劇場公開日 2025年9月5日

「原作のモヤモヤを吹き飛ばす演出!」遠い山なみの光 愚者さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 原作のモヤモヤを吹き飛ばす演出!

2025年9月7日
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鑑賞方法:映画館

原作者であるカズオ・イシグロ氏をエグゼクティブプロデューサーとして参加させ、原作に忠実な写実と、原作にはない要素をバランス良くブレンドした傑作です。
カズオ・イシグロ氏の小説の特徴でもある…読者によって捉え方が分かれる…ある意味読み手の自由度が高い構成は…時に、読後にモヤモヤ感が残ります。それが彼の作品の真骨頂でもあるのですが…捉え方のバリエーションの一つにフォーカスを当て、斬新でミステリアスなストーリーに展開させたのは、脚本の勝利とも言えましょう。
広瀬すずの演技が光ります。「こんなに…演技うまかったか…」と唸ります。また二階堂ふみの圧倒的存在感と美的オーラは、才能でという言葉では表せない。彼女は役者が天職なのでしょう。そして吉田羊の英語が美しく、その佇まいは、当時、外国に移住した日本人の持つ憂いや諦念を描き出します。三浦友和は…やっぱりカッコイイ。アウトレイジばりのど迫力演技は圧巻です。
生き残った者の視点から、原爆後の長崎を捉えています。私たちが気付かされることも多くあり、戦後80年の今年にふさわしい良作だと思います。おすすめです。
ちなみに原作を読まなくても、全く問題ありません。

愚者
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