最後の乗客のレビュー・感想・評価
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死後の人間の世界と現世のはざま。
今の世は、死後の人間の世界について語られることはなくなり、どちらかというとエンタメの世界でオカルトとしてのみ触れることが多くなっている。
しかし、この映画はそんな死後の人間の世界と、この世に暮らす人間の世界のはざまを描いている。
最初はこの世の世界と思われていたものが、実はあの世の世界であることに気付き、自らの死を悟っていく。
突然のことで自分の死に気付かず、よくわからないまま、今までの日常を繰り返していた人間が、自分の死に向き合い、残された家族の思いを知る。
残された家族は、この世にいなくなった家族を思い、今もどこかで生き続けていることを信じている。
世界の人達に、この世界観が伝わり、感動を呼んでいることが興味深い。
科学万能の世の中であっても、人の心はそれほど変わらないものなのかもしれないと思い、少し幸せな気持ちになった。
いまいち
こういう映画では被災地のことを考えると低評価をつけるのがはばかれそうですが、あえて映画鑑賞という立場で評価させてもらいました。
たまには泣ける映画を観ようと思って、女房と鑑賞。
一部泣けるところも確かにありましたが、そこまで涙は流れなかったですね。
もう少し、真実が判明した時の驚きを味わいたかったです。
あれから10年後
主演の人、すごいどこかで見た顔だぞ??
と思って気になってたんだけど、侍タイムスリッパーの敵役(と言うか)の方だったのか。
レビュー書くために配役見てスッキリしました。
東日本大震災での出来事と、その時の心の傷を抱えたまま生きている人たちの話。
タクシー運転手の中年男性。
妻を亡くしており娘とはギクシャクしている様子。
同僚からタクシーの怪談ド定番、不審な乗客の話を聞いたその日にズバリその条件に当てはまる客が。一体この乗客とは?
という体で始まるけど実際は主人公自身が…などんでん返し。
車はあるし同僚もいるし本人が死んでるパターンでは無かろう、と思ってたんだけど、冒頭で同僚のタケちゃんがドアを開けた様子もなくいきなり車内に現れたかのようにコーヒーを渡す様に違和感を感じていたのを思い出した。仕掛けられていた。
生者と死者の思いが交わり合い通じ合い、というファンタジー作品と見せかけて、要するに「全ては娘が思い出の浜で見た夢だった」って事でいいのかな?
子を持つ親としては子供にあんな思いをさせないようにしたい、とは思いました。
そう言えば
「タケちゃんにお願いしたいことがあるんだけど」
と主人公が言っていたけどあれはなんだったのだろう?見逃したのかなんなのかちっともわからないまま話が終わってしまった。
当事者の立場の3.11
亡き人との再会ものであるのは、あらすじ等から推測できるのだが、はてその亡くなった人は誰なのか…
夢を見ているときのようなロジック不足とか偶然がすぎる展開が気になって観ていたが、なくなった人物が判明した途端、それが納得出来た。
若い当事者の悲痛な叫びの台詞は痛感させられた。
忘れてはならない立場と、忘れてもいい立場があるのだ。
ミステリーというジャンル分類も微妙?
今年394本目(合計1,485本目/今月(2024年10月度)45本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
60分を切る映画で特別料金扱いになっています。
そのような時間の設定なのでストーリーがほぼ一つか二つにしかならないし、タクシー運転手が人を乗せて走ったらトラブルになって降車させたら、元乗っていた乗客と、ぶつかった乗客の関係はいかに…という筋のストーリーであり、ここの紹介、あるいは映画内でも何度か登場しますが、先の東日本大震災をテーマにした映画であることもわかります。
その意味では「ミステリーか」というとこれまた微妙なジャンル分類だし、問題提起型のジャンル(この点後述)とすると時間がいかんせん短すぎてちょっとどうだろう…という気がします。ただ、問題提起型の映画は概して長くなることが多く、60分をちょっと切るあたりから70分~80分程度でサクッと見たいという層が想定できるのはわかるし、そこはまぁ好みかな…といったところです。
一方でこの映画のもう一つのテーマであろうところの「忘れないための記憶」というところにおいてはもうちょっと配慮が欲しかったというところです(この点後述)。
タクシー運転手が乗せた人、途中でぶつかって止まった人との関係、あるいは主人公のタクシー運転手との関係は…といったストーリーですが、そこはネタバレになりましょうね。短いストーリーですが、そこまで了知してみるならそれほど極端に変な作品ではないだろうといったところです。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.3/この映画のもう一つの「忘れないための記憶」の問題提起が足りない)
エンディングロールが主になりますが、当時の震災のときの実際の写真がいくつか登場し、エンディングロールも最後になって、仙台市からのお知らせとして「これらの持ち主不明の写真の持ち主を探しています。お問い合わせはこちら…」という趣旨の文章が登場します(したがって、仙台市(宮城県)はこの映画にクレジットしている)。
ただ、この「写真の探し主」に限らず、震災や大火災ほかで同じようなことが発生するのは当然のことですが(熊本震災、石川震災等数々)、このことがサブテーマを超えて主テーマであるととらえることもでき、そうであれば55分ほどのこの作品でさほど「ミステリーものか」というと微妙な時間の映画の作品でこの話を最後に持ってくるのはややどうかな、と思いましたし、実際に「持ち主探し(尋ね)」を想定した映画ではないと思いますが(震災の当事者が必ずこの映画を見るとは限らない)、実際に「震災などで思い出となる写真や動画などの落とし主を訪ねて」という趣旨のストーリーにするならそちらに振るべきだったでしょうし、やや時間の使い方も含めて「どうかな」と思いました(よって、55分ほどの映画としては「想定できる見方」がいくつもあるが、どうにしても時間が足りない)。
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どこかで観たことあるような話だけど
2024年劇場鑑賞275本目。
1時間もないし絶対パンフレットないと思っていたらちゃんと作られていてびっくり。
全く観たことないという話ではないですが、それでも時間がちょうどいいので予測より展開が上回り、結局ぼろぼろ泣いてしまいました。
忘れないことと忘れること
1時間という長さのクラウドファンディングで作られた映画、との情報だけで観た。だからと言っては失礼だが、見事なCGや粗のない美しい映像、豪華なセットは期待していなかった。それは当たっていたと思う。
海を映し始まる物語。予備知識なしだったが扱うテーマは3.11かな?となる。それも外れていなかった。
二人の男性タクシー運転手の夜の会話。夜遅くあそこを走ると出るぞ、と。それに笑い発進した遠藤は予言が当たったように一人の女性を拾う。続いていきなり飛び出し、父が待っていると乗る母娘。同時に遠藤は最初の女性が娘であるみずきだったと知る。
みずきと母親の会話でああこの人は、もしかしたら子供もと分かったがそれ以降の展開は予想を超えていた。感情が混乱し、心で泣いた。
私は3.11を忘れまいと思っている。それはきっと私が覚えていられる人間だからだ。福島県に親戚がいた。その町に住めなくなり出て行かざるを得なかった。新しい地で生活を始めたがもう高齢となり、町に戻ることはないだろう。そしてこの映画のロケ地となった仙台市に友達が住んでいた。電気のない夜、友達とお母様に温められながら病身のお父様は逝った。
あの日を忘れたい。
みずきの言葉は衝撃だった。考えたこともなかった。親戚や友達がどうなのか、私は尋ねたことはない。
3.11だけではない。1.17や9.11。忘れてはならない日は多い。私はそれができる。でも忘れたい人達もいる。
あの日を忘れないという責任があると思っていた。私は一方的にしか見ていなかった。やはり戸惑っている。時間をかけて考えたい。
忘れられない事と、忘れても良い事。
これ泣くやつだなぁ、スルーしよう、、、かと思ったがこんなにあちこちで賞を取ってるのは何か訳とか仕掛けあるんだろうと思い見に来た。
そんで予想通り泣いた。
1時間を切るクラウドファンディングで制作された自主作品で、まあタクシーの運ちゃんが幽霊らしき物を乗せちゃうはなしです。?なところもなくは無いが視点が面白いから許す、これ以上は言えません。
役者も撮影、美術、演出、編集もちゃんとしていて安心して見れます。忘れられない記憶、忘れたい記憶、忘れちゃいけない記憶、重なり合って人生に絡みついて来ます。整理がつく時はくるのでしょうか?
あれから13年ですか、、川崎で仕事してたなぁ。あの日の夜、友達から発表されてないけど原発がヤバいから家から出るなってメールが来て「まさか」と思ったけど、、、夜中に電気復旧しはじめてから裏道通って車で杉並の家に帰った。次の日は朝から九州で、遅い昼飯中にTVで発電所の爆発を知る。
「日本詰んだ」と真剣に思ったよ、そんな思い出、、、早いものです。
白くなっていく想い出
これは珠玉の逸品ですね。タクシードライバーの映画くらいの予備知識で観に行きました。
だんだんあの関係の映画と気づいてきます。
タクシーの中の父と娘の会話の映像が白くなっていく様が秀逸でした。
それぞれの想いが詰まった素晴らしい映画です。
55分でも良い意味で長く感じる。まるで小説のように静かにゆっくりと。
逝ってしまった方、残った方、 お互い心残りを抱いたまま彷徨っている。切ない映画。後半次第に内容が分かるうち、いとうせいこうの「想像ラジオ」や重松清の「流星ワゴン」を思い出した。映画と言うより小説を読んでその想像が画像になって映っている気がした内容の濃い55分でした。長く感じられたのは被害に遭われた方には時がそこで止まっているから・・徐々にでも、ゆっくりでも時が進むことで一歩でも人生を前に進められたらと思うばかりです。余談ですが富家ノリマサの中年の哀愁?色気? 侍タイムスリッパーでも思ったがほど良いオーラが出ていました。
震災の爪痕記録
あえて評価できるポイントは表題のみです。
そして震災後に復興した駅舎や街並みが10年後20年後とどうなってゆくのかが気になります。
内容は特に語りたいことがありません。
本作よりももっと面白くて感動する作品沢山あると思います。
一万五千九百人分の一
亡くなられた方が19,500人だそうである。
行方不明の方も入れるともっと多くなる。
逝った人、残して逝った人、残された人、一人ひとりにこういった物語があるはずだ。
被災地から遠く離れた地に住む身でも、打ち寄せる波を見ると胸が痛くなる。被災地の方々にとってはいかばかりであろう。
残してしまった娘が現世で頼る者もなく死にたくなるほど辛い思いをしているのを知った時、私は、まだがんばれと言えるだろうか。それとも一緒に来るかと言って連れて行くだろうか。
その角を曲がれば、何が待っているかわからない。
生きてさえいれば。
がんばらなくてもいい。ただ生きてさえいればいい。
普通といえば普通 心情の機微と言えばそうだ。文句のつけどころは無い。
55分の短編映画 クラウド・ファンディングプロジェクト
震災関係の話
『風の電話』だっけ❗️ モトローラさん 西田敏行さん😢西島秀俊さん三浦友和さんそれと同じくらい 心の機微 秀作
文句のつけどころが無い
もう2週間くらい前から上映らしいが 俺の近所では 今週が初
冨家ノリマサさん 『侍タイムスリッパー』に続き 俺の中ではメジャー俳優入り
主人公 元アイドルの岩田華怜さんは 自身の現状が被るだろう
監督❓と主人公岩田華怜さんは 仙台出身 NY在住
ついでに言うと 音楽担当の方も NY在住【東京出身】
故郷は遠きにありて 思うもの だよなぁ 他にも仙台出身の方
映画の内容は 普通 文句のつけどころが無い まさに時期を得た作品 意外な展開
そうだよ ホントに衝撃的に嫌なこと は思い出したく無いよね。
有料パンフは ホームページと半分くらい被る
だが、本作の趣旨を汲んで 購入して正解👍 オリジナル部分もありますよ勿論
ホームページが 新 旧 あって なんか ネット接続的に❓❓だったけど 両方見ました。
55分だから 事前準備一切不要 の 意気に感じる 作品
風化という問題もあるが 命の輝き映画カモね。
お時間あれば 是非。
心に染みる温かい作品
震災を通して描かれた作品。
55分間の想いを乗せた乗車時間が
色々な心と交わり結ばれ濃密な時間になる。
本当は泣きたくて、甘えたいのに平気で
普通に振る舞うって……しんどいよね。
ずっと怖さや不安も抱えてるのに。
愛する人々を失った哀しみから、立ち直れず
止まった時間が再び動き出す奇跡の夜。
心から話せて良かった、会えて良かったね
思う。
最後の夜明けは泣けてきた。
心に染みる温かい映画でした。
心の琴線には触れるのだけれど
この種のテーマなので、心の琴線には触れるのだが、敢えて言うなら、さほど意外性はないし、幾つもつじつまが合わないところが気になった。
自主映画としては、たるみもなく、よくできていると思うが、場面を変えてもう少し丁寧に描いてほしい部分が数か所あった。
とは言え、見て損のない映画ではある。
意外と良かった、泣けた。
ミステリーな話しかと思っていたが、ある意味ヒューマンドラマの作品かと思う。私にとっては、知らない役者さんばかりの主演作品だが、感動しました。特に、娘のみずきが遠藤(←父親、タクシードライバー)に過去に書いた手紙を読むシーンは、グッスン。(後ろの方の客席からもすすり泣きが…)ストーリーも良かったし、上映時間も60分足らずだか、意外にも良い作品にめぐりあえたことと、自分が60年以上生きてきて、今まで知り合いや身内を事故や災害等で突然に亡くした経験がないことに感謝しなければと思う。
いまだに特別視される違和感を持っているのは、そこにいた人だけではないと思う
2024.10.22 アップリンク京都
2024年の日本映画(55分、G)
東日本大震災から10年後の宮城を舞台に、タクシー運転手と奇妙な乗客を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本は堀江貴
物語の舞台は、東北のとある町(ロケ地は宮城県宮城市)
タクシー運転手として生計を立てている遠藤(冨家ノリマサ)は、同僚の竹ちゃん(谷田真吾)から「ある乗客」についての噂話を聞かされた
それは「幽霊ではないか」というもので、遠藤はそんなものがいるはずもないと相手にしなかった
ある夜のこと、遠藤が街道を走っていると、目深に帽子を被り、大きなサングラスとマスクをした女性(岩田華怜)が手を挙げていた
彼女は「浜町まで」と言い、遠藤はこれが噂の女性だろうかと訝しがった
浜町に向けて発進しようと思った遠藤だったが、今度は無理やりタクシーを止める女(長尾純子)と遭遇する
女は娘・こころ(畠山心)と一緒に祖父(大日琳太郎)の家へと連れてほしいという
そして、その行き先は「謎の女性と同じ浜町」だったのである
映画は、震災の時にその場におらず、家族が犠牲になった人の視点で描かれていて、それがどちらなのか、というテイストで進んでいく
女が幽霊なのか、それとも?という感じだが、女が遠藤の娘・みずきであることがわかった段階で察する感じになっていた
55分の本編なので、あっち行ったりこっち行ったりとか、話がさらに深刻になるとか、回想シーンが登場しまくるということはない
母娘と遭遇した時点で、その場での会話劇に移行し、全てが完結してからその場所から離れられるという感じになっている
それが「意味のある場所」だとは思うものの、そこは察してね、という感じになっていた
驚いたのは竹ちゃんの予後で、震災と言っても色んな被害があったことが窺わせる
全てが津波に飲み込まれたというイメージを持ちがちだったが、もちろんそんなはずはないので、彼の理由が想起の中に入り込むことができたのは良かったことなのかな、と感じた
いずれにせよ、あまりネタバレは見ない方が良い作品で、ロケ地が現地なので「今」を垣間見ることができる作品だった
10年経っても何かあるごとに「忘れないでください」というメディアを見ていると、そこに心はあるのか?と思ってしまう
他の映画でも、震災の時期に起こったリアルを描くたびに配慮をしなければならないことの方が異常のように思える
そういったものが絡まない人も場所もたくさんあるし、当事者にも色んなケースがあるので、イメージ語りがレッテルになるのは良いことではない
そう言ったことを再認識する上で、本作には一見の価値があるのではないだろうか
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