「あとから謎とき楽しめる映画」遠い山なみの光 うすたらさんの映画レビュー(感想・評価)
あとから謎とき楽しめる映画
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1982年に刊行された,ノーベル賞作家カズオ・イシグロの長編小説デビュー作をもとに石川慶監督で製作された作品です.
晩年の悦子を演じる吉田羊は,撮影前に英国に短期留学しただけあって,流ちょうな英語での演技は見事です.
最近うなされる夢について,友達のはなしという形で,自らの過去の話をしますが,30年前の物語で登場する,若き悦子役の広瀬すずと友達として登場する佐知子役の二階堂ふみが,いかにも昭和の女優という雰囲気を漂わせていて,素晴らしかったです.
なぜ,悦子が二郎と別れることになったのか(たぶん悦子が被爆者であることを知ったため),なぜけいこが自殺したのか(たぶん「猫」のことが尾をひいて英国に馴染めなかったため),なぜ回想シーンで晩年の悦子が若い悦子たちが乗っている電車を見ていたか(たぶん晩年の悦子が自分を客観視できるようになってきたため),など謎が多く,その答えを想像することも楽しめる作品と思います.
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