「普通に面白かった」劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折 ANさんの映画レビュー(感想・評価)
普通に面白かった
『呪術廻戦 懐玉・玉折』総集編(劇場上映)感想/アニメ勢から
完全アニメ勢だけど、今回の総集編はとても丁寧にまとめられていて、改めて2人の物語の重さを感じられる内容でした。
五条と夏油は、多分“同じ思い”で戦っていたし、互いが隣にいることを疑っていなかった。
最強で、対等で、ずっとこのままだと思っていたんだろうなと。
けれど、少しずつ価値観のズレが生まれてくる。
「才能」と「正しさ」、呪術師としての“理想”と“現実”、
そして呪や非人間に対する“ほんのわずかな感覚の差”──
そうしたズレが、やがて大きな決定的な亀裂になっていく。
かつて五条に「そうであるべきだ」と言っていたのは夏油だったのに、
物語の終盤では、2人の立場も、言葉も、逆転しているように見えて、苦しかったです。
本当は、どこかで引き戻せたかもしれない。
でも、夏油は内に抱え込んでしまい、五条は信頼していたからこそ、その変化に気づけなかった。
“信頼”が、時に真実を覆い隠してしまうこともあるんだと感じました。
そして、沢山の死を目の前にして、
彼の中で守ってきた“定義”や“ルール”が崩れ落ちたこと。
それでも彼を見送るしかなかった五条の姿が、痛々しくてやるせなかった。
本来、大人が止めるべきだった。導く人が必要だった。けれど力と彼らに身に纏う世界と責任が大きすぎた。それは誰にも果たせなかった。
今、五条は“導く側”になって、生徒たちの前に立っているけど、
彼らもまた、因縁を背負った子たちばかり。
過去に自分たちがわからなかったことを、
今度こそ誰かに届くように伝えられるのか。
物語の続きを観るのが、こわくて、でも待ち遠しいです。
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