「光と影」遠い山なみの光 ゲドさんの映画レビュー(感想・評価)
光と影
あの原爆破壊から7年、決して癒やす事の出来ないトラウマを隠して、朝鮮特需と高度経済成長で日本は復興に邁進。
暇になった旧い父世代男性は過去を正当化したく、新しい息子世代男性は新しい時代の超多忙戦士。
置き去りにされるのは相変わらず女と子どもだが、どの女も生き延びる為に自立しようと男たちより逞しい。
悲惨な戦後なのに、希望に向かって明るく、若き主人公広瀬すずと二階堂ふみはキラキラ輝いてて美しい。
一方、その後渡英し我が道を選んだ老いた主人公の暮らすイギリスの静かな田舎家は、雨か曇かのトーンで明るさはなく、様々なトラウマの影が朧げに、母と娘の会話も冷え冷えとしている。
その光と影のコントラストが、悲惨な被爆、戦争戦後時代よりも、現代の方が更に生きづらいのだろうかと、(自分もカズオ・イシグロ世代なので)考えさせられた。
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