「世界的に超有名な　孤高の登山家」てっぺんの向こうにあなたがいる　YAS!さんの映画レビュー（感想・評価）

山岳系の映画・漫画・小説は、大好きなので、本作も当然鑑賞しました。

迫力あるアクション映画ではなく、伝記映画でもなく、サスペンス映画でもなく
自叙伝を原作にしている故に、ヒューマン映画でした。

映画宣伝では、茅島みずきさんが「なぜ、あの時、貴女(田部井淳子さん)だけが、登頂したのですか！」とサスペンス調CMが流されていたが。。。アレです。

登山家・田部井淳子さんは、世界女性初(男女38人目)の「エベレスト登頂」同じく　世界女性初(男女19人目)の「七大陸最高峰登頂者」を行っているだけに
よほど自分勝手で、雄々しい登山家だと連想しがちですが
超高山への"登頂アタック"とは、根回しとか、知名度とか、力関係等ではなく
シェルパを使いつつも、何日間も時間をかけ、段階的にベース基地の高度を上げていく中で、
荷物を上げながら　体を慣らしていく過程で
誰かが　上でも、下でも、特別なわけではなく、チーム全員の中で、おのずと"体力を1番維持できていた人間"が、"登頂"という役務を勝ち取ることができる勝ち抜きの結果なのです。

この映画を観たら、田部井淳子さんに続き、日本人女性で2人目(世界で女性で7人目)の「七大陸最高峰登頂者」である難波康子さんが
最後に挑みエベレスト下山中に亡くなった映画「Into Thin Air - Death on Everest(1997年)」「エベレスト 3D(2015年)」を観ると、その難しさが少しは解かると思う。ちなみに2人とも K2 には、挑戦していない。