「ホラーかと思ったらコメディ要素満載だった」ゴーストキラー 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
ホラーかと思ったらコメディ要素満載だった
「ベイビーわるきゅーれ」の阪元裕吾監督が脚本、同作のアクション監督である園村健介監督が監督を務め、同じく主演の1人である高石あかりが主演となり、しかも題名通り殺し屋の話なので、まさに”チームわるきゅーれ”作品でした。
拳銃で殺された殺し屋・工藤(三元雅芸)が、高石あかり演ずる女子大生・松岡ふみかに憑依し、自分を殺した奴に復讐して成仏を目指すというお話でした。その斬新な発想がGOOD!観る前はホラー要素が強いのかなと思っていましたが、そうした要素は殆ど感じられず、むしろコメディ要素が散りばめられており、中々面白い作品でした。殺し屋役の三元雅芸は初見でしたが、シブくて非常に良かったです。
ふみかが工藤の手を握ると乗り移るという設定も面白く、最初は事情が呑み込めなかったふみかも、親友がホスト崩れの彼氏にDV被害を受けているのを見て、このクズ野郎を工藤の手を借りて成敗することで、運命を受け入れることになる下りも非常に自然でした。さらには自分も狙われてしまう羽目になったことから、積極的に工藤の成仏を手伝うことになるところもスムーズな展開でした。また、格闘の際にふみかと工藤の姿が交互に入れ替わるシーンは新鮮で、非常に面白い演出だと感じました。
ただ、ラストの最強の殺し屋との格闘シーンでは、この入れ替わりが観られず、終始工藤が闘っており非常に残念でした。そう言えば、「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」でも、池松壮亮演ずる冬村との最後の戦いは、相棒のまひろ(伊澤彩織)が全て担当しており、肝心なところで高石あかりのアクションが観られなかったので、同様の残念感がありました。
また細かいところで気になったのは、工藤がふみかに憑依する際には、互いの左手を握るのが基本だったのに、1回だけ右手で握ったのも不思議でした。別に左右に差がある訳ではないのだから、左手なら左手で統一して欲しかったと感じました。そもそも握手は右手で行うものという固定観念がある私としては、左手を使って手を握ることに違和感があり、それを敢えてやっていたと感じていただけに、どうも気になる部分でした。
そんな訳で、本作の評価は★3.4とします。