「女体憑依系でもイケナイ方向にいかないのは、魅力がないのかそっち系なのかどっちだろうか」ゴーストキラー Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
女体憑依系でもイケナイ方向にいかないのは、魅力がないのかそっち系なのかどっちだろうか
2025.4.15 T・JOY京都
2025年の日本映画(105分、G)
殺し屋の幽霊に取り憑かれた女子大生を描くアクション映画
監督は園村健介
脚本は阪元裕吾
物語の舞台は、関東某所
居酒屋でバイトをしながら大学に通っている松岡ふみか(髙石あかり)は、エンタメ関係で働きたいと考えていて、イベンターの片山(アベラヒデノブ)に取材をすることになった
片山に指定されたバーを訪れたふみかは、なかなか本題に進めずにイライラしていた
結局はセクハラまがいの時間をすり潰すことになったふみかは、朝帰りをすることになり、家路へと向かっていた
自宅のアパートの近くに差し掛かったふみかは、絶望的な大階段の前で立ち尽くしてしまう
そのまま惰性で登り始めたものの、踊り場で躓いて転んでしまった
そこには、鉄でできたような小さな筒が落ちていて、ふみかは興味本位でそれを拾い上げる
何かの部品のように思えたがわからず、ふみかはそれをポケットに入れて自宅へと戻った
物語は、それが「弾丸」であることが仄めかされる冒頭があり、そこで殺し屋の工藤英雄(三元雅芸)が何者かに殺される様子が描かれていく
工藤は刺客の放った銃弾に倒れたものの、その残留思念のようなものが弾丸に宿ってしまった
そして、それを手にしたふみかに取り憑くことになってしまったのである
映画は、憑依系ボディダブルアクションになっていて、手を繋ぐと工藤がふみかの中に入って体を動かすことができるという設定になっていた
その間も意識はあり、打撃などのダメージをふみかが浴びてしまう
工藤が成仏するには、殺した相手を見つけることのようで、ふみかはそれに付き合わされてしまう
だが、工藤は裏社会の人間であり、片山や彼の連れのナルミ(倉冨なおと)などの反社会的行為を行なっている人間を熟知していた
それによってふみかのピンチを救うことになるのだが、ふみか自身はこのような悪を許せず、人のために行きたいと考えていて、工藤の復讐に手を貸す中で、自身の正義を体現していくことになったのである
ふみかには親友のマホ(東野絢香)がいて、彼女は彼氏のリュウスケ(一ノ瀬竜)から暴力を受けていた
ふみかはその現場を目撃し、それが許せずに工藤の力を借りることになった
だが、工藤は手加減のできないプロの殺し屋なので、ふみかはそのやり過ぎ加減に巻き込まれてしまうのである
物語としてはそこまで特筆するものではなく、ほぼほぼ予定調和として、アクションをどのように見せるかという内容になっていた
二人一役っぽい感じになっていて、ラストバトルは場面ごとに演者が切り替わるというのはよかったと思う
今回はプロと素人という感じになっていたが、プロとプロがひとつの体を奪い合う中で共闘するというプロットでも良かったのかなと思う
工藤がふみかの体を借りていたが、気を失った影原(黒羽麻璃央)の体に憑依するとかで共闘するというシナリオも面白いのかもしれません
いずれにせよ、『ベイビーわるきゅーれ』っぽいのを見たい人ならOKの内容で、女子ダブルからの解放をどう考えるかだろうか
シナリオとしては、影原の想い云々のあたりはダサめになっていて、共闘が工藤と影原に集約してしまうのは勿体無いかなと思う
あくまでも、素人が殺し屋に体を乗っ取られた中で覚醒するというメインプロットがあると思うので、憑依から抜けても体が動きを覚えて対応してしまうというファンタジー要素を入れても良かったのかな、と感じた