劇場公開日 2025年9月5日

「体と心の共有」遠い山なみの光 kuroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 体と心の共有

2025年9月6日
iPhoneアプリから投稿

広瀬すずファンと言う事で鑑賞。
正直冒頭から一時間半は実に眠かった。
これどうやってラストを迎えるのか?と興味が出きて、あぁそう来るのね、と中々複雑なラスト。
終わってから色々と考えさせられて中々腑に落ちない。
これは考察と言うより、それぞれが感じた事で終わらせて良いんじゃ無いかと。
あの戦争の混乱の中食べて行くのもやっとの時代を生き抜いていた時代、ましてや当時弱者の女性、子供がいかに虐げられていたか。
悦子、佐知子、万里子、誰が実在し、誰が空想とかでは無く登場人物全員が存在し、みんなで意識を共有してると私は感じました。
二郎を旦那に持ち、子を授かり、周りから見れば幸せそうに見える悦子ですら、あの時代は女性は下に見られ旦那に尽くすように言われる。
当時、子供を捨てたり、我が子に手をかけたり、子供を取り違えたり、子供をさらったりと、とんでもない時代に生きた人達を描き、復唱になるが、誰が誰と言う話じゃなくて、みんなの意識と体を共有してると私なりに解釈しました。
あと原爆の差別の事を思い出した。
私事なんですが、当時広島の方と知り合いお付き合いする事になった。
付き合い間もない頃、彼女から私の家族は被爆して無いと言われた。
そうなんや、と特に気にする事も無かった。
数ヶ月過ぎ、彼女の実家まで行く用事があり、親御さんと初めてお会いし挨拶して話していると、私共家族祖父母は被爆してませんと伝えられ、そこで気づいた。
その頃すでに戦後60年以上経っているのにもかかわらず、私がそこを気にしてるんじゃ無いかと親御さんが伝えてくれたんだと。
親御さんにそう思わせてしまう自体、まだ暗黙の被爆差別がずっと今も続いてるんだなぁと。
静かな映画だったが、一生忘れる事のない作品でしょう。

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kuro
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