サンセット・サンライズのレビュー・感想・評価
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芋煮会
クドカン
とは相性が悪い。
妻に観たいと言われて安請け合いしたものの、始めに名前を見て終わった…と思った。
また、あの悪ふざけを延々と見せられるのかと天を仰いだ。
しかし、意外にもクドカンテイストは極めて控えめで、涙さえしてしまった。
コロナ初期の東北の状況を極めて的確にかつ適度にユーモラスに描いていて感服した。
震災当時は福島にいた。
福島のメインは原発でかすり傷程度でも大騒ぎする様に辟易し、震災関連業務で岩手に移った。
岩手は津波被害メインだったが、その様子は福島とは全く異なった。
人的被害を考えれば岩手、宮城の方が遥かに甚大なのに、
静かにじっと耐えるその姿には胸が締め付けられ心が痛んだ。
本作でもその様子が見事に表現されており、何気ないシーンに涙が溢れた。
笑えるシーンもあったが、あくまでメインを引き立てるエッセンスとして深みを持たせていた。
久々に岩手沿岸部で働いていた時の感覚を思い出した。
偏見をクドカンに伏してお詫びしたい。
ちなみに芋煮は醤油ベースに牛肉、しめじでなく舞茸!!!!!!!
世の情勢は日々変わる、立ち位置は皆違う。
震災、コロナ、地域性。3つのウッ、となる要素が軽やかに描かれている本作。
あらすじは、コロナ禍によりリモートワークになった釣り好きの西尾が、三陸に移住し地域の住民と関わっていくヒューマンドラマ。私も地元は埼玉でしがらみなく呑気に生き、憧れて石垣や沖縄で暮らした経験があるからそこわかる、よく言えばアットホーム、なんとも言えぬ地域の閉塞感。
一口で言ってしまえばそうなのだが、痺れるのは東北勢の叫び、祈りともとれる言葉、それ以外の地域の人の戸惑い。そして、そんなことよりも好きになるということの熱量。なんというか、じんわりほっこりきます。
笑える箇所は多くて、こういうクスリと笑える映画こそ映画館で見て、この映画に興味を持った他人の皆さんと仲間のような気持ちで観るのが楽しかったりする。笑
どんな辛い状況に置かれても、人に優しく、たくましく我慢強く生きることに、美しさを感じました。
そんで原作読みたくなったので視聴後購入。それも踏まえてレビュー書き直します。
全員しあわせになあれ!
近過去のお話
物語は2020年1月のダイヤモンド・プリンセス号の映像から始まります。要するに日本が本格的に「コロナ禍」に見舞われる頃ですが、たった5年前なんですね。しかしこの5年はその人その人にとってめちゃ長かった5年でしょう。コロナが5類になったのが2023年5月なので、3年4ヶ月の間感染に気をつけて・・・っていうか、正直言えば最初の1年ほどがめちゃ神経質になっていたような気がします。もちろん現在でもコロナ感染する人はいますし、私の回りでも2024年1月の時点でコロナ感染者がいました。
現在でもインフルエンザを含め、感染症対策を行っている人も大勢いるのであまり笑うこともできませんが、物語の始まりは東京から来た主人公に対し、宮城の海辺の町に住むヒロインを含む人々は「よそ者」に対するバリケードが非常に強かったことが笑えるようになればいいと思います。後の時代に生きる人に「他府県ナンバーの車に対してめちゃ攻撃的だった」なんて話が「なにそれ」なんて笑われるようになればいいですね。
舞台の宮城県ではコロナ禍の前の「東日本大震災」の爪痕がまだまだ残っていますし、ヒロインは自分の大切な人たちを亡くしてからまだ9年しか経っていないというところもこの作品を見る上での必要なことかもしれません。
ヒロインを取り巻く面々はクセが強いんだけど、基本的にはみんな優しい人たちで「被災地」と「非被災地」の温度差もテーマになっています。クドカンの脚本は相変わらずクドいですが、宮城県出身の彼にしか書けない脚本だと思いました。
菅田将暉はさすがだが、もったいない作品
この作品はコロナ禍の東北が舞台。震災後の空き家問題がテーマ。
コロナ禍、震災後の空き家問題も難しく考えずに明るく考えましょうがこの作品で言いたかった事なのでは。
菅田将暉はさすが。まさか、中村雅俊が出演するとは思わなかった。
ただ、この作品はもったいない。まず、時間が長すぎる。もう少し時間はコンパクトにできるはず。もう一つは特に前半のストーリーで感じたが話が軽すぎる。脚本がクドカンにしても軽すぎる。
監督・脚本・キャスト、良いところ全て出てる
岸善幸×宮藤官九郎×菅田将暉、大成功じゃん…!!!たぶん、岸監督の良いところもクドカンの良いところも菅田将暉の良いところも全て出ていて…上手く混ざり合いこの傑作誕生に行き着いていた。岸監督の描く人物は暗くても明るくても、何かやっぱりちゃんと人間らしさのある血の通ってる人物になってて、一人ひとり目で追ってしまうところがある。クドカンは私の中で勝手に、本当勝手だけどA面(池袋・木更津・ゆとりなど)とB面(あまちゃん・季節のない街・GOなど)あるなあと思ってて、今回の作品はB面かなと思った。どっちもすっごい大好きなんだけどね。今回の作品良かったよ…!!この内容を脚本にしてくれたのがクドカンで良かったなぁと。私のような人間でも分からないようで分かるし、観れて良かったと思えた。コロナや震災の事を描くのって超難しいだろうに。原作は未読ですが、映画、良かった。
菅田将暉も。偉そうな事言えないけど、役者さんって、暗い役・影のある役のほうが比較的演技力に関わらず上手く見えるイメージがあり、真逆の明るい役や天真爛漫な役って演技力がむちゃくちゃ問われるというか、浮き彫りになっちゃう感じがするんだけど…菅田将暉はほんと上手いよね…!底抜けに明るい役上手い。んで何が上手いって、今回のような、明るいんだけど、明るいだけの人間では無いんだよという役どころ演じるの上手いというか、それを演じてるの見るのがもうむっちゃ好き。
キャストも全員良かった。井上真央と中村雅俊始めとして、全員現地の人過ぎた。動き・見た目・方言…ずっとこの地に生きてきた人達なんだろうと。包丁さばきもね…菅田将暉も上手かったけど、井上真央の包丁さばきが凄過ぎて、割とカッとなって喋るシーンでも怒涛の包丁さばきで一瞬頭が混乱した。生まれつきなの?とも。包丁さばきも含めて飯テロ映画でもあります。海鮮最高だねえ。中村雅俊はめちゃくちゃかっこよかったよ…漁師役の中でも父ちゃん役の中でも…割とトップレベルで心に残る。あと私こんなに中村雅俊かっこいいと思った事無かった(世代もある)。オリジナル関野さん。
モモちゃんの幸せを祈る会の竹原ピストル・山本浩司・三宅健・好井まさおも…!!役者業ももう勿論文句無しなんだけど、原点に帰ってみて、元々歌手だのアイドルだの芸人だのの人達の所業だと思えないよ。映画やドラマに出て来る、妙に仲の良い3〜4人のグループって結構好きなんだけど、この4人も最初見た瞬間から息ぴったりで人間らしさもじわじわ滲み出てて、速攻でファンになった笑。結局めちゃ良い人達だし。池脇千鶴も良かったなぁ…そこのみにての姉弟だったもんなぁ菅田と。映画ファン皆思ったとおもうけど感慨深い〜〜。
もうこのメンバーであまちゃん2的なもの撮れるね。なんかこの2時間で終わらせるの勿体無い感じまでしちゃう。皆んなの今後を見てたいなと思った。
本当に考えられないくらい辛い出来事が根底にあるなかでの、人間ドラマ、人々の辛さ・優しさ、笑いなど見せてくれて、私のような人間じゃこの作品の真の魅力は語れないし語っていいのかも分かんないけど、傑作でした。
心がとてもあったまったけど寒かったので、この日の夜ごはんは芋煮作って食べたよ。今度南三陸行かなくちゃ◎
笑い多めの意味
正直、全然期待してなかった。
主演菅田将暉の使い方も釣り○○日記のような偏った一定数の方にウケる作品に出演するのか…なんて思ってた。
だが意外と面白い!冒頭から結構笑えるし、なんと言っても演者の方言のリアリティがすごい。
東京に生まれ育った私としては『え?今なんて?』って思う程。
三宅健に至っては田舎ヤンキーが板につき過ぎるくらいだったし、他所から入ってくる晋作への洗礼とも言える【旨いもの攻撃】は爆笑したと共に昼を跨いで鑑賞していた事もあってかお腹空きまくり笑
一つ言いたいことがあるとすれば井上真央演じるももかを好きになる心情が一目惚れから急激に高まり過ぎてて違和感あったのが残念すぎた。
もう少し、彼女の心に寄り添う晋作を見てみたかった。
今回、鑑賞した人のほとんどが経験した自然災害と感染症による大混乱。
経験したからこそ感じるあの時の感情や怒り、もどかしさ。
東京で育っている私が感じた地方と東京の感覚…色んな事を思い出したし、それは楽しいものではまるでなかった。
しかしその中でも希望は捨てなかったし、東日本大震災で2歳だった我が子がコロナ禍で小学校卒業したり来年度は受験生ななるなど沢山の希望を見せてもらった。
きっとこの作品を見た多くの人がそんな年月を過ごしてきただろうと思うとこの作品が笑い多めで作られた事にも大きな意味があるんじゃないかと思った。
都会で過ごす子供達と少しずつ疎遠になってしまった中で亡くなった方もやはり多いと思う。
忘れかけていた気持ちを思い出し、いつかまた訪れるかも知れない災害に備え、次はどう立ち向かえば格差を生まなくて済むのかなど考えることも大切なんじゃないかと思わせてくれるそんな作品だと思う。
空家と家族の再生物語
予告から、のんびり楽しい田舎暮らしが描かれることを期待して、公開初日に鑑賞してきました。確かに序盤はそんな感じでしたが、思ったより重いテーマを含んだ作品でした。
ストーリーは、新型コロナが社会に大きな影響を及ぼした2020年、南三陸の町役場に勤める関野百香が、所有する空家の借り手を募集したところ、東京の大企業に勤める釣り好きのサラリーマン・西尾晋作が内見に押しかけて来て、その勢いのまま始まった移住生活の中で、晋作が地元住民としだいに交流を深めていく姿を描くというもの。
新型コロナに日本中が恐怖した頃の東北で、東京からの移住者に対して地元住民が神経質すぎるほどの警戒ぶりを見せる姿が、今となっては懐かしく感じます。あの頃は未知の感染症に対する恐怖で、互いに疑心暗鬼になり、日本中がなんだかぎすぎすしていたように思います。
そんな中、空家問題を皮切りに、東日本大震災を絡め、さらには家族の絆をも交えたストーリーが、さまざまな思いを感じさせてくれます。そしてそこに、田舎の閉塞感、過度な地元付き合い、過疎の悩み、独居老人、癒えぬ震災の傷跡など、実に多様な問題が描かれます。
そのため、当初は軽いタッチで描かれる田舎暮らしを楽しく眺めていましたが、しだいに重くなるトーンに作品の印象が大きく変化してきます。それが決してつまらないというわけではなく、むしろ真剣に見入ってしまいます。特に、震災によって家族を失った百香の父の話、母亡き後の空家となった実家を手放せない息子の話には、心を揺さぶられるものがあります。これらを一本のストーリーとして繋げている点に、着想の巧みさを感じます。
ラストは、新たな家族を迎えて再生し幸せに向けて船出する関野家が、新たな住人を迎えてかつての輝きを取り戻す空家と重なり、なんだかほっこりします。
ただ、やはり盛り込みすぎ感は否めません。空家問題は軽く扱い、震災からの復興や一歩踏みだす人々の姿をメインに描いてもよかったのではないかと感じます。実際に震災を経験した方に対して、腫れものに触るような態度しか示せない私にとって、「ただ見てくれていればいい」というのは、一つの答えをもらったようで、なんだかとてもスッキリします。だからこそ晋作も、いちばん近くで百香を見守る選択をしたように思います。
それにしても、菅田将暉さんは何でもおいしそうに食べますね。なんだか東北に旅行に行きたくなってしまいました。東北弁が聞き取りにくくて何を言っているのかよくわからないところがあったのですが、方言が醸し出す風情は嫌いじゃないです。
主演は菅田将暉さんで、三陸ライフを満期する姿が自然でとてもよかったです。脇を固めるのは、井上真央さん、中村雅俊さん、竹原ピストルさん、三宅健さん、池脇千鶴さん、小日向文世さんら。
自分のために生きたり素直に生きていいんだ
上手いなぁ クスッとしたり、腹抱えたり、気づいたら涙流していた。 ...
面白かった、楽しかった 中村雅俊の方言は、さすがだった 他の出演者...
面白かった、楽しかった
中村雅俊の方言は、さすがだった
他の出演者が指導受けて話してるのとは、
全く違ってた
震災地をめぐるドキュメントでしか知らないけど、
あそこまで言葉丸出しにした作品って、
今までやったことあったんですかね?
中村雅俊だけじゃなく、
他の人たちもキャスティングが良かった
傑作。(追記)言葉どおり解釈しました。
都会の人,田舎の人,被災地の人、それぞれの立場によって色々な考え方が有ることに気付かされたのが良かった。
「東北を見ているだけで良い」というセリフが印象に残ったが、僕の中ではまだ消化できてなくて意味がよく分からない。 ナーイス (^^)。
(追記)言葉どおり「暖かく見守ってておくれ」と解釈しまひた。
♪ヽ(´▽`)/
結婚ではない不思議な結末が良いと思った。
(追記訂正、→ 今まで聞いたこともないような結末が良いと思った)
3.1 1もコロナも、自分の中ではすでに忘れ始めてることにを自覚した。
例えば5年前の2020年2月、コロナでダイヤモンド・プリンセス号の乗員、乗客が船内に隔離されてた頃は、治療法も薬もない得体の知れない不気味なものだという恐怖心があった事も忘れかけている。
また、都会の人間が地方に行くと、ものすごい反発があった事も、そう言えばそんな事も有ったなと何となく思い出される程度の出来事になっている。
ましてや14年前の2011年の3.11は、あれから もう14年という感じだ。 ( ”まだ” ではなく )
震災とコロナ
誰にとっても他人事でない
コロナのときってこんなだったな〜と、今だからこそシュールで笑えた。
震災の苦しさも、コロナの閉塞感も、田舎の面倒くささもあたたかさも、全部ひっくるめていい映画だった。
釣りがしたくなったし、新鮮な魚が食べたくなった。
親にも友達にも勧めたい。
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