「シナリオドクターを雇え!」ゴーストキラー 水原秀策さんの映画レビュー(感想・評価)
シナリオドクターを雇え!
アイディアはいい。だが、それを十分に活かしきっていない。非常にもったいない作品。
とにかく「幽霊」についてのルール設定が甘い。乗り移るところはいいとして乗り移ったら幽霊が自分の思い通りに動かせるというところをまず見せないと。さらには動かせた場合でも元は女の子の体だ。スピードもパワーもかなり不足するはずだ。少しそういう描写があるが、敵の殺し屋と互角以上に渡り合っちゃだめだろ。
さらには「成仏」についてもよくわからない。自分を殺した相手を殺したら成仏できるとしたら、その相手がわかった時点で殺そうとしない? 殺そうとして躊躇してやめるのならわかる。というかそもそも幽霊って成仏したがるものなのか? あのままでいてどういう不都合があるんだ?
プロット上でいうとラストの殴り込みにいくところの理由付けがこれまた甘い。なんでいくの? あそこは冒頭出てきた友達を絡めて彼女を助けるためというようにしてくれないと意味がわからない。
他にも「幽霊が離脱した女の子が殺し屋のチョークスリーパーをはずせるか?」とか「影原が住所をなんでバラしたの? 忠誠心? 怖かったから?」とか「笑わない男といいつつ表情が豊かすぎないか」とかとにかくいろんなところの詰めが甘すぎてイライラした。
高石あかりの魅力である程度はごまかせても限界がある。脚本を書いたあともっとしっかりブラッシュアップしてくれないかな、阪元さん。アクションシーンがいいのはわかったから、もう少しだけ工夫してもらえないだろうか。手っ取り早くシナリオドクターを雇うべきかもね。
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