劇場公開日 2025年9月5日

遠い山なみの光のレビュー・感想・評価

全262件中、161~180件目を表示

4.0ノーベル賞作家の日系イギリス人カズオ・イシグロの小説が原作。 この...

2025年9月8日
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鑑賞方法:映画館

ノーベル賞作家の日系イギリス人カズオ・イシグロの小説が原作。
この原作は読んでいないけれど、2005年に読んだ小説の『わたしを離さないで』のイシグロ・ワールドが甦る。

広瀬すず、二階堂ふみ、吉田羊、三浦友和という今や日本を代表する役者揃いで、特に女性3人の確かな演技力に裏打ちされた存在感がすごい。

ただしこの作品、あらすじとかストーリーとかを「理解」しようとしたり、スッキリしたいと思わないほうが良い。
物語が進むにつれ、そしてラストに近くなって重層的に示されるシーンは、合理的に理解したいという自然な人間の欲求を、ことごとく裏切ってくる。
夢だったのか? 妄想だったのか?
あるいは自我が分裂しているのか、はたまたいわゆる「偽りの記憶」の映像化なのか?
周到に観る者を混乱させる。

こんな人の悪いシカケは、濱口竜介『悪は存在しない』に匹敵するかもしれない。
つまり、鑑賞中はもちろん、鑑賞後もしばらくのあいだ「曖昧さ」に身を置く覚悟は必要だ。
別に「耐えろ」とか「我慢しろ」と言うつもりはない。
もやもや、イライラしたって構わないのだが、「『曖昧さ』という苦痛をあえて受け容れる」つもりでないと、フラストレーションが高まるだけだろう。

これ、たぶん最低1回、ひょっとしたら2回以上観に行って初めて腹に落ちる、と言うか、自分なりのケリを付けられるのかもしれない。
それはむしろ不快ではない。
浅知恵のトリックではなく、深く、重い、簡単に答えられないことにアンダーラインを引き続ける行為だからだ。

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LukeRacewalker

4.0 戦争が終わり平和が訪れたはいいが、しばらくしてやってくる「どうや...

2025年9月8日
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知的

難しい

カワイイ

 戦争が終わり平和が訪れたはいいが、しばらくしてやってくる「どうやって生きていくか?」。新しい価値観が入り込みながらも依然、男社会。その男たちもまた生きていくための仕事で疲れ、イライラしているか、価値の変化に苛まれているような時代の中で、頼る者無き女性、加えるなら戦前、裕福で高学歴だった女性ほど辛い時代だったと思います。これまでの価値とは違う生き方を貫くためには、嘘をつき、過去を消し、強い男(戦勝国男性)に付くこともあったと思われますが、「子供」の存在はそれをするに大きな障害だったのでしょう。とはいえ生々しく泥臭いシーンはほとんど無く、幻想的な映像も絡めながら「影の部分」は観る側の想像に任せていくシナリオです。一方で男社会に迎合しつつも、清々と生きている雑草女性:藤原(演・柴田理恵)が対比して描かれているようにも見えます。あの時代はまだ、どちらに向かう女性が幸せだったのか、考えさせられるとこでもあります。
 総じて清楚な女性・悦子を演じる広瀬すずさんのお姿と耳触りの良い長崎弁?に終始目と耳を奪われながら、過去との葛藤をミステリー絡みで追っていく映画でした。と言いたいところですが、結論めいた物語でもなく、悦子の「走馬灯的夢映像」、もしくは「グレー・ファンタジー」に包まれた時間でした。

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hiroishi

5.0昭和シネマの陰影の裏に隠された真実

2025年9月8日
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戦争、原爆、差別、偏見の中、もつれた糸のように入り組んだ、一女性の自分史。
イギリスに住む母親が娘にその自分史を初めて語る。だが、その物語はなぜかミステリーじみてくる。
現実と幻想、嘘と真実を超えた時空間が、イギリスと長崎の間を行き交う。
誰にも語ったことがなかった母親の過去。
戦争シーンも原爆シーンも登場しない。なのに、その傷跡が戦後の復興に向かう日本の映像に投影する。
高度成長期に向かう仕事人間の家父長的な夫。戦前の教育は何だったのかという問いに苦悩する義父。米兵との間に娘がいる謎の女性。
母親の過去は、くっきりとした昭和の映像とは対照的に、輪郭が陽炎のようにゆらめいている。
彼女が一体どこに身を置いているのか、一瞬見失ってしまう。
なにが現実でなにが幻想なのだろうか。
だが、ひとたび彼女の娘が、亡き姉の開かずの部屋の扉を開けた時、一気にすべての焦点が合う。
そのあまりの衝撃に予期せぬ涙が頬を伝う。
彼女の辿ってきた運命がどうあろうとも、彼女が長女の部屋とともに封印してきたもうひとつの自分に胸が打ち震える。
昭和シネマの陰影を見事に再現してくれた石川監督、広瀬すず、二階ふみら女優陣の力量に完全に圧倒された。

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ジョー

4.0お母様の!

2025年9月8日
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長崎で過ごされた1954年から5年間の記憶より、原作者のお母様からのお話を元に描かれた長崎での経験と差別。
長崎と言う閉鎖社会での差別は、相当の事があったと思われ、その中で将来の事を悲観してのイギリス移住を選択されたとも思われ、この悲しい経験の中で日々の穏やかな暮らしを送ることが出来た原作者の心境を感じられる作品。
長崎が最後の原爆被曝地となる様に、核廃絶を願うばかりで有る。

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kentenpura

5.0思い出に「嘘」はつきものです

2025年9月8日
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カズオ・イシグロのデビュー作が原作である事以外の詳細はなるべく情報を入れずに観ました。
映画の終盤、稲佐山で佐知子が悦子に「わたしたちは似てるもの」のセリフでこの映画の謎が見え始め、ニキが母と景子の長崎での写真を見ることになり、悦子の「嘘」は何処にあるのか?をどうしても突き止めたくなり鑑賞後に原作本を購入し読ませていただきました。
映画は物語の背景や登場人物など基本的な部分は原作に忠実であり重要なエピソードもそのまま描かれていますが、戦後7年経過した長崎が舞台でもあり(終戦80年の節目でもあり)日本人が持っている戦争への後悔や傷跡をより表現する為、悦子のバイオリンのシーンで「私のせいなんですと」と涙ながらに吐露させたり、二郎も戦争で大きな傷を負った設定にされたとのことです(映画パンフに記載)。戦争シーンも原爆シーンも一切無くてもあらゆる背景やセリフで充分にこの映画が伝えたいことは観客は理解できます。
そして、問題の「嘘」は原作では悦子がニキに「あのときは景子も幸せで、みんなでケーブルカーに乗ったの」と思い出を話す時だけであり、それ以上の物語の解釈は読者に任せていた。
映画を作るにあたって石川慶監督は大胆にその解釈を悦子=佐知子にして表現してみせたのでした(もちろんエグゼクティブプロデューサーのカズオ・イシグロも納得して)。
監督が熱望した広瀬すずと二階堂ふみの「対決」は大正解でした。2人の噛みあわないような会話(原作通り)が映画の不可思議な雰囲気を醸し出しましたし、50年代60年代映画に出てくるツンとすました女優のような演技をこなした二階堂ふみが特に素晴らしかったです。又三浦友和(緒方)は渡辺大知(松田)と対峙するシーンで、戦時中「愛国教育」が正義と信じていた教職者の苦悩、葛藤を見事に演じていた。とにかく素晴らしかったです。スタッフ・キャストの皆さんの入念な仕事への取り組みがスクリーンいっぱいに表現されたと思います。観て良かったです!

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アベちゃん

3.0夢と記憶と事実と

2025年9月8日
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原作未読。
謎が徐々に解けていくのを期待しましたが、序盤で先が読めてしまい、違和感ある演出が目に付いて、あまり楽しめませんでした。
「感動のヒューマンミステリー」とありましたが、ちょっと違うような。簡単に言うと「記憶のすり替え」かな。叙述トリックなので、早々とバレてしまえば台無しです。分かり易い設定は、原作からそうなのか?

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つもろう☆

3.0ミステリアスな女性たち

2025年9月8日
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戦後の長崎を舞台に、原爆や戦前教育という背景を持ちつつ、イギリスに渡った日本人女性の回想をミステリータッチで描いているという感じなのかな。
カメラワークがミステリーっぽくて、何が謎で何が現実なのかドキドキしながら観ました。
吉田羊、広瀬すず、二階堂ふみの三女優の競演が、それぞれにミステリアスで面白かったです。
何となく違和感を持ちながらイギリスパートを観てきて、最後は腑に落ち、それが一寸怖くて、でも納得いった感じかな。
吉田羊さんの流暢な英語に、セリフとはいえ驚きました。
三女優皆さんピッタリな配役だったと思います。
舞台を観てるようでもありました。

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Jo

4.5ぜひネタバレレビューは見ずに行ってください。

2025年9月8日
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知的

驚く

斬新

原爆投下からの絶望、復興への希望、願望、そして現実。素晴らしい三人の俳優によるミステリアスな描写。途中からの違和感にハッとさせられました。これは名作ですよ。
ぜひネタバレ見ないで鑑賞してください。

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アマッポ

4.5曖昧が引きずり出す観客との鬩ぎあい、圧巻の広瀬すずに刮目

2025年9月8日
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知的

難しい

斬新

 戦後80年の節目を目指したのか、よりによってノーベル文学賞の巨匠カズオ・イシグロの処女作を以って、長崎原爆の残影を描く。脚本・監督・編集を担った石川慶は映画的なアプローチを果敢に攻め、ミステリーの仕掛けを内包し女性の懺悔を温かく。と同時に、親に従うと言う当たり前の概念で遠く日本を離れされられた理不尽を、原作者自身の来し方に重ねることにより生きづらさにリアルを重ねる。ミステリー形式とは言え、隠されたパズルは決して解かれることはなく、むしろ曖昧なまま提示される、敢えて答えを避けることによる深淵を感じ取って頂ければと。文学でなら可能でしょうが、映像で具象として描く作品でそれを実践し成就させた技量は相当なものです。

 この監督の挑戦を確実に支えたのが主演の広瀬すずです。圧巻とはここでの彼女の演技であって、可愛いアイドル女優はあれよあれよで既に大女優の風格に確実に成長しておりました。映画全盛期の頃の映画スターは当然に美男美女であった、スクリーンを注視し続けうる「美」が必要だったから。吉永小百合が引っ張りだこだったのは当然で、彼女に限らず「美」の上に「演技」が花開く。その意味でピークの頃の吉永に生き写しの圧倒的な広瀬の「美」がスクリーンを支配。そのうえで、視線から眉ひとつ口元ひとつ指先ひとつ肢体の僅かな捻り、そして口跡の的確な表現、すべてを駆使して監督の目指す人物をスクリーンに具象化する。素晴らしい「主演女優」に心奪われるってのは本当にあるのですね。来年春の日本アカデミー賞の主演男優は吉沢亮なのは100%で、主演女優は本作での広瀬すずでしょう。もっとも出演作が怒涛の勢いで、続く「宝島」でどう観客を揺さぶるのかまだわかりませんが。

 まるでタイプの異なる二階堂ふみにとっても、最高の魅力を発揮できたのは確かで、スカーフを巻いたキリリとした意思を湛えた明確な美女は目も覚める程。広瀬と二階堂の2人で行動する長崎の陽光輝く光景は戦後の復興目覚ましい勢いを感じさせる。対する1983年のイギリス式庭園の美しい邸宅の光景はしかし日差しがあるにも関わらず、どんよりと薄暗い。実際にまるでライティングを自然光に委ねたような暗過ぎの中で、吉田羊とカミラ・アイコの噛み合わない会話劇によるコントラストが秀逸です。ネイティブスピーカーのカミラ・アイコの欧米風の演技に対し、吉田の重い演技が本作の肝でもある。ほぼ総て英語のセリフをこなし、結局のところ本作における30年間の総括を滲ませなければならない難役を見事にこなされてました。

 対する男役ももちろん、松下洸平も三浦友和も心地よい演技でしたが、何故か浮いたような存在感の希薄を敢えて滲ませたのでしょうね、作品の方向性の必要性から。終戦を境に価値観の180°の転換により戦前の忠心を非難され、激高する主人公の義理の父親(三浦)。しかしずっとロングショットのままの醒めた描写に留め、何事かしらと立ち上がる広瀬の風情の凄まじさ。なんてことないただ立ち上がるだけなのに、起きている事象を涼風のように流してしまう映画的表現に舌を巻く。

 (以下、ネタバレ含む) 解釈もいろいろですが私的には、長崎での佐知子こそが本当の悦子であり、そこで語られる悦子はとりもなおさず、望ましかった自分を理想的に夢想で描写。万里子は景子であって、ニキとは異父姉妹となる。従って前述の男2人の存在の薄さから、すべては悦子の意識の中だけの息遣いでしょう。とりも直さず原爆の直接・間接の影響を忌避したい闇の存在が浮かび上がる。ケイト・ウィンスレット主演の「リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界」原題「Lee」2023年での晩年のイギリス邸宅での庭の描写と、語られる謎も含め、本作と極めて類似する描写に驚きました。

 カズオ・イシグロはノーベル文学賞受賞でも映画への訴求は強く、本作ではエグゼクティブプロデューサーとしても参加。「生きる LIVING」原題 Living 2022年では脚本も製作総指揮も担ってますね。石川慶との接点は知りませんが、望むべき最高の化学反応が起きたのが本作です。日本・イギリス・ポーランドの3カ国合作による国際共同製作ってステージが効いているのでしょう。

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クニオ

2.5信頼できない不安に塗りつぶされた過去

2025年9月7日
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主人公視点(一人称)で語られる「殺人事件の犯人が主人公」ってミステリー、小説なら面白くできるけど、映画だと(=映像化すると)めちゃつまらないケースが多いじゃないですか。
語り手の信頼度を落とすことで、客を不安で揺さぶる、いわゆる「信頼できない語り手」。
本作も、そんな作品に似た印象。

語り手の自分(主人公)が嘘をついているというか、妄想を信じたがっているというか。
おそらく「こうだったらいいな」という夢見た過去、目指した姿を、虚実入り混じえて娘(=観客)に語り、そこに生じる謎を"ミステリー"と言われても……

原作未読なので、再現度、忠実度は分かりません。
ただ、おそらく原作小説は語られない事項を増やしてより曖昧模糊とすることで、「人間の記憶の曖昧さ」と「信じたいもので自己の記憶が塗り替えられていく罪深さ」みたいなものを伝えるために、もっと解釈の幅を広げる余地を残し、読者の心理を揺さぶったもののようにしている気がします。
映像化した故に、過去の記憶が具体性を帯びて生臭く、そしてうさん臭くなったような。
ちゃんと原作が読みたくなりました。

石川慶監督は、『ある男』『蜜蜂と遠雷』は好きだったんだけどな……
今回は『不都合な記憶』『愚行録』寄りで、ちょっと苦手。

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コージィ日本犬

3.0難解…

2025年9月7日
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原作を読んで無いのでわかりませんが、
映画はひねりすぎ?足りな過ぎ?
私レベルでは微妙です…

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alreo

2.5意味わからん。

2025年9月7日
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前半睡眠。途中からしっかり…。しかし誰が誰だか…?。広瀬と二階堂の美しさの競い合い。役どころ以前の広瀬の人柄の良さが現れて見えたのは自分だけか。まりこ役の少女…良かったな。羊さん…ほとんど英語。役者はなんでもこなさなければならぬ。昭和の背景…トヨタセリカ登場…良かったなー。

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Cinemaオタク女

4.0演技力が凄い

2025年9月7日
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広瀬すずと二階堂ふみの演技力が凄いです。
ストーリーも途中、???となりましたが、最後にそういうことか!となり、スッキリします。
作り方がすごく丁寧で上手な映画だと思います。

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とも

4.0あの頃の自分を抱きしめる

2025年9月7日
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泣ける

悲しい

癒される

後半になって、佐知子は、悦子本人だったと判る、悦子がどのように景子という娘を得たのか?
夫の二郎、悦子と二郎を繋いだであろう緒方も、映画のあるエピソードは、真実ではなさそう。こういう暮らしの中で、景子を産みたかったということではなかったか?
自分の生き方を嫌う景子とは、景子が自殺する最後まで、和解することはなかったようである。
 お祭りからの帰りの電車のシーンが一番秀逸、捨て猫のおうちをゲットして喜び、珍しく悦子にやさしい景子。
 その電車の中の母子を遠くから見つめる
悦子の心、悦子は嗚咽していたか。

自分の生き方の犠牲者になってしまった景子に対する贖罪か、でも
当時の長崎の状況、被爆し、頼る者をすべて失った境遇の中、娘を守って、なんとか生き抜こうとすることの過酷さは、想像を絶する。
英国で、なんとか暮らしを立てたのに、
一番守ろうとした景子が自殺してしまう悲しみは、自分の行き方を二度と許されないことが確定した絶望。
それでも、もう1人の娘、ニキには
なんとか、解ってもらいたくての回想、作り話、一人語りだったのだろうと思う。
悦子は、あの頃の自分を、
思いきり抱きしめて、「でも、よく頑張って生き抜いたね」と言ったのだと思う。
遠い山なみを見ながら。

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ハル

4.0光と影

2025年9月7日
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知的

あの原爆破壊から7年、決して癒やす事の出来ないトラウマを隠して、朝鮮特需と高度経済成長で日本は復興に邁進。
暇になった旧い父世代男性は過去を正当化したく、新しい息子世代男性は新しい時代の超多忙戦士。
置き去りにされるのは相変わらず女と子どもだが、どの女も生き延びる為に自立しようと男たちより逞しい。
悲惨な戦後なのに、希望に向かって明るく、若き主人公広瀬すずと二階堂ふみはキラキラ輝いてて美しい。

一方、その後渡英し我が道を選んだ老いた主人公の暮らすイギリスの静かな田舎家は、雨か曇かのトーンで明るさはなく、様々なトラウマの影が朧げに、母と娘の会話も冷え冷えとしている。

その光と影のコントラストが、悲惨な被爆、戦争戦後時代よりも、現代の方が更に生きづらいのだろうかと、(自分もカズオ・イシグロ世代なので)考えさせられた。

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ゲド

3.5配役はなかなか良い。広瀬すず、二階堂ふみは巧い。三浦友和はアウトレ...

2025年9月7日
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難しい

配役はなかなか良い。広瀬すず、二階堂ふみは巧い。三浦友和はアウトレイジの時のままのような感じを受けた(苦笑)。ストーリー的に、私には少し合わなかったようだ。勿論、作品自体は良い出来だとは思うけど、自分には合わなかったという意味です。

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toya1008

4.5原作のモヤモヤを吹き飛ばす演出!

2025年9月7日
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原作者であるカズオ・イシグロ氏をエグゼクティブプロデューサーとして参加させ、原作に忠実な写実と、原作にはない要素をバランス良くブレンドした傑作です。
カズオ・イシグロ氏の小説の特徴でもある…読者によって捉え方が分かれる…ある意味読み手の自由度が高い構成は…時に、読後にモヤモヤ感が残ります。それが彼の作品の真骨頂でもあるのですが…捉え方のバリエーションの一つにフォーカスを当て、斬新でミステリアスなストーリーに展開させたのは、脚本の勝利とも言えましょう。
広瀬すずの演技が光ります。「こんなに…演技うまかったか…」と唸ります。また二階堂ふみの圧倒的存在感と美的オーラは、才能でという言葉では表せない。彼女は役者が天職なのでしょう。そして吉田羊の英語が美しく、その佇まいは、当時、外国に移住した日本人の持つ憂いや諦念を描き出します。三浦友和は…やっぱりカッコイイ。アウトレイジばりのど迫力演技は圧巻です。
生き残った者の視点から、原爆後の長崎を捉えています。私たちが気付かされることも多くあり、戦後80年の今年にふさわしい良作だと思います。おすすめです。
ちなみに原作を読まなくても、全く問題ありません。

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愚者

3.0原爆は恐ろしい。

2025年9月7日
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悲しい

物語の構成や視点は面白いし狙いもわかりますが、う〜ん映画作品として面白かったかどうかと言われれば何とも言えません。
どちらにしろ戦争で翻弄された主人公の苦悩は伝わりました。原爆は恐ろしい。

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光陽

5.0その時代を目撃するWitnessing an Era

2025年9月7日
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興奮

知的

驚く

映画を観て、その後、原作読了。

直後に原作に当たったのは、
映画の肝になるストーリーの確認のため。
原作にはハッキリとは書かれていなかった。

映画観た後で、
筋立ては尺に合わせて短くなり
話は前後し、
内容も一部変わっていたけれど
恐ろしいくらいまで、
原作との違和感がないことに驚いた。

むしろ、実写化の力を存分に味わえる。
原作者がスタッフとして関わりそれが
良い方向に作用した好例。

広瀬すずさんと、二階堂ふみさんのやりとりは
まさに悦子と佐知子の関係そのもの。

物語によってあの時代を生きた
あの時代を経験した人々を
永久保存して未来に繋げたと感じた。

物語の力によって真実を語る、
それを具現化している。

キャスティングにより、
時代の変化に取り残された者
時代の変化に対応していった者
時代の変化を受け入れた者
彼らが描かれ、
あの時代を垣間見たような感覚に襲われる。

今の映像技術ゆえに、
描く事が可能になったんだろうな。
10年前だとチープになった可能性もある。

やっぱり映画って凄い。

I first watched the film, then immediately picked up the novel it was based on. I wanted to confirm the core storyline, only to find that in the original text, it wasn’t as clearly stated as in the adaptation.

The film shortened the plot to fit within its runtime, shuffled the order of events, and even altered parts of the narrative. And yet, astonishingly, it felt seamless—there was no sense of dissonance with the source material.

Instead, the adaptation demonstrated the true strength of live-action filmmaking. It became a perfect example of how the involvement of the original author as part of the production team can enhance the work in a positive way.

The exchanges between Suzu Hirose and Fumi Nikaidō perfectly embodied the relationship between Etsuko and Sachiko. Through their performances, the story seemed to preserve the lives and experiences of that era, carrying them forward into the future like a time capsule.

This is the power of storytelling: to convey truth through fiction, and the film brought that idea to life.

The casting highlighted those left behind by the tides of history, those who adapted, and those who embraced change. Watching them unfold on screen gave me the uncanny sense of peering directly into that bygone age.

Thanks to modern filmmaking techniques, the film could achieve this depth of portrayal. Had it been attempted a decade ago, it might have felt flat or cheap.

In the end, I was left with a renewed sense of awe—cinema really is something extraordinary.

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新米エヴァンゲリスト

3.5登場キャラが理解できなかった。

2025年9月7日
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鑑賞方法:映画館

原作は全く知らないけれど広瀬すずが主役なので、かなり楽しいんじゃ無いかと期待しながら着席。日本・イギリス・ポーランドの合作なんだけど、登場人物は日本人ばかりだから、ずっと日本語かと思ってたら、日本人親子で英会話、イギリスに住んでても日本語使うんじゃないかと思ってたが、娘のニキはイギリス生まれだったので、日本語喋れなかったのね。ずっと過去と未来が行ったり来たりで、会話が楽しかったんだけど、分からない事だらけだった。広瀬すず演じる悦子は、いつイギリスへ移住したのか?旦那と長女が亡くなった理由がわからなかった。えっ!?広瀬すずと二階堂ふみは名前が違うのに同一人物だったの?モヤッ!長崎の近所に住む佐知子の娘、万里子の性格にイラっとしちゃった。万里子はアメリカに行くって言ってたのにイギリス?万里子の猫に対する行動ひどかったよね。ストーリー的にはあまり楽しくなかったが、すずのお陰で眠くならずに最後まで観られました。ソコソコでした。

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涼介
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