「序盤は良かったが、登場人物の心情描写の足りなさと展開に疑問」366日 こめたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
序盤は良かったが、登場人物の心情描写の足りなさと展開に疑問
俳優陣が好きだったので楽しみに鑑賞しにいきました。
序盤はとてもよく、学生ならではの甘酸っぱさと沖縄の足り広大で美しい風景がマッチしており、2人で凄く日々の描写がとても良かったです。
だからこそ、後半に行くにつれ、物語に疑問を感じる点が多くありました。
·湊が白血病になったという情報はそんなに漏れないものなのか?(ましてや同じ大学出身であり、病気になったという噂程度の情報も入らないのか)
·湊が美海に別れを切り出す前、食事のシーンでは美味しそうに食べる美海を褒めていたにも関わらず、(しかも回想シーンでその時点では別れを切り出すか悩んでいたのに)すぐにお別れ、となるのに、そんなに早く心決めれるもの!?と感じてしまったこと。
·湊が全快したのにも関わらず、前もった連絡もなく、突然沖縄に曲を届けに行ったら結婚式が行われることを知るというのも、タイミングが良すぎるように感じた。
·あまりにも病気に罹ってしまう人が多すぎる。美海まで病気になる必要があったのか
これらの点は湊や美海、登場人物の葛藤や背景もっと深掘りされていれば、解消されていたのではと感じました。
元々のインスパイヤソングがあり、「大切な愛、大事だった人がいた」という過去形の愛へ持って行くゴールが初めからあるため、そのゴールへの持っていき方が少々強引に感じてしまった点がこの映画の惜しいところだと、私自身は感じてしまいました。
また、回想シーンを日付とともに何度も繰り返す構成がテンポが悪く感じ、自分には合わなかったです。
そして、湊が一途だということを知っているにも関わらず、言動に保険をかけてワンチャンスを狙おうとする香澄先輩にモヤモヤしてました。。。(自分がこの手の女性が苦手なだけです笑)
結論を言うと少し悲劇を詰め込みすぎかな。。。と感じました。
ですが、報われない幼馴染の琉清と、過酷な環境下でも幸せを掴んだのに手放さざるおえなかった湊に胸が痛く、どこまでも一途な二人の対比があり、美海のどこまでもな真っ直ぐさには思わずうるっと来ました。
役者陣の演技も素晴らしく、特に中島裕翔さんの演技ってこんなに凄いんだ…!と打ちのめされました。
上白石萌音も学生の初々しさも、母の包み込む優しさの演技もどちらも違和感がなく、ここまで時間が経過してもこんなに上手に演じられるんだ…!と感じました。
赤楚衛二さんも目や表情での演技がよく、微笑みや悩んだ顔から伝わるものがありました。
湊というキャラクターがもっと深掘りされればこの映画の評価はだいぶ変わったように感じましたが、人それぞれだと思いますので、是非見てみるのも良いと思いました。