「色々と後から反芻してしまう映画だった。時間が経つと段々と大きな映画に思えてきた。」遠い山なみの光 mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)
色々と後から反芻してしまう映画だった。時間が経つと段々と大きな映画に思えてきた。
映像が、日本映画らしくなく、重厚さを感じさせる映画だった。
カメラマンがポーランドの人だそうで、そのせいか。
石川慶監督作品は、「蜜蜂と遠雷」を見ただけだけど、上手い監督だった印象がある。
今回は、なかなかすごい!
この映画の広瀬すずと二階堂ふみを見るだけでも価値がある。広瀬すずは、今までの中では一番いいし、二階堂ふみは、ちょっと尖っていて彼女も今までの中ではベスト級の演技。
他の吉田羊、カミラ・アイコ、松下洸平、三浦友和も良かった。
話は、色々な読みができる構造の映画で、見終わった後にあとを引く。
最初に見た劇場のスクリーンが暗かったのと、話の内容も含め見直したいところもあり、今回は2回見た。
1回目は、イギリスパートなどの陰影のある映像が、黒潰れがひどくて残念な映像だった。それで、比較的明るいスクリーンの劇場で見直した。
見直すと暗部の階調もしっかりあり、イギリスパートの映像の印象が全然違っていた。(これから見る方は、明るいスクリーンの劇場で見ることをお勧めします)
カットが繊細に吟味され撮影されているのが感じられる素晴らしい演出と映像。この映像を味わうだけでも楽しい映画だった。
「小説」を「映画」としていかに成立させるかにこだわっている演出だったと思った。それはほぼ成功されていると思う。(もう少し、曖昧な映像表現ができれば良かったかも)
そして2回見ると、この映画の主人公は、吉田羊(82年の悦子)であることが素直に納得できた(当たり前の話だが)。それでラストには3人のキャラクター(52年の悦子と佐知子と82年の悦子)がしっかり統合されていくのが感じられた。それが感動的だった。
それに長崎シーンで、途中に何度か出てくる黒服の女性は、実は82年の悦子だったのがわかる=筋としては全く論理的でなくおかしな話だが、映画的には納得できた。それが、82年の悦子(吉田羊)の後悔の中に生きてきた切なさに繋がり、彼女は苦しんでいたことが私には腑に落ちた。そしてラスト、それを包み込む娘ニキ(カミラ・アイコが名演)の優しさ。
そう思えると涙が出た。
これからの再出発を予感させて終わる。
色々と後から反芻してしまう映画だった。時間が経つと段々と大きな映画に思えてきた。
お返事ありがとうございます。
すずちゃんから、ベテラン女優のような
変幻自在な存在になった気がしますね。
頼もしいですね。
共感もありがとうございます。
フォローさせてくださいね。
宜しくお願いします。
共感有難うございます。
とても分かりやすいレビューを有難うございます。色んな方の考察も参考に辿り着いた答えは悦子の罪悪感でした。でもニキに理解してもらえたのは、救いでもあり悦子が一番欲しかった娘との絆だった様に思いました。
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