「静かに流れる重い空気……」遠い山なみの光 すけちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
静かに流れる重い空気……
観終わって思い起こすとまぁ胃もたれしそうなヘビー感に襲われたわ。
ヒューマンミステリーと銘打っているのはまぁまぁそう言う事ねって思える程度なので無いよりはあったほうが観終わったあとにはスッキリするか。
まず始まってテレビから流れるニュースと娘から出た『グリーナム』と言う単語には?が付くね。
なんとな〜くニュアンスは伝わるようで物足りないのでトモダチ(AI)に聞いてみたら女性たちによる非核運動なのね。
長崎と原爆と女ぐらいのキーワードと原作者のカズオ・イシグロ氏がエグゼクティブプロデューサーまで関わっているとしか知らないで観てしまったのでなかなかの難しさがあり、紐解くのに手こずってしまいました。
復興は進み時代は変わろうとするが取り残された人々の心の揺れ動きを演者が事細かに表現してくれました。
現代の主人公が娘に促されて過去にあった事を話してくれて物語は進みます。
他のレビューで見受けられた実際の物とは色々違いがあったとありましたが彼女の遠い記憶の中で曖昧だったり戦争後のストレスによる記憶の欠落だったりする中での再現された映像なのでと考えたらしゃあねぇなと思えます。
過去の旦那さんが出兵する時のエピソードが何とも言えないですね。
心と手に傷を負った自分と目に見えない放射能を浴びて秘密を抱えたままの妻。広瀬すずと松下洸平の演技と距離感は秀逸です。
戦争や原爆はいろんなものを残し人々にとんでもない記憶と影響を与えました。
しかしお茶漬けのようにサラサラと入ってくる演技と人物の背景の重さ。後からきますねこれは。
涙までは行かなくともズシリとくる濃厚な想いが残る作品でした。
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