「自分の好きなものを忘れてはいけないよ」366日 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の好きなものを忘れてはいけないよ
いわゆる歌謡映画であり、あざといお涙頂戴映画である。
と、斜に構えて観ても、不覚にも涙が出た。
それにしても、赤楚衛二は綺麗な男だなぁ。
中島裕翔も二枚目だし、ゲスト的に溝端淳平も出演していて、いい男だらけだ。
ヒロインの上白石萌歌の母親はちゅらさん(国仲涼子)で、美貌は健在なのだけど、父親が杉本哲太というのがなんとも…少なく見ても10歳以上の年の差夫婦。
上白石萌歌の娘を演じた嘉陽田陽葵は、あの子役がいつの間にかこんな女の子に成長していてびっくり。
一方、赤楚衛二の祖母役が きゃんひとみ で、いつの間にか老婆になっててびっくり。
もっというと、高校生役に違和感がない上白石萌歌にもビックリ。
「悪い人はいません物語」なのだが、隠し事が多い。
でも、相手を慮って隠したり嘘をついたりする。その真相を、過去と現在、沖縄と東京を往き来して見せていく演出が上手いから、ちゃんとサスペンスが形成されていて、しっかり見させる映画になっている。
人への思いやりから自分の気持ちを隠していると、いつの間にか本当の自分の気持ちが分からなくなってしまうことって、あるのかもしれない。自己暗示の効果か。
お母さんが好きだったあの花の香り、いや、そうじゃないよ…。
本作、原作のないオリジナル脚本の出来が良く、
ベタなエピソードを巧みに紡いでるので泣けました。
口コミで評判が広がり公開時より興行収入が増えているのも
納得でした。
湊も美海も重要なことを隠します。
愛は自己犠牲、恋は自己満足と言われますが、
湊と美海は愛し合っているので、隠し事をしたのは自己犠牲ですね。
相手への深い思いやりでした。
しかし、仰る様に自己犠牲も度重なると自分を見失いますね。
人間関係のベースは相互信頼、相互理解ですのでコミュニケーションが大事だと思います。
恋愛って切なくて残酷ですね。
香澄がどんなに献身的に湊を支えても湊は振り返らない。
人を好きになるのは、感性、直感なので、仕方ないですが。
ー以上ー