「つもる話」サンセット・サンライズ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
つもる話
原作は未読です。
都会と田舎のギャップを感じさせるコメディとシリアスかな〜と思っていましたが、シリアスというか田舎での問題や東日本大震災を色濃く描いている作品でした。
コロナ禍でのリモートだったりの状況を鑑みて田舎に移住した主人公が最初は妙にハイテンションだったし、隔離だっつってんのにすぐに釣りに出かけたりと身勝手さが良くないかもなーと思っていましたが、現地の人たちの交流が盛んになっていったり、大家さんとの恋愛だったりと日常描写がのんびり観れて良かったです。
そこから田舎の空き家問題が本格化していき、主人公が会社のビジネスで振り回されたり、仲良くしていたおばあちゃんが亡くなったりしたりと気持ちが揺らぐ中でどうやってこの土地で生きていくのか、生きていきたいのかは良いドラマが展開されていきました。
突然のビフォーアフター模様もありましたがとても綺麗なリフォームに匠を感じました。
若干ドラマ部分がくどくなることもありましたが、まぁそればっかりは致し方なしといったところでしょうか。
ハイパー飯テロ映画だったのが今作の素晴らしいところです。
ケンの居酒屋で提供される海鮮料理がどれも美味しそうでハーモニカ焼きとかかぶりつかせてくれ〜となるくらい美味さが伝わってきました。
自宅で作る海鮮料理、郷土料理も満遍なくお届けされるので飯を食べずに映画館に来てたのでこれはやられました。
今作の欠点というかコメディ部分が自分にはあまり合わなかったです。
タコで滑りまくるシーンだったり、居酒屋での押し問答だったり、特に感じたのが熊の登場シーンで、あれだけは急にファンタジーになってしまい、きのこを持ってくるシーンなんか別に無くても…となってしまったのが残念でした。
ケンさんが大きい声を出すところもビックリするので頻度は控えめにして欲しかったです(ピストルさんはとても良かったです)。
コロナが明けて2年近く経とうとしている中で今作を観ると色々変化があったなと思わせられました。
実家がゴリゴリの田舎なのもありますが、あの土地あの風景を守り抜くことって大事だなと痛感させられました。
鑑賞日 1/23
鑑賞時間 9:40〜12:05
座席 D-3