劇場公開日 2025年1月17日

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「切り込みと白ワインのマリアージュ」サンセット・サンライズ ごはんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0切り込みと白ワインのマリアージュ

2024年11月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:その他

いっぱい笑わせてもらったなぁーって作品。

身に降りかかった内容は異なるけど、恐らく多くの人がさまざまな体験や思いをした東北震災、そしてコロナ禍。
その後触れて良いものなのか、どんなスタンスでいたら良いのかわからない部分もあったなぁと思う事だったと思うけど、バカにするでもなく、変に気を使いすぎるわけでもなく、絶妙なバランスで成り立っていて、とても楽しい作品だったかなと。

でももしかしたら地元民からしたら少し笑いものにされてるとか思うかな…どうだろう?
東北とか田舎から東京出てきて、どちらの生活も知ってる人がもしかしたら1番楽しめるかもしれないなー

もちろん震災、コロナ、特に震災関連かな、人によっては他人に踏み込んでほしくないと思う経験もあったと思うので、これで示される1つの答えが総意ではないことは忘れてはいけないとは思う。

「あにえすべー?」
冒頭船釣りに来た観光客カップル(彼女は完全に付き合わされてる感じ)のシーン。
こんな序盤でこんなしょうもないボケで笑わせられるとは笑
この時点で映画祭ってのもあるかもだけど、劇場全体変に構えるでもなく、笑えるシーンでは笑うって空気感が出来上がった気がする。おかげでその後も素直にいろんなシーン笑って楽しめた。

「イカの切り込み(塩辛)と白ワインのマリアージュ」
竹原ピストル演じるケンの居酒屋で出される料理がどれも美味しそうで、その時点で東北に心をぐっと掴まれた感じはあった。
菅田将暉がどの海鮮も嬉しそうに美味しそうに食べるのも印象的。
「メカジキのハーモニカ」「モウカの星(ネズミサメの心臓)」なんか出てきて、どちらも食べてみたいけど、ひとまずお手軽に試せそうなのが「イカの切り込み(塩辛)」をつまみに白ワインいうのが試せそうなので、帰りに早速その2点買って帰りました。

「震災、コロナ禍」
出身地を聞いたて、震災があった土地出身だった時、なんとなく「あっ…」って思ってしまう事が正直あって何気ない家族の話とか地元の話とかもちょっと気を遣ってしまってしまうことがあった。
こちらが気にしているよりも気にしてないかもしれないし、その逆もあるだろうし…
コロナに関しても人によってはご家族亡くされた方や学生だった人は思うような学生生活ではなかった悔しさがある人もいるかもしれない。
みんながある程度の共通認識のある大変な出来事だった故に距離感が難しい話だと思うのだけど、とりあえず震災(東北に限らず言えることかなと)の被害に遭われた土地との向き合い方のひとつの答えが示されていた作品かなぁと思う。
自分の中ではそっかそれでいいんだとすっきりした気持ちになれた。
ただいろんな答えのうちの1つでしかないことは取り違えないようにしたい。

「田舎最高でもないし、アンチ田舎でもない」
田舎いいなーってのも多いに感じさせられたが、同時に田舎の嫌なところも描かれていた。ご近所さんとの物々交換が成り立つ、関係の近さ故に知られたくない事も知られてしまったり、あっという間にある事ない事噂話が広まってしまったり…
田舎に限らない気もするけどお年寄りはイメージで生きてるみたいなのもあるなぁーと…
でもあれだけ地域内での関係が出来ていると老後はなんだか少し安心感ある気はする。
劇中でもとある人の葬儀があるけど、都内だったらきっと亡くなっている事に気がつくのもっと時間がかかると思う。
結局田舎にも都会にも良さも悪さがあって、生まれた土地が自分の性格に合ってるかどうかはまた別の話ってことですね。

「総括」
率直に東北行って美味しい海鮮食べたいなーと思っちゃったので、その時点でこの作品は大成功というか、お客として自分は1つの狙いの中にしっかり納められたんだろうなぁと思う。
じゃあ移住はどう?と言われると自分はまだまだいろんなイベントがあったり、新しいお店で溢れている東京の生活が楽しくて仕方がないので、今のところは移住はいいかなー
人付き合いも得意な方ではないし。
ずっと行ってみたいと思ってた東北方面、ついに遊びに行くきっかけ出来た気がする!

なんだか小難しいこと考えたレビューになってしまった気がするけど、普通に楽しい作品だったので公開されたらまた観に行こうと思う。

ごはん