「たまに見ればいいんだよ」サンセット・サンライズ くりさんの映画レビュー(感想・評価)
たまに見ればいいんだよ
海辺の町に魅了された
東京の会社員のはなし
と
ひとことでいえばそうですが
魅了されるまでの時間を
共有できるのが
心地よし
ときはコロナ感染が
広まっていったあの年
ソーシャルディスタンスや
都会からの旅行者への
スプレーのシーン
今では、笑って見れる
感染防止対策の数々も、
あの頃は皆真剣
初期の頃、
北陸では感染者の家に石が
投げ込まれ、
そこの家族は引越ししたと
聞いたことあります
嘘みたいですが実話
しかも、
震災が絡む土地が舞台
そんな状況で異界の人間が
暮らして、馴染んでいく様が
なんとも・・
そんななかで
本作でぐっときて
受けとったのは3つ
ひとつ目は、
茂子さんが縁側で西尾に
言ってた
「東京にいっても何も
することがない。例え津波がきても
ここでの暮らしがいい」
この土地が好きって
感情はわかるような気がします
海辺で、
薄暮の紫が海面に伸びる
吸い込まれそうな瞬間を
見たことがあれば。
本当に美しいものを見た時
心がもっていかれます
それが日常ならなおさら
2つ目は、
生き残った者が
前を向いて生きるっていうことが
どういうことなのか
百香が車の中でMDから
亡くなった子供の声を聞いて
自分のやるせなさに泣いていた
ひきづらずに生きていくのは
できないかもしれないけど
なにかのキッカケで
自分がしたいように動き出すしか
ないんだろうと
正解はないのだろう
この作品のスゴイところは
震災の復旧と空家問題の解決の
方法が同じやり方でいったら
いいのではという啓示
全く新しく作り変えるのではなく、
思い出はそのままに保ちながら
生まれ変わっていく
そんなやり方があっても
いいのではというのが
心の持ち方が再生される家に重なって
糸口がみえていいなと。
3つ目は、
芋煮会でのケン
不用意に触れないとしても
忘れずにたまに見てくれればいいんだよ
って
回答は、なかなか奥ゆかしい
たくさんあった出来事が
エンドの朝日と歌声で
つつまれて・・
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