「髙石あかりの独擅場」ゴーストキラー Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
髙石あかりの独擅場
オープニングからアクションすごいね。工藤が三対一でやっつけてくの。
型はシラットなの? 手の動きが独特で早い。
「おお勝った」と思うと撃たれてしまい、薬莢が転がってくんだよね。何かこれがキーになるのかと思ったら、キーになってた。
そしたら髙石あかりが居酒屋でオーダー取ってて、こういう演技はうまいよね。
嫌な男と朝まで飲んで、薬莢拾って、アパートに戻るとDV受けてる友達がいて、なんでか幽霊の工藤が見えるようになってるっていう。
ここで友達置くのもうまいよね。独りで幽霊見えるようになっても、実体なのか幽霊なのか分かんないし。
それで取り憑かれて、ちょっとアクションやったんだったかな。
このときは「アクションやらせるなら、伊澤彩織の方が良かったんじゃ」と思ったんだよね。
でも、取り憑かれたときに一人二役を台詞だけで演じるから、かなりの演技力がいるんだね。だから髙石あかりなんだよ。
そして友達が叩かれてるところに遭遇し、髙石あかりは正義感の強さから、工藤を取り憑かせて男をボコボコにする。
この辺までで設定説明が終わるの。面白く観てる間に設定が説明されてていいね。
そして髙石あかりは、女の子に薬を盛って暴行することを繰り返してる悪いインフルエンサーを退治にいくと。
阪元裕吾監督の脚本は、無茶あるんだよね。
「どうして、そういう感情の動きをすんの?」っていうのが、説明されきってないの。
「高石あかりは女性というだけでなめられていて、そのことに怒りを持っていて、また正義感も著しく強いので、インフルエンサー退治にのりだした」ということなんだと思うけど、シーンで描きこまれてはいないのね。
洗練されてるともいえなくて、設定説明で使った友達は、そのまま放置だったりね。別れ際に「防災ブザーありがとう」ってやってたら、友達はひどい目にあって防災ブザーだけ転がってるとか、やりそうだよね。でもやらない。
そんな脚本なんだけど、観てるとなんか納得すんの。感情の動きが自然ではないけど、「こうなって欲しいな」って方向に動くから、見逃すのかな。もしくは髙石あかりの演技がうまくて納得させられるのか。この辺が不思議だと毎回思うね。
インフルエンサーの後始末どうすんだよってなって、工藤が所属してた組織の男を呼ぶんだよね。黒羽麻璃央が登場して、ここから本題。
工藤と麻璃央の確執があって、一回は飼い主になびいた麻璃央も、やっぱり自由に生きてくんだと決めるんだね。髙石あかりの真っ直ぐな性格が工藤と麻璃央に影響を与えていて、それで変化していったと。その辺も深く描きはしないぞと。
アクションで幽霊の工藤が敵の動きを探って、髙石あかりがその指示に沿って動くのいいね。幽霊ならでは。
工藤、一回は落とされちゃうけど、髙石あかりが頑張って目覚めて、敵をやっつけるの。「二人でやっつけた!」がいいね。
工藤は、自分を殺した組織に復讐を果たしたくて成仏できないでいたから、敵を倒したところで消えちゃうんだよね。髙石あかりにとっても、工藤にとってもハッピーエンドなんだけど、それでも「消えちゃうの悲しい」と思うの。そう思わせる脚本がすごい。細かなとこ描いてないはずなのに、そう思わされる。すごい。
演技パートでは髙石あかりを観て、アクションパートは色んな人の早い動きを観て楽しめるか、とても良い作品だと思ったよ。阪元裕吾脚本 or 監督作品は必見だね。
髙石あかりが頑張って目覚めて一人で一瞬やっつけるところが良かったですね。気づくと居なくなってるところも良かったです。2人の関係に感情移入しちゃってましたから、消えて悲しかった!