てっぺんの向こうにあなたがいるのレビュー・感想・評価
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山女の熱い思いがもう少し欲しかった、感動的な人生物語。
物語は田部井淳子さんの波瀾万丈の人生を軸に、家族との愛情、仲間との絆と葛藤が丁寧に描かれていました。
ただ同時に、登山を続ける人間が胸の奥に抱えている、あの独特の“理由”──
なぜ山に登るのか?
その問いに潜む、もっと個人的で原始的な感情にも触れてほしかった気がします。
何者でもない自分が、困難の向こうで「やり遂げた」という小さな確かさを手にすること。
体も心も、少しでも強くなっていく実感を得ること。そして、厳しさの奥に突然あらわれる自然の美しさに胸を打たれる瞬間。
そうした“山男・山女”が抱く生きる勇気の源泉は、どんな名言よりもリアルで、静かな炎のように人を前へと押してくれます。だからこそ、仲間との間に波乱が起きる背景にある思い、命を預けたザイルパートナーとの固い絆、厳しい自然への恐怖、それに立ち向かう仲間たちとの責任、そして誇り──あの現場の心理や息遣いがもう少し深掘りされていたら、登山者にはさらに刺さる物語になったのではないかと感じました。
それでも、山を通して人生を見つめ直すというテーマは力強く、観終わったあとには、自分の中の小さな「てっぺん」をもう一度目指してみようと思わせてくれる、温かい余韻が残りました。
〜山女に惚れるなってさ〜
どーしよ、俺も山女に惚れちまったぞ…なんて戯言はさておき。故郷の英雄の1人にして、奇しくも誕生日が同じという田部井淳子さんをモデルにした映画。
つい先日、福島県三春町にオープンしたmont-bellのお店の中に、田部井淳子さんの常設展示があったのを見た。
女性初のエベレスト登頂成功という栄光の影で、取り巻く家族や所属していた登山の仲間との軋轢という、決して知り得ない裏側も描かれる。それでも彼女は山に登り続けた。御主人もそれを支え続けた。決して美談ばかりではない。そりゃそうよ。ただ単に、エベレスト登っちゃった妻、母親を持っただけなんだ。
今年、30年ぶりにした日帰り登山は、30年前と同じ山。そして30年前一緒に登った父親は今の自分と同じ年だった………そんな個人的な偶然もあって、何か観たくなったのこれ。
視聴者層は圧倒的に中高年が多かった。山が好きな人は若者でも観るといいよ。
若き頃の多部純子をのんが、晩年を吉永小百合という凄いリレー。御主人を若き頃が工藤阿須加、晩年期が佐藤浩市…周りも本当豪華なキャストだ。
久々の邦画で3回うるっと泣きました!
山登りの経験はありません!
でもこの映画は私をいろんな山へ連れて行ってくれました
テントのシーンではあたかも自分が中にいる様な錯覚もしました
音響のおかげかもしれません
映画に入り込む‥ってこういう事なんでしょうか?
俳優の皆さんどの方も素敵でした
吉永さんとのんさん演じる多部さん(田部井さん)の生き様には憧れますね
かと言っても体力的に登山とか真似はできません
が、ピアスはしてみたいと思いました(笑)
今一度、自分を見つめ直してみようと思える映画でした
スッキリとテンポの良し
最初は、役者の実際の年齢と役柄の年齢で、
キャスティングに違和感を感じていたのですが、
観進めるうちに、すっかり気にならなくなっていました。
多部純子さんの前向きな人間性と、彼女を支える人々との良い関係性、
(エベレスト関連はゴタゴタありましたが、
そこは、あまり深掘りされてないように感じました)
また、息子との軋轢、ボランティア活動など、
多部さんの半生が、スッキリとテンポの良くまとまっていて、
終始飽きることなく鑑賞いたしました。
また、のんさんから、吉永さんへ、
工藤さんから、佐藤さんへ、
そこのキャスティングは違和感なく、
あの若いご夫婦が、そのまんま歳を重ねられて、
とてもステキな関係性が描かれていて
多部さんは良い旦那さんと結婚されたんだなぁ、
としみじみいたしました。
The吉永小百合さん
A318 めっちゃまとまっている。これぞ映画的。
2025年公開
涙腺ボロボロまで行かない。
必要以上は刺激しない。
これ以上超えるとクサくなる。
あえて演出をそこで止めてくれたような気がする。
女性によるエベレスト登頂の過程もちょっと不足。
女性ならではのノイズから離脱までももっとドラマがあるはず。
そこはそこで見どころももっとあっただろう。
七大陸踏破の功績も見せなかった。
家庭崩壊ももう少し切り込めただろう。
旦那とのなれそめも映像的に幅広く作れただろう。
病気との闘いも中途半端。
だけどこんだけネタ満開な題材を全部突っ込むと
冗長すぎるし、すべて中途帆半端ととるか
物語をまとめる方を優先するか
監督のセンスが結果的に光る。
東北も絡んでいるのには凄いと思ったし。
音楽の安川午朗
メインテーマが3つの編曲で物語に深みを与える。
俳優陣もイイ感じ。
お気に入りのんちゃん、カッコイイ。
木村文乃ちゃんもこういう優しい役がハマる。
茅島みずき、見事に天海祐希の若かりし頃と被るね。
それと吉永小百合と天海祐希の背の比例が
のんちゃんと茅島みずきでもピッタリだったのは笑う。
他の女性陣、昭和髪型もいいねー
で、最後夫婦愛がしっかり感じられて本当にいい映画と思う。
まだまだいい題材あるやん。
くだらないリメイクだけでなく
こういう映画が見れてありがとうと感じましたね。
75点
鑑賞 2025年11月11日 イオンシネマ草津
パンフ購入¥990
配給 キノフイルム
女たちのプロジェクトが辿った「谷」について知りたかった
原案となった田部井淳子さんの著書は未読。
キャスト陣から想像した通りの「良い話」でした。
が、劇中に散りばめられたエベレスト登頂に至るまでのエピソードが面白すぎて、
なぜここにフォーカスを当てて作ってくれなかったのかと残念でならない。
女だけで資金を調達して、女だけで世界の最高峰を踏破する。
こんなビッグプロジェクトを成し遂げて、その後グループが瓦解していく様子を
なぜ克明に描こうとしなかったのだろうか?と不思議でならない。
(トラブルのために、登頂アタックから外された広江さん役の円井わんの押さえた演技が良かった。彼女が田部井淳子を演じる作品であっても良いのではないかと思ったくらいである。)
女が事業を成し遂げるとき、そこに立ちふさがる壁をいかに乗り越えるのか。そして、乗り越えられなかった女がどう生きたのか。
エベレスト登頂成功の陰に、夢を田部井ひとりに持ち逃げされたように感じた女たちがいたことに触れたのなら、もう少し踏み込んで描くべきではなかったのかと感じてしまった。
田部井夫妻の出会いのシーンの美しさや、
グレかかった息子さんが立ち直って母の意思を継いでゆく様など、
「良い話」に持って行きたい指向は理解できるけれど、
時代はそんなに悠長にラッキーな展開を夢想できるほど幸せですか?と思うのです。
むしろ、なぜ絆を結んだと思った友人たちと袂を分かってでも
先に進むパワーの根源を探ることの方が時代の要請ではないのかと感じた映画でした。
危険!サユリストは読まないでください。
この何年か、吉永小百合の作品を欠かさず観ている。とても面白い。
「シベ超」や「ペキフー」が楽しいという意味で面白いのだ。
そして水野晴夫の演技が素晴らしいと同じ意味で吉永小百合の演技が素晴らしいのだ。
芸歴70年近く、100本以上の映画に主演していてこれだから、驚異的だと思う。
しかし本作は想定外に良い話でした。
震災後だと思うんだけど、福島駅の新幹線ホームで田部井さんをお見掛けしたこともあり、なかなか興味深い、そしてもろもろの要素を盛り込んだグッドムービーでした。
大きくわけて、1975年ころの「のんパート」と2010年からの「吉永パート」が交互に描かれるのだけど、田部井女史のエキセントリックな(常識から飛び出た)部分をのんが好演していたし、野球選手工藤の息子さんもとてもよかった。
ストーリー自体、ウーマンリブ草創期のあれこれあり、家族の絆のあれこれあり、震災後の活躍アリ、夫婦の愛アリで、単純に感動できるシロモノでした。
しかしそれでは済まないのが吉永映画の真骨頂。
この母ちゃん(のん)の息子として生まれたらグレるかもしれんと思わせるのだけど、吉永パートになるといつも通りの完全無傷の吉永なので、息子がグレるわけないじゃんというネジれ現象。
いよっ、待ってましたという気分です。
末期のガンだってのに、髪の毛ふさふさで決して貧相にならない吉永。
床ずれ防止にバスタオルを腰にいれるほどなのに、寝ぼけて思いっきり元気なバンザイをする吉永。
山の上なので、まわりを見まわして誰もいないのを確認してから、佐藤浩市のほっぺにチュッとする吉永。
この辺りを観たくてお金払いましたのよ。
本筋的には和泉雅子さん主役で観たかったなって感じ。
それに天海祐希とのコンビ部分は、いつスカイダイビングするんだろうって思っちゃうからこういうキャスティングはやめてほしい(笑)
劇場は高齢者しかいませんでした。ほぼおじいちゃんたち。やや高齢者夫婦。
シベ超ファン、ペキフーファン、サユリスト、仲良し夫婦を何十年もやってきた方々におススメです。
家族の映画であり夫婦の映画であり好きな事を貫く映画である
主演吉永小百合だけど、出演者みんなにストーリーがあって誰が主役って言ってもいいんじゃないかと思う。
朝ドラになってもいいような生涯を描いたストーリーだったけど、朝ドラにしちゃうとヒロインが最初から最後まで1人で演じるのが常で、終わりが老人コスプレになってるけど、ちゃんと俳優を切り替えるこの映画が正解で全く違和感なし。
特にのんさんと吉永小百合さんの方言のイントネーションが全く同じに感じたし、時代が頻繁に変わる演出で、俳優が変わるとおかしくなりそうなのに全く違和感がなかった。
1人の人生を描いたので亡くなって終わりに行くのかと思っていたけど、そうじゃなくて、最後の若いのんさんと工藤阿須加さんの♥と現在の吉永小百合さんと佐藤浩市さんの♥で終わるのが最高でした。
妻と観に行って良かった。
この家族愛はドキュメンタリーなのか?
タイトルから想像してたのは、婆さんの旦那がエベレストに登るのを応援するラブコメディ。楽しそうだなと期待しながら着席。
吉永小百合演じる多部純子が2010年に余命3ヶ月の癌と診療されたのに、医者の言葉を信じなかった。それ、やばくない?一緒にいた佐藤浩市演じる旦那の正明が、妻の気持ちを受け入れていた。自分的にはもっと医者の言葉を受け入れて闘病するべきだと話しそうだったなぁ。1975年に、なん演じる純子がエベレスト登頂。あら、過去の話だったのね。そもそも田部井淳子の事は知らなかったからな。女子だけの登山隊があるなんて驚いた。その上、事件があって純子だけが登頂したのも意外だった。エベレストへの女子登頂は世界初だったんだ。とにかく家族が純子を信頼していたのが良かった。ただ息子の真太郎は、高校生の時、出ていった。怒ってばかりの奴だったな。とにかく正明との関係が素晴らしかった。ずっと楽しかったのに、最後はウルッとしちゃいました。
吉永小百合さんの話し方やその言葉遣いがとっても心地いい
吉永さんの大ファンで楽しみにしていた新作、安定の良作でした、ホントいつまで経っても綺麗でカワイイ人だなぁとしみじみ思いました
そんな吉永さんが今回演じるのは実在した方で女性初のエベレスト&七大陸最高峰の登頂に成功した登山家・田部井淳子さん、女性だけでの海外遠征や最高峰の登山活動をけん引するアクティブな女性を力強く演じています
1960年代当時の女性だけでの登山活動は周囲からも理解を得るのが難しく、苦労の連続だったとか、エベレストに登頂成功したものの結果として仲間と決裂し皆が離れていってしまったとかという人生が描かれるけど、彼女を最後まで支えてくれたのは家族、特に佐藤浩市さん演じる旦那さんがすごくいい人で良かったね、という感じです
作品自体は可もなく不可もなく、本来ドラマチックな人生なのにその辺はバッサリ省き、家族との人生を描く事にフォーカスしているため、大して見どころがあって盛り上がるわけでもなく淡々と進むので、いたって普通の平均的な作品となってしまっており、退屈に感じる人も多いかと思います
観ていていくつか思ったこと
主人公が周りの仲間を失うくだりは一方的に周囲の側がクレームや妬み、嫉妬心で去ったような描き方をしていたのに違和感を感じた、あれだけ人数がいたのに誰一人味方につかなかったのは何かしらの理由があったんじゃないのか、その辺を描かなかった理由は何でしょう?
そしてその後から七大陸登頂制覇は誰とどうやって実現させたのか、そのへんのくだりが全く描かれなかったのはどういうこと?
と、そりゃテーマがそこじゃない、という作りなのは観ていれば解るけど、だとすれば誰が何のためにこの作品作りたかったの?と思っちゃいます
何にしても、旦那や子供達がホントに優しくてよかったね、彼らに最後まで支えられた人生だったよね、感謝しなきゃね
逆に主人公本人は好き勝手でやりたい放題の身勝手なキャラクターに見えてしまっていたけど、ホントにそれで大丈夫?本当は違うんじゃないかなとすごく気になりました
そして一番印象的だったのは吉永さんの青年期を演じたのんさん、吉永さんの役まんまだったのにビックリ、ホント上手な役者さんだと思った
主人公キャラが吉永さんのサバサバした雰囲気とカブっていてすごくリアルに感じた、そこも のんさんが同じ雰囲気を出していたのが素晴らしかった
主人公の旦那を演じた佐藤浩市さんは吉永sんとの年齢差は感じず、むしろ佐藤さんの方が年上に見えるぐらいの爺さんぶりだったけど、役そのものに合ってなくてイマイチだった
ま、でも普通に楽しめる作品だった、偉業を達成した伝記映画ではないってことだけであうかね、個人的にはそっちが観たかったので
いろいろな夫婦の形、家族の形
1975年、エベレスト日本女子登山隊の副隊長兼登攀隊長として、
世界最高峰エベレストの女性世界初登頂に成功した多部純子。
その偉業は世界中を驚かせ、純子自身や友人、家族たちに光を与えたが、
同時に深い影も落とすこととなった。
登山家としての挑戦はその後も続き、晩年には闘病生活を送りながら、
余命宣告を受けた後もなお、純子は笑顔で周囲を巻き込み、山に登り続けた。
といったあらすじ。
これ実話ベース。
いろいろな夫婦の形、家族の形があるもんだな、と思った。
ただ、闘病生活を送りながらも、ポジティブに取り組み、山に登る純子。
そんな命を燃やしながら前に進む彼女を支える夫や娘、息子。
「よっこらしょ」「どっこいしょ」と掛け合う夫婦。ほほえましい。
そこに至るまでにいろいろな困難があったけど、
素敵な家族愛が描かれた良作でした。
主人公の純子さんは吉永小百合さんでしたが、青年期はのんさん。
あの天真爛漫ぶりは、のんさんぴったりでした。
一方、吉永小百合さんの変わらぬ若さ、そして言葉の重さ、感動です。
それを支える夫は佐藤浩市さん、渋いなぁ~。
あんな優しい旦那さん、他にもいる?笑
この手の作品を見ると、嫁さんに冷たい?自分を反省してしまう笑
ちょっと違和感
吉永小百合がいかに若く美しいからといって、なんか天海祐希と近い友達感なのは違和感ですな。実際何歳差の設定なんだろう。のんちゃんが童顔だから若く感じてしまうが実際は36のときに登頂してるのかぁ。
さて、ストーリーは登山サクセスストーリー!なのかと思ったら、田部井さんの生き様がいろんな角度で描かれて、登山も終わったあとの関係の崩れっぷりとか結構辛辣な感じもありいろいろ感じました。
佐藤浩一のお父さんがとにかく優しくてカッコよくて、その横で笑顔でいる吉永小百合さんが素敵で、それが映画の一番好きなところでしたね。あんなお父さんになって、仲良く添い遂げたい。若葉竜也や木村文乃も含めて、素敵な家族映画でした。
パワーのあるお母ちゃんすごいなぁ。自分の好きなことをとことんやらなきゃね。自分の人生だもんね。
ちょっとモヤモヤした
山好きなら共感できるな、山映画なのか…?
心打つ夫婦愛
女性で初めて世界最高峰エベレストの登頂に成功した登山家・田部井淳子を描いたドラマ。
主人公はエベレストだけではなく世界最高峰の14座全てを制覇した偉大なクライマーである。
しかしその光り輝く偉業が大きければ大きい程その影もまた大きいのである。
彼女を最後まで献身的に支えた夫も登山家としてのキャリアを彼女の為に諦めた。
それ以上に偉大な登山家ゆえに母として子供たちに構う暇がなく結果として育児放棄の様な状況もとですさんでいく長男。
またエベレスト登頂を目指して「女性山岳クラブ」を立ち上げ一緒に頑張ったのに結果的に田部井淳子だけがもてはやされ他のメンバーは一顧だにされず無視され悔しい思いを胸にクラブを散会することになった経緯。
「一将なって万骨枯る」、栄光は田部井順子だけが享受して仲間は沈黙するのみ。
これは人間社会において往々にして起こる事で切なくも苦い事実なのです。
私はシニアですが、この映画の後半に田部井淳子が病気との闘いに疲れを感じ「生きるために治療するのは良いが、治療するために生きるのは嫌です」という言葉は胸に迫りました。
人生の最後を自分で決断するという事は高齢者にとって他人事ではないのです。
最近の日本映画では極めて珍しくなった大人むけの佳作です。
若者向けのTVアニメに席巻された日本映画興行界に咲いた一凛の白ユリの様な映画。
それにしても主役の吉永小百合の若く見える事に驚く。
夫役の佐藤浩一と並んでも年齢差を感じさせません。本来は老女の年なのに中年女性にみえます。もう80代ですから女優としての活躍がいつまで続けられるか分かりませんが頑張って欲しいとエールを送ります。
吉永さんがかなりはっちゃけた演技
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