「出てくる役者が全部いい! 珠玉の演技のぶつかり合いからまったく目が離せない」金子差入店 Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)
出てくる役者が全部いい! 珠玉の演技のぶつかり合いからまったく目が離せない
そもそも「差入屋」なんていう商売があることを、これまで生きてきてついぞ知らなかったが、「犯罪者への支援」という側面だけに焦点を当て、犯罪者であっても基本的人権を有するといったことは全く無視して、偏見を持って白い目を向ける人々が決して少なくないことは想像に難くない。
絶望の淵に立つ人に手を差し伸べる救済は間違っているのだろうか?「被害者家族の気持ちになれ」的なことをよく耳にするがいきなり加害者家族にさせられた方の気持ちはどうなのか?坊主憎けりゃ袈裟まで憎いみたいな反応が多すぎないか?
正義とはいったい何なのか?権利を履き違え声高に度を越した要求をすることは正義なのか悪なのか?
善意と悪意の境界線がどんどん曖昧になっている時代。
そこに「家族」の問題が絡むとより自体は複雑になる。子どもに一生懸命教育の機会を与えようとしているだけの親に「教育虐待」ということばを投げかける人もいる。自分の子どもを守ろうとすることが他人の目には脅威に映ることもある。
そう言えば小学校に大人が乗り込んで行った事件の記憶もまだ新しい。
何か一つの価値観で決めつけるのではなく、余白のあるものの見方・考え方で柔軟に対応していくことの難しさと大切さを教えてくれる作品だ。
なお、自分は当初、真木よう子目当てで行ったのだが、観ていると出てくる役者が全部いい! 珠玉の演技のぶつかり合いからまったく目が離せない。
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