劇場公開日 2025年9月5日

「 戦争が終わり平和が訪れたはいいが、しばらくしてやってくる「どうや...」遠い山なみの光 hiroishiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0  戦争が終わり平和が訪れたはいいが、しばらくしてやってくる「どうや...

2025年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

カワイイ

 戦争が終わり平和が訪れたはいいが、しばらくしてやってくる「どうやって生きていくか?」。新しい価値観が入り込みながらも依然、男社会。その男たちもまた生きていくための仕事で疲れ、イライラしているか、価値の変化に苛まれているような時代の中で、頼る者無き女性、加えるなら戦前、裕福で高学歴だった女性ほど辛い時代だったと思います。これまでの価値とは違う生き方を貫くためには、嘘をつき、過去を消し、強い男(戦勝国男性)に付くこともあったと思われますが、「子供」の存在はそれをするに大きな障害だったのでしょう。とはいえ生々しく泥臭いシーンはほとんど無く、幻想的な映像も絡めながら「影の部分」は観る側の想像に任せていくシナリオです。一方で男社会に迎合しつつも、清々と生きている雑草女性:藤原(演・柴田理恵)が対比して描かれているようにも見えます。あの時代はまだ、どちらに向かう女性が幸せだったのか、考えさせられるとこでもあります。
 総じて清楚な女性・悦子を演じる広瀬すずさんのお姿と耳触りの良い長崎弁?に終始目と耳を奪われながら、過去との葛藤をミステリー絡みで追っていく映画でした。と言いたいところですが、結論めいた物語でもなく、悦子の「走馬灯的夢映像」、もしくは「グレー・ファンタジー」に包まれた時間でした。

hiroishi
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