飲むシーンは象徴的だ。
レヴィットは、誘われて飲み始めるものの、
どこか場違いな雰囲気を醸し出している。
このシーンは、
彼のキャラクターが周囲の人々と上手く溶け込めていないことを如実に表している。
そういう意味のシーンでもあるだろう。
しかし、
もし、ジェフ・ブリッジスが「ビッグ・リボウスキ」で演じたような、
どこか抜けた魅力のある探偵や、
あるいはエリオット・グールド、松田優作のような地元の人々と自然に馴染み、
より説得力のあるキャラクター造形をしていれば・・・(可能だったはずだ)。
ミスキャストと言うよりは、
レヴィットの演技力を最大限に引き出すことができなかったという表現が適切かもしれない。
冗長性と探偵映画は、一見すると相性の悪い組み合わせに思える。
しかし、「ロング・グッドバイ」や「ビッグ・リボウスキ」といった作品は、
そのゆるゆるな緩やかなテンポと魅力的なキャラクターによって多くの観客を魅了してきた。
本作も、そういった作品に影響を受けていることは間違いないだろう。
本作は、現代の観客に、かつてのハードボイルド探偵小説の魅力を再発見させる可能性を秘めている。
しかし、もう少しキャラクターの掘り下げや、
俳優の個性を生かした演出が必要だったように思う。
【蛇足】
冗長性の高さはコメディ作品とは相性はいい。
三谷幸喜氏がやりたいのは、
そういう作品だろう。
ビリー・ワイルダーや、
エルンスト・ルビッチ、
日本で言うと重喜劇とよばれた作品群や、
寅さんのような・・・
しかし、今ではもう、絶滅危惧種だ。
久しぶりのジョセフ・ゴードン=レヴィット主演映画
ギリシャクレタ島で繰り広げられる探偵ミステリーもの。
久しぶりにジョセフ・ゴードン=レヴィット主演作品を観ました。
まず第一の感想は景色がいいですねー。
全体的に淡々と進みミステリーの仕掛けも想像通り。
最初の方はそんなに人が死ななかったけど
ラストに近づけば簡単に人が死んじゃった。
まあサクッと観るぶんにはいいじゃなですか。
リチャード・マッデンを無駄使い!?
新作の映画で期待が大きかった為か…
私立探偵ジョセフ・ゴードンの探偵として際立つ特徴もなく、自己の反省経験を事件のとの関わりの中で解決する方策を練っていると云うような!?深みのない演技としか感じなく…途中飛ばしてラストを観て……やっぱりと、期待ハズレだった。リチャード・マッデンが探偵役にあっていたかも。勿体ない役どころに思えた。
ニューヨークで離婚した男(ジョセフ・ゴードン=レビット)は、傷心か...
ニューヨークで離婚した男(ジョセフ・ゴードン=レビット)は、傷心から立ち直りを目指してギリシャにきて探偵業を営んでいた。
ある島の大富豪の家族(シャイリーン・ウッドリー)から、事故死した家族の真相解明の依頼があった。
双子の兄弟の一人が転落死したのだが、技量から考えて不自然だった。
一応、ミステリー仕立てで、地中海の景色が美しい。
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