鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版のレビュー・感想・評価
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恐怖と涙の傑作、再び。初心者の方もぜひ劇場へ
初心者の方向けに軽く紹介をしつつレビューを。
本作は2018〜2020年にかけて放映されたテレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第6期と世界線を同じくする作品。日曜朝9時枠で放映されていたが、そうは思えないほどの現代社会への風刺とダークな展開が魅力的なアニメだった。本作はその作風を継承しつつさらに対象年齢を引き上げた、極めてダークかつハードな物語となっている。
そんな作風の為昨年の公開当時は大々的に宣伝される事もなく、制作側ですらも「ひっそりと上映されひっそりと終わるつもりだった」との事。しかし、あまりにも高いクオリティから高評価が相次ぎ大ヒット。鬼太郎ファンのみならずアニメオタク層等のご新規さんすら取り込んだ大ブームとなり、日本アカデミー賞優秀アニメ作品賞など数々の快挙を成し遂げ、そして再上映の現在に至る。
「鬼太郎誕生」というタイトルだが鬼太郎たちの出番はほんの僅か。物語のメインを張るのは血液銀行に勤める男・水木、そして鬼太郎の父(=かつての目玉おやじ)である。「鬼太郎」6期の数十年前を描いた前日譚にあたり、物語も独立している為予習は不要。この映画単体でも十分楽しめる。全く鬼太郎を知らない、という人でも、極論「鬼太郎という、悪い妖怪と戦う男の子がいる」、「鬼太郎には目玉に手足が生えた見た目のお父さんがいる」程度の知識があれば大丈夫だ。
殆どがG指定のアニメ映画においてレーティング(通常でPG12、真生版はR15)指定されている通り、かなりのゴア表現・恐怖描写、そしてシリアスで陰鬱な展開がほぼ終始続く。しかしただ暗い、というだけではなく、「過去を忘れない」「未来へ託す希望」といったテーマをしっかりと描けている。水木や鬼太郎の父をはじめとしたキャラクターも魅力的で、あまり詳細の語られないキャラクターたちにおいてもそれぞれドラマがある事を想像させる。この物語が「鬼太郎」シリーズとしても一本のアニメ映画としても非常に素晴らしく、私は2度目の鑑賞にもかかわらずエンドロールでマスクが濡れるほどにすすり泣きしてしまった。
作画のクオリティも流石の東映アニメーション。キャラクターの可愛さ・カッコよさ、水の流れや咲き誇る花等の美しさなど…非常にクオリティが高い。戦闘描写もかなり見応えがある。
川井憲次を迎えた音楽も非常に素晴らしい。「リング」など数々のホラー作品の音楽を手掛けてきただけあり、本作との親和性は抜群だ。
鬼太郎ファン・水木しげるファンなら気付くであろうオマージュも数多い。原作への大きなリスペクトが感じられる。
総合的に極めて見応えのある作品なので、まだ観ていない方は是非劇場に足を運んで頂きたい。
そしてここからは既鑑賞者向けに。
真生版、と銘打たれているが、飽くまでも「制作陣の作りたかった本来のテイスト」という意味であり、それほど大きな変更は無い。私が鑑賞中明確に気付いたのは血飛沫の色(より鮮やかな赤色)と量程度だったが、公開記念冊子を読んだところ、もう一度1から描き直したカット等もあるそうだ。何度も観ている方であれば気付く事はより多いだろう。どのみち素晴らしい映画である事は変わりないので、もう一度「ゲ謎」を劇場で体験する、という貴重な瞬間の為にも、再びの鑑賞をオススメしたい。
綺麗な血と音響はアニメならでは
狙いは分かるが造りがやや雑
人里離れた村の旧家における殺人事件がオモテのストーリー。横溝正史ばりの鉄板パターン。見立て殺人はないけど。
ウラで意識されているのは「血」。まずは龍賀家の血脈があって、戦争で流された血。そして龍賀製薬がつくっている血液製剤、主人公の水木が勤めている帝国血液銀行のこともある。昭和31年の話で売買血というのは普通にあった。完全になくなるのは薬害エイズ事件後となる。
余談だが、今は「血税」という言葉を税金のこととして普通に使うでしょ。「血の滲み出るような苦労をして収める税金」というニュアンスで。あれは誤用。血税というのは、おカネの代わりに血であがなう税ということで徴兵を本来は指す。
水木しげるさんの漫画の原点はこの血税で、兵隊として行ったニューギニアにあります。この映画では主人公にわざわざ水木という名前をつけているんだから当然、原作者を投影している。
でも戦争体験はほんのカタチだけなぞっている程度なんですね。他のモチーフもそうで、血液製剤のこと、幽霊のこと、妖怪のこと、裏鬼道、神社の儀式、龍賀家のそれぞれの人物造形なんかも、バラバラ出てくる割にいずれも彫り込みが浅い。
さらにいえば、この映画は、空間設定がとても甘い。旧家の構造は入り組んでいて深く暗い。そこをきちんと見せることによって怖さや謎めいた感じが出てくるのですができていない。鬼太郎父と長田が死闘を繰り広げる洋館ベランダは中盤になって突然出てくる。屋敷全体との整合性がよくわからない。屋敷の地下と、湖上の島とはつながっていて、そこに秘密があるという設定なのだが、入り口や出口がほとんど出ず突然、地下道の映像になってしまう。都度都度の場面で全体像がみえない。だから世界観が構築できていない。
一時が万事。細部にかなり雑さがあると言わざるを得ない。水木と鬼太郎の父の人物造形は魅力的なのでつくり方によってはもっと面白くできただろうにね。残念です。
ゲゲゲの真髄、再び!若かりし目玉オヤジの勇姿!
「鬼太郎誕生」と言えば、この間公開されたばっかりなのに、真生版とは何ぞや?
スッゴい楽しませてもらった作品だったのに、カットされた部分でも加えたのかと思ったら、上映時間は、ほぼ変わらない。
映像と音がクオリティアップされたということで、リテイクされた部分は、当初予定されていた恐怖演出が再現され、R15+になった。
ホラー大好きオヤジとしては、期待せずにはいられない。
さて、本作品ですが、舞台は昭和30年代前半。自分の生まれる前の話ですが、なんか納得できちゃう背景でしたね。咳き込む子供をものともせず、列車内でタバコをふかす大人たち。如何にもな昭和でした。
そして、人里離れた村で起きる奇怪な出来事の数々。ミステリータッチでありながら、そこは妖怪もの。
不気味な感じが半端ないうえに、迫力の音で恐怖心を煽ります。
ゲゲ郎?(後の目玉オヤジなんだよね?)見るからに鬼太郎の大人版が着流しスタイルでメチャかっこいい。ひたすら奥さんを探して旅してるっていうシンプルさがまた良い雰囲気、醸し出してます。
いや~、改めて見直しても面白かった。っていうより、さすが真生版。前作以上に魅入っちゃいました。
アクションあり、笑いあり。切なさで心が締め付けられ、60のオヤジもウルウルです。
エンディングのカランコロンがまた良かった。余韻にズッシリ浸れました。
【映像と音をクオリティアップさせた、新たなバージョン】 ってあるの...
【映像と音をクオリティアップさせた、新たなバージョン】
ってあるのを見落としていた
もっと新しいものを求めて見てしまった
この作品の評価を下げるつもりはないが、
私みたいな人を出さないように、
あえて、これ書いてます
鬼太郎の父はこんなに強かったんだ!
アクションたっぷりのエンタメゲゲゲ!
原作は言わずと知れた水木しげるの同名代表作。
脚本に『ソ・ラ・ノ・オ・ト』の吉野弘幸。
【ストーリー】
昭和31年。
国内政治や経済を裏から牛耳っていた龍賀時貞が死去する。
帝国血液銀行の「龍賀製薬」担当者の水木は、次期当主と名高き娘婿の克典に近づくべく山奥の哭倉村へと足を運ぶ。
だが遺言が指名した次期当主は、引きこもりの長男・時麿だった。
混乱し、紛糾する龍賀の屋敷。
翌朝、当主に指名された時麿が惨たらしい姿で発見されてしまう。
横溝正史のような、田舎の昏さを押し出してくる物語の冒頭と世界観、そしてなにかがもれちゃいそうなタイミングではじまるバトルとアクション。
シナリオ上手いなーと思って見てたら、こういうの大得意な吉野弘幸。
ボクサーじゃない方の吉野弘幸。いいフック打ってたなーあっちの吉野弘幸。
鬼太郎のルーツといえば、貸本時代の『墓場鬼太郎』が文庫で復刊されてまして、自分、つい買っちゃった☆
(・ω≦) テヘペロ
なんかのんびりした空気で、鬼太郎、猫娘みたいな寝子って女の子を知らないうちに好きになって、知らないうちに振られてやんの。
でしょんぼりしてるんですな。
かわいげある鬼太郎ってなんか新鮮。
絵も映像も音楽も、一流どころ用意して手間かかっててハイレベルで、おどろおどろしさもたっぷりで、誰が見ても満足できるんじゃないかなと。
グロかった…私は前のが良かった。
あえてぼかすのも効果というもの
一部過激シーンの表現を変更、レーティングを上げた「真生版」として帰ってきた。
血しぶきの色も派手になり、より市川崑の金田一シリーズっぽい雰囲気になった。ただ隠されると見たくなるが、モロ見えだとアニメのぶん逆に興ざめとも言える。ぼかすことで想像力をかきたてるというのも立派な演出なんですよね。
なお、作品自体は何度観ても引き込まれ、時間を感じさせない完成度です。
評価に入れてないけど、今回は時間の都合で4DXの回で鑑賞。IMAXやDOLBYなど、画質や音が良くなるタイプは良いけど、動きやしぶきなどの効果はあまり好きではない。今回もアクションシーンでガタガタ揺れすぎで画面に集中できなかったり、しぶきでメガネがくもったり。やっぱりいらないと思った。映画によるのかも知れないけれど。
PG12→R15で上がる解像度。
確かにグロさは増してたと思います
ストーリーの流れは、当初のものと同じ。
戦争の表現とか、グロさの部分は、より強調されていた印象です。
実際に見比べなければ分からないですが、上手くリテイクした感じなので違和感なく見れましたが、確かに子供にはキツイ表現なので、ある程度の年齢に達してないと、ちょっとトラウマになりそうな強烈なインパクトはありました。
リテイク前もリテイク後も、どちらも良い作品なのには変わりないです。
万人におすすめできないが
通常盤は未鑑賞ですので、両者の比較は記載しません。
原作をご存知の方や昭和20〜30年代までに生まれていた方には蛇足ですが、今の子に水木の勤務する血液銀行が何かわからないのではないかという心配があります。わからなくてもストーリーは楽しめます。気になる方は、Wikipedia等で調べていただくと、売血やら血友病肝炎や薬害エイズまで続く根源となった組織ということがわかりますので、興味のある方はどうぞ。
話がそれました。ストーリー自体はどこかで見たことがあるような感じであるが、全体の雰囲気は悪くない。カット割もこだわっていることがわかります。
ツッコミどころが全くないわけではないですが、謎解きや伏線の回収も、この尺の中ではまとまってよくできていると思います。それでも謎は残るのですが、いずれ明らかになるのでしょう。
通常と戦闘シーンの緩急の付け方等も美しく、見ていて飽きない内容でした。
グロテスクなシーンが多く、見る人選ぶ作品と思いますが、良い作品であると思います。
ストーリー展開は前回と同じだけど。。
やっぱり、鬼太郎の父と水木のタッグはカッコいいな!
イケオジの活躍はいつみても良いもんだ
てんこ盛りだがわかりやすい
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