サンセット・サンライズのレビュー・感想・評価
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クドカンらしさ少なめ。ところどころの台詞が⭕️
東北人って
ここ天国っすか〜???
いやぁ、多幸感。たまらん。
「グランメゾン・パリ」「劇映画 孤独のグルメ」に続き、またもや食欲増進映画。あぁ、腹減る。美味しいって何よりも幸せなんだなぁ。外でご飯を食べるのは勿体ないし、適当にチャチャっと済ませようってのがこれまでの考えだったけど、ここ1週間で考え方がガラッと変わった。一食一食を大切にしよう。
魚は刺身で食べることが8割以上を占めているけど、こうして煮付けだったりカルパッチョだったりで食べるのも最高だね。いいなぁ、採れたてで新鮮なカレイやタコ...。釣りしてみたい、魚捌けるようになりたい...。
菅田将暉が最高にハマり役。
最近変な役ばっかりやるから忘れてたけど、この人はキャラクターを演じること以上に、ごく普通の一般人がめちゃくちゃにいいんだよね。そうそう、こういう将暉が見たかった。ちょっと空気の読めない能天気でお気楽な男だけど、どこか憎めない可愛らしさがある、魅力たっぷりの東京人。これは愛されるし、愛したくなるよ。
大物を釣ったり、市場で安い牡蠣を見つけたり、美味しそうな料理を目の前にしたりした時の表情が、ほっぺた零れ落ちそうなほど幸せそうで、見ていてついつい笑顔になっちゃう。殺気立った男共を諸共せず万遍の笑み。くぅぅ、そんな表情しないでくれぇぇ、腹が減るだろぉぉぉ。。。
自由気ままなスローライフ。まるで実写版どうぶつの森のような温かい雰囲気に心が癒される。そんな中でも、コロナや東日本大震災、地方の過疎化問題などの強烈な時事ネタをぶっ込む、近年のクドカン節は本作でも健在。ただこれが上手いことハマっておらず、原作未読なので実際はどう展開されているのか分からないけど、正直なところやり過ぎかなと思ってしまう。
2時間越えというそこそこの長尺だけど、これらのテーマを一同にかき集めて1本の映画にまとめるのは難題。それでも最後は上手く締めくくれたなとは思ったけど、せっかくの雰囲気がぶち壊し、コメディとシリアスのバランスがなっておらず、居心地の悪いシーンが幾つか出てしまっていた。
登場人物に関しても、演じている役者はすごくいいし、前述の美味しい料理を目の前にするあの下りは最高に幸せな気持ちになれたんだけど、中盤の昼食を取っているシーンやラストの芋煮のシーンなんかはすごーく嫌な感じで、なんか勿体ないなーと思っちゃった。そんなことわざわざ言わなくていいのに。何が先に進めないだよ。干渉のしすぎは気味悪いよ。
それでも竹原ピストルが最高すぎる。どんなにやな感じでも愛くるしい。本業歌手だよね??なんで叫ぶだけでこんなに面白いんだよ。男臭さがたまらない。東京の釣りバカ社員にぃー!?!?のあのシーンが大好き笑笑笑笑 この人のおかげでいい映画になっている感じすごいするよね笑笑
気になるところはいくつかあったけど、楽しそうな俳優陣、美味しそうなご飯、ほっこり温まる空気感に心身ともに癒される、至福の139分間でした。興行的には厳しいかもだけど、こういう映画は大好物。グルメ映画の過剰摂取により、空腹が収まりません。
お腹が空く邦画 第3弾
全国8000万の菅田将暉ファンの皆様、大事なお知らせが2つ程、あります。
良い知らせと、悪い知らせの2つ、ございます。
まずは、良いお知らせのほうから。
日アカ最優秀受賞以降のここ数年、
菅田将暉は、作品運にあまり恵まれない印象が、
続いたように、個人的には感じていましたが、
久しぶりに作品運に恵まれたと、鑑賞後に確信しました。
ご安心ください。これは、当たり作品です。
次は、悪いお知らせのほうです。
「ミステリと言う勿れ」、「Cloud クラウド」に続き、
今作品で、菅田将暉主演作を、公開1週目に観たのは3度目ですが、
3作品とも、近くに座った40代くらいのオバさん二人連れに、
上映中「お喋り攻撃」を食らって、集中力を欠きイライラしてしまいました。
普段から、映画館に足繫く通うタイプの観客では、無かったのでしょう。
映画館のルールに精通されてないファンが、菅田主演作の1週目には、
個人的体験としてですが、ほぼ間違いなく、います。
不愉快な体験になります。警戒してください。
ただ、そういう、ライト層とでも呼ぶべき映画館にあまり来ないであろうファンを、
劇場に連れて来てしまう菅田将暉の求心力は、決して悪い事だけではありません。
長い目で見れば、きっと良い事になるはずです。
なので、私はピーチクパーチク煩かった、あのオバさん達を、許します。
ストーリーは、コロナ禍において、リモートワークの時運に便乗し、
田舎暮らしを始めるサラリーマン青年と、田舎の地元住民らとの交流のお話。
主人公は、釣り三昧、郷土料理三昧の日々で、徐々に地元民とも触れ合い、
充実したリモートワークと、自然あふれるライフワークを謳歌し、
田舎の「陽」の部分を、存分に味わうのだけれども、
田舎の、とりわけ3.11を経験した東北の「陰」の部分も、徐々にわかってきて、
その陰の人間関係に、巻き込まれていくという展開に。
私も田舎出身者で、都内の大学に進学、就職し数年後、
1年だけ田舎に戻り、再就職した経験があり(今は都会に再移動)、
共感する部分が多々あった。
作品の中では、「陽」のシーンが、私のそれに比べ、かなり多く感じた。
実際の、というか、個人的体験談としての田舎暮らしは、大半が「陰」の部分だった。
しがらみに雁字搦めになるのは、日常茶飯事。
ご近所づきあいや相互監視の目など、面倒な事が多々ある。
他の映画で例をあげるならば、藤井道人の「ヴィレッジ」で描かれるような、
信じられないような鬱屈さや面倒臭さを、田舎というのは本質的に持っている。
あと、経済的に田舎は、私の場合、半島地域で経済が回っていないせいもあろうが、
どんよりと平均的に「貧しい」。
地域によっては、役場の公務員勤めが、階級的に上流だったりする。いや、マジで。
釣り三昧の生活は同じ位できるけれど。
映画の主人公は、生ガキ三昧で楽しそうだったが、
美味いモノは基本、観光地料金で提供され、
地元民は、都会人のイメージほどは安くはない食材を、
市場ではなく、スーパーで手に入れる。
どちらかというと、井上真央の同僚役だった、池脇千鶴の主張と同意見の感想だ。
そして、中盤辺りから、話の中核として出てくる、空家問題のお話。
これは本当に切実な問題だ。
私の田舎再就職時にも、空家問題を実感した経験はいくつかある。
顧客の1人に、6DKの築60年の家に住む、一人暮らしのおばあちゃんがいた。
主人公菅田将暉の、隣家のおばあちゃんとの交流のシーンと同じ出来事を、私も経験した。
なんでこんな素晴らしい家があるのに、素敵なおばあちゃんがいるのに、
誰も帰ってこないんだ!?と、当時は思った。
私のそのおばあちゃんは、亡くなって数日後に発見された。
そんな孤独死を、たった1年の間に、何度も経験した。
そんな田舎暮らしの中で、一番切ない個人的体験は、
葬儀屋の会場案内の看板が、毎日のように電柱に立てられるのを、眺める事だった。
あれは本当に、切ない。過疎地域の日常の光景である。
映画の方は、また違った角度で、3.11経験地域ならではの、
切ないエピソードが、終盤に用意されている。
是非、劇場に行って、主人公が感じた切ない思いを追経験して欲しい。
1月早々、賞レース候補の作品を観ることができた。
今年の映画界も、楽しみな1年になりそう。
菅田将暉は絵心もあるんですね、驚きました。
まとまりの良い、よくできた作品だと思います。
喜怒哀楽もきちんと散りばめられているし、主張したいところは、じっくり魅せているため、動と静の乙張が、宮藤官九郎の脚本にしてはあります。
ちなみに映画の彼は、詰め込みすぎて、芋煮ならぬごった煮にしてしまい、テレビドラマほど良さは見られないのですが、本作は概ね悪癖が見られませんでした。
しかし、ひとつ、不満点は、あのラスト、他に持っていきようがなかったのか?
まあ、これは宮藤官九郎の範疇ではなく、監督編集の岸さんのそれなのかもしれませんが、こういう日常を画いた作品は終わらせ方が大事だと常々思っていて、サプライズじゃなくて日常の延長線上のそれが観たかったですね。
パーフェクト感動+爆笑
知らないことは怖さであり、それはイメージになる
2025年劇場鑑賞5本目 優秀作 74点
半年近く前から菅田将暉主演でコメディ感ある特報と共に、盤石な彼が作品を選べる立場ながら出演を決めた位には秀逸な作品なのだと期待を膨らませて公開の日まで楽しみにしていた作品
個人的には菅田将暉の集大成とも取れるほど、今までの彼の特色を総合的にレベルアップされたような、新たな代表作が生まれた瞬間だと感じた
家賃6万という都会住みの人からしたら事故物件なのでは無いのかと疑ってしまう認識の違いと知識不足が菅田将暉と井上真央お互いのチャットでのやり取りや出会いの第一印象から露わになっており、菅田将暉の若者都民のSNS紛いの構文に対する、年代や感覚、環境のギャップを感じ不信に思うも、悪意ある悪気では無いのだと容認し、社会情勢を鑑みながら受け入れる姿勢を持っていた井上真央は物語冒頭から今作のテーマを先に体現していたように見える
彼も彼なりに都会の淡白さというかどこか拭えない寂しさのようなものから、大地から伝わる人と街の温もりのようなものを求めるようになり、コロナ禍でリモート業務をいいように地方移住を試みるのも頷ける
チャットの文面や初対面の言動、思い立ったら飛んできたり、人目を盗んで沖へ釣具を担いでいくなど、どこかで何度も見たような菅田将暉の飄々さというか、地に足がついていない感じが、多く出演作を鑑賞してきた人はもれなく早速に心を掴まれる
次第に道中で顔を合わせることが増えたおばあちゃんや魚を酒に変えてくれる居酒屋にいる店主と常連3人、近所のおじさんや井上真央と亡き旦那(?)の親父など、この街に住む人達からすると得体の知れない、流行りの病が集中していると言われている東京から身を弁えず現れた人物に良い思いをする人は勿論おらず、煙たがられるも、直接的に多くかかわらなくても彼の素行含め行動を日常といして散見するにつれて、彼の人柄もあってか次第に受け入れられていく
これはこの街の人々の寛大さがあってのことは勿論だが、町おこしの意味も作品が進行するにつれてそれを意識していることが同時に描かれていことから溶け込んでいく
これも冒頭の彼の飄々さに加え人たらし感が今まで菅田将暉が演じてきた人物像に通じるらしさが伝わる
居酒屋の常連3人のファンクラブ(?)や職場の同僚の女性のおかげもあってか、井上真央のアイドル感が顕著で、一層お顔が可愛く美しく見えたのは勿論、所作や言葉の節々の品性など、作った男受けのようなものでなく、若くから美人ゆえに形成されたであろう美女の雰囲気がこれ演技なんだったよな、そうにしか見えないなぁと感心し、マスクを外しスローモーションに流れる菅田将暉の眼差しは言わずもがな説得力のある感情表現でした
上映時間約2時間20分と長編であるが、昨今の言語化された事象をふんだんに盛り込んでいて、まとまりきらない部分も多少あるにはあるが、良い締めくくりと深みのあるドラマに見応えと感動がありました
どうやら興行がふるわなかったそうで、個人的には綺麗はお顔でマルチに活躍しており、キムタク、小栗旬、の次の世代を代表する筆頭俳優だと思っているし、この認識はとりわけ外れていないと思うが、菅田将暉が意外とアイドル的な人気がないのか、はたまた今作の予告や売り込みが現代ニーズにそぐわなかったのか、映画ファンは高評価もその域を越えマス層にまでは響かなかったのが、今作の出来に感動している身からすると大変残念でならない
是非
前へ進め。
予告編だけではクドカンテイストがピンとこない。楡周平原作、宮藤官九郎脚本の作品。原作ものなので芸風を発揮して、そう派手に逸脱は出来ないだろうと想像。楡周平もスリラー&ハードボイルドの作品群のイメージだったが、この作品は<震災10年後>の三陸を舞台にしたもの。もちろん震災と津波の被害で、大事なものや人を喪失した傷を残しているストーリーだ(主人公が思いを寄せる女性は津波で夫と二人の子供を失っている)。となると、楡が岩手県一関市出身という因縁。宮藤の大ブームとなった朝ドラ「あまちゃん」の因縁。それぞれの作者における<その後>を清算しようということだろう。
まさに舞台はコロナ発生から収束までの三陸に生きる人々の、ディザスターまみれの日本を見つめるものになっている。
井上真央と中村雅俊が最高
前情報なく観ました。釣りバカ日誌的な感じを期待して。
そしたら、とりあえず、井上真央!!めちゃくちゃ良かった。
とにかくそれがよかった。
中村雅俊も渋くて、あったかくて、最高。あと菅田将暉と仲良くなるお隣のおばあちゃんも最高でした。
東北の海とか山とか景色の美しさも映画で観れてよかったです!エンディングの余韻と美しい海も。
居酒屋の常連みんなでわちゃわちゃするのが、クドカンのドラマっぽいな〜って感じで、ちょっとマイナス。竹原ピストルと三宅くんのキレどころに共感少なめでちょっとマイナス。竹原ピストルの歌は最高。クマがドッキリなのかガチなのか疑問になっちゃったのもちょいマイナス。コメディなのにごちゃごちゃ言うなよ!自分!!
社長の秘書が素敵過ぎてちょっとプラス。中盤の空き家解決編がなんとなく退屈ちょいマイナス。
エンディングの菅田将暉達の結論が新しくて最高でめちゃプラス。自分達のやりたいように生きるんで!ほっといてもらって大丈夫!
色んな偏見、先入観、同調圧力へのアンチ映画でした!それを説教くさくなく、楽しく、ゆるくみせてくれる素敵な映画でした!
菅田将暉と井上真央、良かった〜😃
震災復興、都会と地方のギャップ、素敵なラブコメディに様々な人間模様と社会問題が織り交ぜられた快作❣️
宮藤官九郎の脚本は勿論素晴らしいんだけど、菅田将暉と井上真央も最高😆
いや〜新年早々めっちゃ良い映画観させてもらいました〜💕
違う出汁も入っちゃってますねw
釣り好き若者の移住話かと思ったら、もっと深いイイ話でした
東北に行きたくなった
だれが映像の力を信じているのか問題
テレビマンユニオン制作の映画である。
大昔、日本がイケイケのバブルに沸いた時代にメディア周辺で仕事をしていた新人の目には、同社はTV局と広告代理店とスポンサーの間でお金の話が乱れ飛ぶ中で真摯に(しかし権限はなく)仕事をしておられる立場の企業と見えた。
あれから40年。大手メディアの凋落は止まらず、社会の公器としての気概などどこかへ置き忘れたかのような有様を目にして愕然としている今日この頃、この映画をテレビマンユニオンが制作したことに爽やかな風を感じている。
宮藤官九郎の脚本には、震災後の東北を扱うにあたってNHKの『あまちゃん』の時と同じく、津波にのまれた現地の様子などは一切表現されない。ヒロイン百香の身に何が起こったのかも、近しい人たちは軽々に口にしない。本当に辛い思いをした人たちとは、そういうものなのだというリアル感があった。
終盤に、亡くした家族が残した音声をひとり自動車の中で百香(井上真央)が聞くシーンがあった。ここから印象的なBGMへとつながる展開には泣かされた。また、エンドロールにずっとさざ波の音が流されていたのも憎い演出だった。日本版『マンチェスター・バイ・ザ・シー』かな。
物語は、ちょっといろいろうまく行き過ぎていて、「そんなわけないでしょ」と突っ込みを入れたくなるけれど、そんな奇跡もあって欲しいと願う観客の思いに応えてくれるものだった。
テレビの制作現場を支えた人たちが、局の顔色をうかがわなくても仕事ができる時代が到来しつつあるのだとしたら、本当に映像の力で世の中を良くしたいと思ってきたのは誰だったのか。答えが出つつあるのではないかと思った作品。爽やかだった。
最高の空き家対策
この映画を観たらみんな三陸へ行きたくなってしまう。
魚苦手だけど晩御飯食べる前に観たからおもてなしハラスメントのシーンでやられてしまった。
冒頭のかつらのシーンで、あ、笑いのセンスないなって。
宮藤官九郎の脚本と岸監督の演出は合ってないというか、もっと笑えるところは笑えるし、泣けるところは泣けるでしょう。敢えて抑えていたのかな。
井上真央ちゃんは幸せを祈る会ができてもおかしくないほど魅力的だったけど、菅田将暉がももちゃんを恋愛の対象として惹かれていくところや、離れてからお互いへの思いが募っていく過程がしっかりと描かれていないからせっかくのラストのいいシーンがあまりにも唐突。
ひとつひとつのシーンが長い。見せたいのはわかるけどもっとテンポよくしたほうがよかったかな。
「こ、」「け、」で通じるんですよ。
サンライズサンセットでなく、サンセットサンライズなのがいいですね。主題歌が耳に残ります。
岸善幸さんは町長選挙落選したんですね。
地元自慢にもほどがある(笑)
宮城県出身の脚本『宮藤官九郎』と
山形県出身の監督『岸善幸』がタッグを組み、
岩手県出身の作家『楡周平』の原作を
手際良く料理。
が、本作には、お国自慢と共に、
東北六県の都会に対してのルサンチマンにも満ちている。
ましてや舞台となるのは
「3.11」で甚大な被害に遭った宮城県南三陸。
そこに住まう人の一筋縄では行かぬ思いを
登場人物の科白に仮託し、存分に語らせもする
(もっとも彼らに言わせれば、
それでも伝え足りないかもだが・・・・)。
物語りそのものは
コメディタッチの{ボーイ・ミーツ・ガール}。
町役場の「空き家対策担当」に任命された『関野百香(井上真央)』が、
先ずは自分から、と所有する空き家の情報をNetに登録、
それを見たベンチャー企業の社員『西尾晋作(菅田将暉)』が応募してきたことから起きる騒動の顛末。
コロナ禍での「緊急事態宣言」が発令された2020年から物語りを始めるのがミソ。
当時は活動自粛やロックダウンと、
右肩上がりの感染患者数が公表されるたびに戦々恐々。
二週間の隔離期間や2m以上のソーシャルディスタンスは、
今となっては狂騒曲も、当時は他人に対する不寛容さも相まって
目を血走らせ取り組んでいた。
それらも制作陣の手に掛かると、
ユーモアーの要素として取り込まれる。
都会の生活に閉塞感を感じ、
この機会にテレワークをしだした『晋作』にとって、
南三陸は理想の土地。
趣味の釣りは勿論、豊穣の海から捕れる海産物にも舌鼓。
出てくる料理の数々はなんとも旨そう。
食レポをする主人公の科白を聞くたびに
実際に食べてみたい欲が漲って来る。
その一方で、田舎らしい面倒な近所づきあいにも直面。
あることないこと
町中にあっという間に広がる濃密な人間関係。
口さがない世間は、とりわけ
よそ者に対しては好奇以上の目を向ける。
もっともイノベーションを起こすのは
よそ者・若者・バカ者だと言う。
そのうちの二つを兼ね備える主人公が
町政の課題に対してのカウンターを出すのは
なんとも示唆的。
とは言え、「空き家問題」は公共インフラの維持とも密接に関係し、
本作での解決策がベストかと言えば、
あくまでもファンタジーとして見た方が良さそう。
なまじ彼女の過去を知悉しているだけに、
マドンナに対し四すくみになっている地元民を尻目に、
頓着無い態度で、しかし土地への想いを臆面もなく表に出すよそ者が
かっさらって行くのは、
痛快とは言えぬ。
が、これが地元に染まるイニシエーションとすれば、
納得の展開と言えなくもない。
マスクを外した『百香』の顔に『晋作』が見惚れるのは、
〔三つ数えろ(1946年)〕の『ローレン・バコール』や
〔白い恐怖(1945年)〕の『イングリッド・バーグマン』の
「眼鏡を外したら、とんでもない美人」の援用か。
先の二作は何れも{サスペンス}も、{ラブコメ}とも相性が良いのは、
少女漫画で証明済。
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