「女性登山家の半生記」てっぺんの向こうにあなたがいる クロイワツクツクさんの映画レビュー(感想・評価)
女性登山家の半生記
吉永小百合主演映画というものは、テレビのロードショー以外で見たことは無かったのだが、今回初めて見た。
それというのも、田部井淳子という女性登山家をモデルにした映画であったから。私もちょっと山登りはしたことがあって、以前は日本アルプスだとか八ヶ岳に登ったりしたこともあった。吉永小百合と登山というのはどうにもあまり結びつかない感じだったが、登山を主目的とした、何々登頂記、的なものとは違い、家族や友人といった人間関係に主眼を置いた物語になっていた。
山登りが趣味な人間からしたら、ちょっと物足りないところもあるだろう。若い頃はのんが演じていて、時折回想というか、時間が前後して話が進む。
吉永小百合と天海祐希や佐藤浩市って親子くらい年が違うだろう、とか思いながら見てしまうが、年相応な役者を使わないのは何か理由でもあるのか。
吉永小百合の年齢もあるし、登山とかやっていたわけでもないだろうから、登山描写は少ない。若い頃と晩年が主に描かれていて、途中がすっとばされている感じ。
昔ドラマでは、市毛良枝が演じていたが、市毛良枝は登山経験もあり、いまでも登山関連の番組に出たりもしている。市毛良枝が演じていたら、登山家の田部井淳子という感じで描かれたかもしれないが、これは吉永小百合主演映画であって、田部井淳子を描きたいという感じではないのだろう。
病院での診察とか病床の描写が真に迫っているというか、見ている人も高齢者が多かったし、老後というものの過ごし方というか、そういう方面に力が入っているような映画ではあった。
特段悪いとかそんなところも無く、淡々と話は進んで行く。まあ、私としては、田部井淳子がエベレストしか登ってないような感じに見えてしまうのはちょっといただけないが、それは主眼としてみなければ悪くも無い映画だった。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
